ECMAScriptとは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


ECMAScriptとは

ECMAScriptはJavaScriptの標準仕様を定義したものです。JavaScriptはブラウザ上で動作するプログラミング言語として広く使用されていますが、その仕様を標準化したのがECMAScriptになります。

ECMAScriptはEcma Internationalという非営利団体によって標準化が進められています。ECMAScriptの仕様はJavaScript言語の構文や機能、オブジェクトなどを詳細に定義しており、JavaScriptエンジンの実装やブラウザの互換性を確保するための指針となっています。

ECMAScriptのバージョンはES1、ES2、ES3、ES5、ES6(ES2015)、ES2016、ES2017、ES2018、ES2019、ES2020など、年号や番号で表記されます。バージョンが上がるごとに、新しい機能や改善が加えられ、JavaScriptの表現力や利便性が向上しています。

例えば、ES6(ES2015)ではlet・constキーワードの導入、アロー関数、クラス構文、モジュール機能などが追加されました。これらの機能によって、JavaScriptでのコーディングがより柔軟かつ効率的になり、大規模なアプリケーション開発にも対応できるようになりました。

ECMAScriptの仕様はブラウザベンダーやJavaScriptエンジンの開発者によって実装され、各ブラウザやNode.jsなどのJavaScript実行環境で利用可能になります。ECMAScriptの理解はJavaScriptを使用する上で非常に重要であり、最新の仕様を把握することでより良いコードを書くことができるでしょう。

ECMAScriptの歴史と進化

ECMAScriptの歴史と進化に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ECMAScriptの誕生と初期のバージョン
  • ECMAScript 5とそれ以前のバージョンの特徴
  • ECMAScript 2015以降の年次リリースと新機能

ECMAScriptの誕生と初期のバージョン

ECMAScriptは1995年にNetscape社によって開発されたJavaScriptを標準化するために生まれました。当初はEcma Internationalによって「ECMAScript」という名称で標準化が進められ、1997年にECMAScript 1(ES1)が公開されました。

その後、ECMAScript 2(ES2)とECMAScript 3(ES3)が続けてリリースされ、JavaScriptの基本的な構文や機能が定義されていきました。ES3までは主にブラウザ間の互換性を確保することに重点が置かれていましたが、言語仕様としては比較的シンプルなものでした。

ECMAScript 5とそれ以前のバージョンの特徴

ECMAScript 4(ES4)は大幅な変更を含む野心的なバージョンとして計画されましたが、コミュニティ内の意見の相違により最終的に破棄されました。その後、2009年にリリースされたECMAScript 5(ES5)はES3の延長線上にある比較的マイナーなアップデートとなりました。

ES5ではstrict modeの導入、Object.create()やObject.defineProperty()などのオブジェクト操作のメソッド、Array.prototype.map()やArray.prototype.filter()などの配列メソッドが追加されました。これらの機能によって、JavaScriptでのオブジェクト指向プログラミングやデータ操作がより柔軟になりました。

ECMAScript 2015以降の年次リリースと新機能

ECMAScript 2015(ES2015)、別名ECMAScript 6(ES6)はECMAScriptの歴史の中で最も大きな変更点を含むバージョンです。ES2015ではlet・constキーワード、アロー関数、クラス構文、モジュール機能、テンプレート文字列など、多くの新機能が導入されました。

ES2015以降は毎年新しいバージョンが定期的にリリースされるようになり、ECMAScript 2016(ES2016)、ECMAScript 2017(ES2017)、ECMAScript 2018(ES2018)、ECMAScript 2019(ES2019)、ECMAScript 2020(ES2020)と続いています。これらのバージョンでは言語機能の追加や改善が行われ、JavaScriptの表現力や開発者の利便性が向上しています。

ECMAScriptの主要な機能と構文

ECMAScriptの主要な機能と構文に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • 変数宣言とスコープ
  • 関数とアロー関数
  • クラスとオブジェクト指向プログラミング

変数宣言とスコープ

ECMAScriptでは変数宣言にvar、let、constキーワードを使用します。varは関数スコープを持ち、letとconstはブロックスコープを持ちます。constは一度値を代入すると再代入できない変数を宣言する際に使用します。

スコープは変数のアクセス可能な範囲を定義します。関数スコープは関数内でのみ有効ですが、ブロックスコープは{}で囲まれたブロック内でのみ有効です。letとconstを使用することで、より細かいスコープ制御が可能になり、予期しない変数の上書きを防ぐことができます。

関数とアロー関数

ECMAScriptでは関数を定義するために function キーワードを使用します。関数は引数を受け取り、処理を行い、値を返すことができます。また、関数は第一級オブジェクトとして扱われ、変数に代入したり、他の関数に引数として渡したりすることができます。

ES2015で導入されたアロー関数はfunction キーワードを使った関数定義の省略記法です。アロー関数はコールバック関数や短い関数を定義する際に便利で、thisのバインディングも自動的に行われます。アロー関数を使用することで、コードの可読性と簡潔性が向上します。

クラスとオブジェクト指向プログラミング

ES2015ではクラス構文が導入され、オブジェクト指向プログラミングがより直感的に行えるようになりました。classキーワードを使用してクラスを定義し、constructorメソッドでインスタンス化時の処理を記述します。メソッドやプロパティを定義することで、オブジェクトの振る舞いを定義できます。

クラスは継承をサポートしており、extendsキーワードを使用して親クラスを継承することができます。これにより、コードの再利用性が高まり、より柔軟なオブジェクト指向設計が可能になります。また、ゲッターやセッターを使用して、プロパティのアクセス制御を行うこともできます。

ECMAScriptの実行環境と互換性

ECMAScriptの実行環境と互換性に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • ブラウザでのECMAScriptの実行
  • Node.jsでのECMAScriptの実行
  • ECMAScriptの互換性と環境差異への対応

ブラウザでのECMAScriptの実行

ECMAScriptは主にWebブラウザ上で実行されるJavaScriptの標準仕様です。各ブラウザベンダーはECMAScriptの仕様に基づいてJavaScriptエンジンを実装しています。現在、主要なブラウザであるGoogle Chrome、Mozilla Firefox、Apple Safari、Microsoft EdgeはECMAScriptの最新版をサポートしています。

ブラウザ上でECMAScriptを実行する際はHTMLファイル内にscriptタグを記述し、そこにJavaScriptのコードを埋め込むか、外部のJavaScriptファイルを読み込みます。ブラウザはこのコードを解釈し、実行結果をレンダリングします。ブラウザ上でのECMAScriptは主にDOMの操作やイベント処理、非同期通信などに使用されます。

Node.jsでのECMAScriptの実行

Node.jsはChromeのV8 JavaScriptエンジンをベースにしたサーバーサイドのJavaScript実行環境です。Node.jsを使用することで、ECMAScriptをサーバーサイドで実行することができます。Node.jsは非同期I/Oや高いパフォーマンスを特徴としており、スケーラブルなネットワークアプリケーションの開発に適しています。

Node.jsでECMAScriptを実行する際は通常、.jsファイルを作成し、コマンドラインからNode.jsを使用してそのファイルを実行します。Node.jsはCommonJSモジュールシステムをサポートしているため、requireを使用してモジュールを読み込み、モジュール化されたコードを書くことができます。Node.jsでのECMAScriptはサーバーサイドのロジック、APIの構築、データベース操作などに使用されます。

ECMAScriptの互換性と環境差異への対応

ECMAScriptは継続的に進化しており、新しいバージョンが定期的にリリースされています。しかし、すべてのブラウザやNode.jsのバージョンが最新のECMAScript仕様をサポートしているわけではありません。そのため、ECMAScriptを使用する際は実行環境の互換性を考慮する必要があります。

互換性の問題に対応するために、トランスパイラと呼ばれるツールを使用することがあります。トランスパイラは新しいECMAScript構文を、より広くサポートされている古いバージョンのJavaScript構文に変換します。代表的なトランスパイラとしてはBabelやTypeScriptがあります。これらのツールを使用することで、新しいECMAScript機能を利用しつつ、互換性の高いコードを生成することができます。

参考サイト

  1. Apple. https://www.apple.com/jp/
  2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp
  3. Google. https://blog.google/intl/ja-jp/

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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