WWFジャパンと九州大学が東与賀の生き物3Dデジタル図鑑を発表、地域の生物多様性保全に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

WWFジャパンと九州大学が東与賀の生き物3D図鑑を発表
52種の水生生物をマルチメディアで紹介
地域の生物多様性保全を目指す取り組み

WWFジャパンと九州大学による東与賀の生き物3Dデジタル図鑑の発表

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン（WWFジャパン）は、2024年9月25日に国立大学法人九州大学との共同研究により開発した「東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑」を発表した。本図鑑は、佐賀県佐賀市東与賀地域に生息する水生生物を画像・3Dモデル・動画・音声で紹介するウェブサイトである。地域の宝である水辺の希少種や生態系の価値と危機について、地元の方々の理解を深め、自然保全の動きにつなげることを目指している。^[1]

この図鑑には、東よか干潟の生きもの17種と水田・水路に生息する魚類や両生類など35種、計52種が掲載されている。3Dの立体的な生き物の画像を自由な角度や大きさで観察できるほか、音声や動画で生き物の様子を楽しめるページも用意されている。採取や観察が難しい希少な生き物に触れ合えるツールとして、地域の生物多様性保全に貢献することが期待されている。

WWFの調査によると、世界の生物多様性の豊かさは過去50年間で69パーセントも減少しており、特に淡水生態系の生き物については83パーセントも減少していると報告されている。このような状況下で、各地域の生物多様性を保全していくことは国際的にも重要視されており、本図鑑の発表はその取り組みの一環として位置づけられている。

東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑の特徴まとめ

	内容	目的	特徴
対象地域	佐賀県佐賀市東与賀地域	地域の生物多様性保全	地域特化型
掲載生物	水生生物52種	希少種の理解促進	多様な種類を網羅
表現方法	マルチメディア（画像・3Dモデル・動画・音声）	生態系の価値の可視化	立体的な観察が可能
開発体制	WWFジャパンと九州大学の共同研究	専門知識の融合	学術的裏付けがある
期待される効果	地域の自然保全の動きの促進	生物多様性の維持	地元住民の意識向上

東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑はこちら

生物多様性について

生物多様性とは、地球上に存在する生物の多様さとその生態系の豊かさを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

種の多様性：様々な種類の生物が存在すること
遺伝的多様性：同じ種の中でも遺伝的な違いがあること
生態系の多様性：様々な生態系が存在すること

WWFの調査によると、世界の生物多様性は過去50年間で69パーセントも減少しており、特に淡水生態系では83パーセントの減少が報告されている。このような状況下で、東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑のような取り組みは、地域の生物多様性の価値を可視化し、保全意識を高める重要な役割を果たしている。

東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑に関する考察

東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑の発表は、地域の生物多様性保全に向けた重要な一歩だ。3Dモデルや動画、音声などのマルチメディアを活用することで、従来の紙媒体の図鑑では伝えきれなかった生物の動きや生態をリアルに表現できる点が特に優れている。この技術を活用することで、地域住民や子どもたちの興味を引き出し、自然保護への意識を高めることができるだろう。

一方で、今後の課題として、このデジタル図鑑の継続的な更新と拡充が挙げられる。生態系は常に変化しており、新たな種の発見や既知の種の減少など、最新の情報を反映させ続ける必要がある。また、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、インターフェースの改善や新機能の追加を行うことで、より使いやすく、教育効果の高いツールへと進化させていくことが重要だ。

今後の展開として、この取り組みを他の地域にも広げていくことが期待される。各地域の特徴的な生態系を同様の手法でデジタル化することで、日本全体の生物多様性マップを作成できる可能性がある。さらに、AIを活用した種の同定機能や、VR技術を用いた没入型の生態系体験など、最新技術を取り入れることで、より多くの人々に生物多様性の重要性を伝えられるだろう。