ナウキャストとフロッグが8月の賃金動向データを公開、アルバイト・パートの募集賃金指数が過去最高を記録

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

ナウキャストとフロッグが8月の賃金動向データを公開
正社員の募集賃金指数が前年同期比で減少傾向
アルバイト・パートの募集賃金指数が過去最高を記録

ナウキャストとフロッグの8月賃金動向データ公開

株式会社ナウキャストと株式会社フロッグは、2024年9月18日に「HRog賃金Now」の8月の賃金動向データを公開した。このサービスは、求人ビッグデータをもとにした賃金動向指数サービスで、労働市場に関する各種公的統計と比較して高い頻度性と速報性を持つのが特徴だ。雇用形態別に「都道府県別×職種別」、「業種別×企業規模別」などのクロスセル分析が可能となっている。^[1]

8月の正社員の募集賃金指数の前年同期比は、7月から引き続き減少傾向を示した。一方で、求人数指数の前年同期比は7月から横ばいで2桁台の伸び率を維持している。業種別では、「製造業」や「卸売業、小売業」など、他の業種と比べて高い水準で推移していた業種が8月に大きく減速しており、全体の募集賃金の減少に影響を与えていると考えられる。

アルバイト・パートの募集賃金指数の前年同期比は7月から大きく上昇し、過去最高を記録した。求人数指数の前年同期比も引き続き増加し、前年比プラスを維持している。職種別では、サービス関連業種の募集賃金が高い水準で推移しており、特に「生活関連サービス業、娯楽業」は7月からさらに上昇し、高い水準となっている。

8月の賃金動向データまとめ

	正社員	アルバイト・パート
募集賃金指数（前年同期比）	減少傾向	大幅上昇（過去最高）
求人数指数（前年同期比）	横ばい（2桁台の伸び率維持）	増加（前年比プラス維持）
業種別・職種別の特徴	製造業、卸売業、小売業が減速	サービス関連業種が高水準
注目業種	宿泊業、飲食サービス業（3%超の成長）	生活関連サービス業、娯楽業（高水準）

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求人ビッグデータについて

求人ビッグデータとは、大量の求人広告情報を収集・分析したデータのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

多様な求人情報を網羅的に収集
リアルタイムに近い形で労働市場の動向を把握可能
職種、地域、業界など多角的な分析が可能

HRog賃金Nowでは、フロッグがWebスクレイピングにより収集した150以上の求人検索サイトのデータを活用している。週次で100万～350万件のデータを分析し、2017年2月13日以降のデータヒストリーを保持している。このような大規模なデータ分析により、労働市場の動向をより詳細かつタイムリーに把握することが可能となっている。

HRog賃金Nowの賃金動向データに関する考察

HRog賃金Nowが提供する8月の賃金動向データは、日本の労働市場における重要な変化を示唆している。正社員の募集賃金指数が減少傾向にある一方で、アルバイト・パートの募集賃金指数が過去最高を記録したという結果は、企業の雇用戦略の変化を反映している可能性がある。これは、経済の不確実性に対応するため、企業が柔軟な雇用形態を選好している傾向を示唆しているだろう。

今後、この傾向が続くと、正社員とアルバイト・パート間の賃金格差が拡大する可能性がある。このような状況は、労働市場の二極化を加速させ、社会的な格差の問題を引き起こす恐れがある。解決策として、政府や企業は、非正規雇用者のスキル開発や処遇改善に向けた取り組みを強化する必要があるだろう。また、正規・非正規の垣根を越えた公平な評価・報酬システムの構築も重要な課題となる。

HRog賃金Nowのような高頻度・高精度のデータ分析ツールは、これらの課題に対応する上で重要な役割を果たすと期待される。今後は、AI技術を活用したより詳細な予測分析や、個別企業の賃金戦略立案支援機能など、さらに進化した機能の追加が望まれる。労働市場の変化をリアルタイムで捉え、適切な政策立案や企業の意思決定を支援するツールとして、HRog賃金Nowの継続的な発展に期待したい。