プログラミング

PROGRAMMING

公開：2024-05-18

Jetpack ComposeがGoogle I/Oで大幅進化、マルチスクリーン時代を見据えた機能拡充

text: XEXEQ編集部

記事の要約

• Jetpack ComposeのAPIやライブラリが更新され、マルチスクリーン対応が強化された
• Wear OS、Android TV、Glanceウィジェットへの対応も拡充
• サンプルアプリJetcasterがマルチデバイス対応し、Composeの可能性を示した
• SoundCloudがComposeを活用し、コード量を45%削減しながらマルチスクリーン対応を実現

Jetpack Composeが大幅アップデート、マルチスクリーン対応が飛躍的に向上

Jetpack Composeの新バージョンがGoogle I/O 2024で発表された。アダプティブレイアウトのためのAPIやライブラリが拡充され、様々な画面サイズやウィンドウサイズに合わせたUIの構築が容易に。^[1]

NavigationSuiteScaffoldやListDetailPaneScaffoldといった新しいレイアウトが追加され、画面の分割や要素の配置を自動的に最適化してくれる。これによりフォンからタブレット、折りたたみ式の端末まで、一貫性のあるUX設計が可能だ。

Material 3のアダプティブデザインとの連携も強化。ウィンドウサイズに応じてナビゲーションバーやレイアウトが動的に切り替わるなど、ガイドラインに沿ったUIを簡単に実装できる。Composeのマルチスクリーン対応への取り組みが着実に実を結んでいると言えるだろう。

Wear OS、Android TV、Glanceにも対応拡大

Wear OSやAndroid TV向けのCompose向けAPIやコンポーネントも強化。Wear OSではSwipeToRevealやExpandableItemなどの新機能が安定版に昇格し、対応デバイスの画面サイズに合わせたプレビュー機能も改善された。

Android TVではCompose for TV 1.0がベータ版としてリリース。パフォーマンスやインプット対応の改善に加え、リスト表示やナビゲーション、設定画面などの新コンポーネントが充実し、テレビアプリ開発の生産性が大きく向上した。

ホーム画面ウィジェットを構築するJetpack Glanceも1.1.0がRC版に。ユニットテストライブラリやエラーUI、新しいレイアウト部品などが導入された。Compose UIのAndroidエコシステムへの浸透が一段と進み、プラットフォーム全体の一貫したUX実現に弾みがついている。

考察

Jetpack Composeは着実に進化を遂げ、マルチスクリーン時代のUI開発における重要な選択肢となりつつある。統一的なAPIとコンポーネントによって、様々なデバイスに最適化されたUIを効率的に構築できるようになった。

一方でレイアウトの自動最適化などによって、意図しない表示になるケースも考えられる。Composeによる抽象化、各デバイスの特性を考慮したUX設計のバランスを取ることが肝要だ。

今後はWearやTV、ウィジェットなどの領域で、Composeならではのデザインパターンやベストプラクティスが確立されていくだろう。プラットフォーム標準のUIフレームワークとして、Androidエコシステムの発展に欠かせない存在になると期待される。

参考サイト

1. ^ Android Developers Blog. 「Android Developers Blog: Scaling Across Screens with Jetpack Compose @ Google I/O ‘24」. https://android-developers.googleblog.com/2024/05/scaling-across-screens-with-compose-google-io-24.html, (参照 24-05-28).
2. Google. https://blog.google/intl/ja-jp/

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