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公開：2024-10-05

データグリッドがディープフェイク対策技術の開発・実証を開始、総務省事業に採択され産学連携で取り組む

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• データグリッドが総務省の実証事業に採択
• ディープフェイク対策ソリューションの開発・実証を開始
• NIIと名古屋大学と共同で取り組む

データグリッドのディープフェイク対策技術開発への取り組み

データグリッドは、総務省の「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」に2024年7月2日に採択された。この事業では、国立情報学研究所及び名古屋大学と共同で、ディープフェイク対策ソリューションの開発・実証を実施する。生成AIの急速な進化に伴い、ディープフェイク技術による偽情報の拡散が社会問題化している現状に対処するための取り組みだ。^[1]

データグリッドは、2017年の創業以来、生成AI技術を核とした事業を展開してきた京都大学発のAIベンチャーである。同社は2018年に高品質な日本人顔画像の生成、2019年にはデジタルヒューマンの全身画像生成に世界で先駆けて成功するなど、生成AI分野で先進的な技術開発を行ってきた実績がある。

本事業では、データグリッドが持つ生成AI技術の知見を活かし、NIIのディープフェイク検出分野の専門家である越前功教授・山岸順一教授、名古屋大学の安田裕介特任講師と連携して技術開発を進める。さらに、複数のファクトチェック機関や報道機関との実証実験を通じて、実用的なサービスの開発を目指している。

ディープフェイク対策ソリューション開発の概要

ディープフェイクについて

ディープフェイクとは、深層学習（ディープラーニング）技術を用いて作成された偽の画像や動画のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 高度なAI技術により作成された非常にリアルな偽コンテンツ
• 人物の顔や声を別の人物のものに置き換えることが可能
• SNSなどで急速に拡散し、社会的影響力が大きい

ディープフェイク技術の進化により、一般のユーザーでも簡単に高品質な偽コンテンツを作成できるようになった。この技術は、エンターテインメントや教育分野での活用が期待される一方で、フェイクニュースやなりすまし詐欺などの悪用も懸念されている。データグリッドらの取り組みは、こうしたディープフェイクの悪用に対抗し、インターネット上の情報の信頼性を確保することを目指している。

ディープフェイク対策技術開発に関する考察

データグリッドらによるディープフェイク対策技術の開発は、インターネット上の情報の信頼性確保という点で非常に重要だ。特に災害時などの緊急事態において、正確な情報の迅速な把握が可能になることは社会的に大きな意義がある。一方で、技術の進歩に伴い、ディープフェイクの作成技術も日々進化しているため、検出技術との継続的な競争が予想される。

今後の課題として、ディープフェイク検出技術の精度向上と、誤検出の最小化が挙げられる。また、検出された偽情報の適切な取り扱いや、一般ユーザーへの啓発活動も重要になるだろう。解決策としては、AIの継続的な学習による検出精度の向上や、ブロックチェーン技術を活用したコンテンツの真正性証明システムの構築などが考えられる。

将来的には、ディープフェイク検出技術をブラウザの拡張機能やSNSプラットフォームに組み込むことで、ユーザーが日常的に利用できるようになることが期待される。また、教育現場でのメディアリテラシー教育との連携も重要だ。データグリッドには、産学連携の強みを活かし、技術開発だけでなく、社会実装までを見据えた総合的なアプローチを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「データグリッド、総務省「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」を開始 | 株式会社データグリッドのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000034722.html, (参照 24-10-05).
2. 総務省. https://www.soumu.go.jp/

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