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公開：2024-09-22

HIROTSUバイオサイエンスがN-NOSEの技術革新を発表、がん検出精度とがん種の大幅拡大へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• HIROTSUバイオサイエンスがN-NOSEの最新状況を発表
• N-NOSEの実社会データと新製品の年度内発表を予告
• AIを用いた線虫の画像解析による精度向上を報告

HIROTSUバイオサイエンスがN-NOSEの技術説明会を開催

株式会社HIROTSUバイオサイエンスは2024年9月20日に報道関係者向けの技術説明会「N-NOSE Innovation Update」を開催した。この説明会では日本核医学会PET核医学分科会による実社会データの解説や国立のがんセンターとの共同研究結果に基づくN-NOSEが反応するがん種の拡大について報告がなされた。年度内にはN-NOSEの大型アップデートが予定されている。^[1]

実社会データの分析結果によると、N-NOSEの高リスク者の陽性的中率は11.7%であり、一次スクリーニングとしての有用性が示された。また、国立のがんセンターとの大規模臨床試験の成果を踏まえ、N-NOSEが反応するがん種を現在の15種から24種へ大幅に拡大する新製品の年度内発表が予告された。

さらに、AIを用いた線虫の画像解析による精度向上についても報告がなされた。検査精度の指標となるAUC値が従来の0.845から0.91へと向上し、がん種特定に向けた最新のアップデートが進められている。これらの技術革新により、N-NOSEのがん検査としての信頼性と有用性がさらに高まることが期待される。

N-NOSE Innovation Updateの主要ポイント

AUC値について

AUC値とは「Area Under the Curve」の略称で、ROC（Receiver Operating Characteristic）曲線下の面積を指す指標である。主に以下のような特徴がある。

• 0.5から1.0の間の値をとり、1.0に近いほど高精度
• 検査の感度と特異度を総合的に評価する指標
• 異なる検査方法の性能比較に有用

N-NOSEの場合、AIを用いた線虫の画像解析によってAUC値が0.845から0.91に向上した。この値の上昇は、N-NOSEのがん検出能力が大幅に改善されたことを示している。AUC値の向上は偽陽性や偽陰性の減少につながり、検査の信頼性と臨床的有用性を高める重要な進展と言える。

N-NOSEの技術革新に関する考察

N-NOSEの技術革新において特筆すべき点は、実社会データの活用とAI技術の導入による精度向上である。日本核医学会PET核医学分科会による客観的な調査結果は、N-NOSEの一次スクリーニングとしての有用性を裏付けており、がん検診の新たな選択肢として期待できる。一方で、検査結果の解釈や偽陽性への対応など、実用化に向けてはさらなる検討が必要だろう。

がん種の拡大は、N-NOSEの適用範囲を大幅に広げる重要な進展だ。厚生労働省が集計対象とするがん全体の99.4%をカバーすることで、より包括的ながんスクリーニングが可能になる。しかし、多様ながん種に対する検出精度の均一性や、各がん種特有の生物学的特性への対応が課題となる可能性がある。これらの課題に対しては、継続的な臨床データの蓄積と分析が不可欠だろう。

AIを用いた画像解析技術の導入は、N-NOSEの精度向上に大きく貢献している。AUC値の0.91への上昇は、検査の信頼性を大幅に高める成果だ。今後は、AIモデルの継続的な改良やビッグデータの活用によって、さらなる精度向上や新たな知見の獲得が期待される。同時に、AI技術の透明性や説明可能性の確保も重要な課題となるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「「N-NOSE Innovation Update」を開催　第三者による実社会データの解説とがん種の拡大をふまえ | 株式会社HIROTSUバイオサイエンスのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000090131.html, (参照 24-09-22).
2. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/index.html

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