IGRP(Interior Gateway Routing Protocol)とは?意味をわかりやすく簡単に解説
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IGRP(Interior Gateway Routing Protocol)とは
IGRP(Interior Gateway Routing Protocol)はシスコシステムズが開発したディスタンスベクトル型のルーティングプロトコルです。ディスタンスベクトル型のルーティングプロトコルはルーティングテーブルの情報をネイバールータと交換することで、ネットワーク全体のトポロジ情報を構築します。
IGRPはRIPの欠点を克服するために開発されました。RIPはホップ数のみを指標としてルーティングを行うため、必ずしも最適な経路を選択できないという問題がありました。
IGRPでは複合メトリックを使用することで、より最適な経路を選択することができます。複合メトリックには帯域幅、遅延、信頼性、負荷などが含まれており、これらの指標を組み合わせることで、より適切な経路を選択することが可能となります。
IGRPはクラスフルルーティングプロトコルであり、サブネットマスクの情報を伝達することができません。そのため、可変長サブネットマスク(VLSM)を使用することができず、ネットワークの設計に制限が生じることがあります。
IGRPはシスコ独自のプロトコルであるため、シスコ機器同士でしか使用することができません。現在はIGRPの後継プロトコルであるEIGRPが広く使用されており、IGRPは徐々に使用されなくなってきています。
IGRPの複合メトリック
IGRPの複合メトリックに関して、以下3つを簡単に解説していきます。
- IGRPの複合メトリックに含まれる指標
- IGRPの複合メトリックの計算方法
- IGRPの複合メトリックの利点と欠点
IGRPの複合メトリックに含まれる指標
IGRPの複合メトリックには帯域幅、遅延、信頼性、負荷の4つの指標が含まれています。帯域幅はリンクの伝送速度を表し、遅延はパケットがリンクを通過するのにかかる時間を表します。
信頼性はリンクの安定性を表し、負荷はリンクの混雑度を表しています。これらの指標を組み合わせることで、IGRPは最適な経路を選択することができるのです。
IGRPの複合メトリックはこれらの指標に重み付けを行い、単一の値として表現されます。重み付けはネットワーク管理者が設定することができ、ネットワークの要件に応じて調整することが可能となっています。
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IGRPの複合メトリックの計算方法
IGRPの複合メトリックは以下の計算式を使用して算出されます。複合メトリック = ([K1 * 帯域幅 + (K2 * 帯域幅) / (256 - 負荷) + K3 * 遅延] * [K5 / (信頼性 + K4)])です。
K1からK5は各指標の重み付けを表す定数で、ネットワーク管理者が設定することができます。デフォルトではK1=K3=1、K2=K4=K5=0に設定されており、帯域幅と遅延のみが考慮されます。
この計算式により、IGRPは複合メトリックを算出し、最適な経路を選択することができます。複合メトリックの値が小さいほど、より最適な経路であると判断されるのです。
IGRPの複合メトリックの利点と欠点
IGRPの複合メトリックの利点はより最適な経路を選択できることです。複数の指標を考慮することで、帯域幅や遅延だけでなく、信頼性や負荷なども考慮した経路選択が可能となります。
また、重み付けを調整することで、ネットワークの要件に応じた経路選択を行うことができます。これにより、ネットワークのパフォーマンスを向上させることが可能となるのです。
一方で、IGRPの複合メトリックの欠点は計算式が複雑であることです。複合メトリックの計算には多くの計算リソースが必要となり、大規模なネットワークではIGRPの収束時間が長くなる可能性があります。
IGRPの後継プロトコルEIGRP
IGRPの後継プロトコルEIGRPに関して、以下3つを簡単に解説していきます。
- EIGRPの概要と特徴
- EIGRPとIGRPの違い
- EIGRPの利点と欠点
EIGRPの概要と特徴
EIGRPはシスコシステムズが開発したアドバンスド・ディスタンスベクトル型のルーティングプロトコルです。IGRPの後継プロトコルとして位置づけられており、IGRPの欠点を克服するために開発されました。
EIGRPはDUAL(Diffusing Update Algorithm)と呼ばれるアルゴリズムを使用して、ループフリーな経路選択を行います。DUALにより、EIGRPは高速な収束が可能となっており、大規模なネットワークでも効率的に動作することができます。
また、EIGRPは可変長サブネットマスク(VLSM)をサポートしており、柔軟なネットワーク設計が可能となっています。これにより、IPアドレスの効率的な利用が可能となり、ネットワークの拡張性が向上するのです。
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EIGRPとIGRPの違い
EIGRPとIGRPの大きな違いは使用されるアルゴリズムです。IGRPはディスタンスベクトル型のアルゴリズムを使用するのに対し、EIGRPはDUALと呼ばれるアドバンスド・ディスタンスベクトル型のアルゴリズムを使用します。
また、EIGRPはIGRPと比較して、より高速な収束が可能となっています。これはDUALアルゴリズムによって、ループフリーな経路選択が行われるためです。
さらに、EIGRPは可変長サブネットマスク(VLSM)をサポートしているため、より柔軟なネットワーク設計が可能となっています。IGRPではVLSMを使用することができないため、ネットワークの設計に制限が生じることがありました。
EIGRPの利点と欠点
EIGRPの利点は高速な収束が可能であることです。DUALアルゴリズムにより、ループフリーな経路選択が行われるため、大規模なネットワークでも効率的に動作することができます。
また、EIGRPは可変長サブネットマスク(VLSM)をサポートしているため、柔軟なネットワーク設計が可能となっています。これにより、IPアドレスの効率的な利用が可能となり、ネットワークの拡張性が向上します。
一方で、EIGRPの欠点はシスコ独自のプロトコルであることです。EIGRPはシスコ機器同士でしか使用することができないため、マルチベンダー環境では使用することができません。
IGRPのコンフィグレーション
IGRPのコンフィグレーションに関して、以下3つを簡単に解説していきます。
- IGRPのコンフィグレーションコマンド
- IGRPのコンフィグレーション例
- IGRPのコンフィグレーション時の注意点
IGRPのコンフィグレーションコマンド
IGRPのコンフィグレーションには以下のようなコマンドが使用されます。ルータコンフィグレーションモードで、「router igrp」コマンドを使用して、IGRPプロセスを開始します。
次に、「network」コマンドを使用して、IGRPを動作させるインターフェースを指定します。「network」コマンドにはインターフェースのIPアドレスが属するネットワークアドレスを指定します。
また、「metric weights」コマンドを使用して、複合メトリックの重み付けを調整することができます。「metric weights」コマンドにはK1からK5の値を指定します。
IGRPのコンフィグレーション例
以下はIGRPのコンフィグレーション例です。ルータAとルータBの間で、IGRPを使用して経路交換を行う場合の例となります。
ルータA:
router igrp 1
network 192.168.1.0
metric weights 0 1 1 0 0
ルータB:
router igrp 1
network 192.168.2.0
metric weights 0 1 1 0 0
この例ではルータAとルータBで、IGRPプロセス番号1を使用しています。また、「network」コマンドで、IGRPを動作させるインターフェースのネットワークアドレスを指定しています。
さらに、「metric weights」コマンドで、複合メトリックの重み付けを調整しています。この例ではデフォルトの重み付けを使用しているため、帯域幅と遅延のみが考慮されます。
IGRPのコンフィグレーション時の注意点
IGRPのコンフィグレーション時には以下のような注意点があります。まず、IGRPプロセス番号はルータ間で一致している必要があります。プロセス番号が一致していない場合、IGRPは正常に動作しません。
また、「network」コマンドで指定するネットワークアドレスはインターフェースのIPアドレスが属するネットワークアドレスである必要があります。ネットワークアドレスが正しく指定されていない場合、IGRPは正常に動作しないことがあります。
さらに、「metric weights」コマンドで指定する重み付けはネットワークの要件に応じて適切に設定する必要があります。重み付けが適切でない場合、IGRPが最適な経路を選択できなくなる可能性があります。
※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。
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