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公開：2024-09-20

資生堂とNTTが化粧品の触り心地を遠隔体験できる技術の共同研究を開始、オンライン販売における新たな顧客体験の創出へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 資生堂とNTTが化粧品触感技術の共同研究開始
• 遠隔・非接触で触り心地を視聴覚で体験可能に
• 多様なニーズに応える新たな体験機会を創出

資生堂とNTTが化粧品の触り心地を遠隔で体験できる技術の共同研究を開始

株式会社資生堂と日本電信電話株式会社は、2024年9月18日に化粧品の触り心地を遠隔かつ非接触で体験できる技術の共同研究を開始したと発表した。この革新的な技術は、資生堂の感性科学研究の知見とNTTの非接触情報提示技術を融合させることで実現される。両社の強みを活かし、一人ひとりの多様なニーズに応える新たな体験機会の創出を目指している。^[1]

従来のオンライン販売では、実際の商品やテスターに触れることなく化粧品の触り心地を伝える手段が限られていた。主に動画や言語表現による情報提供が行われてきたが、本共同研究を通じてさらに体験価値を高めることが期待される。将来的には、時間や場所、言語などの制約を超えて、世界中の顧客が化粧品の触り心地を体験できるようになる可能性がある。

この共同研究は、人間が化粧品基剤に触れた時の触り心地を視覚や聴覚など複数の感覚の視点で探り、最終的には化粧品基剤の触り心地をさまざまな感覚で再現する感覚インターフェースの実現を目指している。オンライン販売などで実際の商品やテスターに直接触れることが難しい状況でも、生活者が触り心地を体験できる新しい機会を創出することが期待される。

資生堂とNTTの共同研究の概要

感性科学研究について

感性科学研究とは、人の感覚や心理といった主観的なものを客観的・科学的なアプローチで解き明かす研究分野のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 人間の感覚や感性を定量化・可視化する
• 主観的な体験を科学的に分析する
• 製品開発や体験デザインに応用可能

資生堂の感性科学研究は、肌触りや化粧品の感触に関する知覚メカニズムの解明に重点を置いている。この研究成果は、心地よい感触を生み出す製剤化の知見として活用され、今回のNTTとの共同研究においても重要な役割を果たすことが期待される。感性科学研究の知見と最新のデジタル技術を融合させることで、より豊かな美容体験の創出が可能になるだろう。

遠隔触感技術の共同研究に関する考察

資生堂とNTTの共同研究による遠隔触感技術は、オンライン販売における大きな課題を解決する可能性を秘めている。従来、化粧品の購入時に重要視されてきた触り心地の確認が、遠隔でも可能になることで、消費者の購買意思決定プロセスが大きく変わる可能性がある。しかし、技術の実用化に向けては、触感の個人差や環境要因による影響など、様々な課題を克服する必要があるだろう。

この技術が実現すれば、化粧品業界だけでなく、ファッションや食品など、触感が重要な役割を果たす他の産業にも応用できる可能性がある。一方で、プライバシーやデータセキュリティの問題も考慮する必要があり、ユーザーの個人情報や感覚データの取り扱いには十分な注意が必要だ。技術の発展と並行して、倫理的な側面からの議論も重要になってくるだろう。

将来的には、この技術をさらに発展させ、触感だけでなく香りや温度感など、より多様な感覚情報を遠隔で伝達できるようになることが期待される。また、VRやARなどの技術と組み合わせることで、より没入感のある製品体験を提供できる可能性もある。資生堂とNTTの共同研究が、デジタル時代における新たな感覚コミュニケーションの先駆けとなり、消費者と企業のつながり方に革新をもたらすことを期待したい。

参考サイト

1. ^ NTT. 「資生堂とNTT、化粧品の触り心地を遠隔・非接触で体験できる技術開発に向けた共同研究を開始～両社の強みを活かし一人ひとりの多様なニーズに応え、新たな体験の機会創出をめざす～ | ニュースリリース | NTT」. https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/09/18/240918a.html, (参照 24-09-20).

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