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Azure OpenAIがTeams統合機能のパブリックプレビューを開始、企業のAI活用に新たな可能性

text: XEXEQ編集部


記事の要約

  • AzureOpenAIがTeamsアプリへの展開オプションを提供
  • カスタムエンジンコパイロットをTeamsに統合可能に
  • 企業データと連携したチャット体験をTeamsで実現

Azure OpenAIのTeams統合機能がパブリックプレビューに

Microsoftは2024年7月25日、Azure OpenAIのカスタムエンジンコパイロットをMicrosoft Teamsに展開する新機能のパブリックプレビューを開始したと発表した。この機能により、開発者はAzure OpenAI Studioで作成したチャット体験を、シームレスにTeamsアプリケーションとして統合することが可能になった。[1]

新機能の「Deploy to a Teams app」オプションを使用することで、開発者はAzure OpenAI StudioのチャットプレイグラウンドでデザインしたカスタムAI体験を、Teamsアプリのソースコードとして出力できる。このソースコードにはAzure OpenAI Studioの設定やデータ連携が統合されており、Teams AI libraryを活用してLLMを活用した対話型ボットを構築できる。

Azure OpenAIの新機能は、企業データとの連携を重視している。Azure AI Search、Azure Blob Storage、URL/Webアドレス、Azure Cosmos DBElasticsearchなど、様々なデータソースと接続し、Azure OpenAIモデルをグラウンディングすることが可能だ。これにより、企業独自のデータに基づいたカスタムAI体験をTeams上で実現できる。

Azure OpenAI Studio Teams統合 データ連携
主な機能 チャット体験のデザイン Teamsアプリへの展開 企業データとの接続
開発者メリット カスタムAI設計 シームレスな統合 データグラウンディング
使用技術 Azure OpenAIモデル Teams AI library 各種データソース

データグラウンディングについて

データグラウンディングとは、AIモデルを特定のデータセットや知識ベースに「接地」させることを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • AIモデルの出力を特定のデータソースに基づいて制御
  • 企業独自の情報や専門知識をAIに反映させる
  • より正確で文脈に即した応答を生成可能に

データグラウンディングは、汎用的なAIモデルをより特定のドメインや用途に適応させるための重要な技術だ。企業の機密情報やドメイン固有の知識をAIシステムに組み込むことで、一般的な知識だけでなく、組織特有のコンテキストを理解した上で応答を生成することが可能になる。これにより、AIの精度と有用性が大幅に向上し、ビジネス特有の課題解決に役立つ。

Azure OpenAIのTeams統合機能に関する考察

Azure OpenAIのTeams統合機能は、企業におけるAI活用の新たな可能性を切り開くものだが、セキュリティとプライバシーの観点から課題が生じる可能性がある。企業の機密データをAIモデルに学習させることで、情報漏洩のリスクが高まる恐れがあり、厳格なアクセス制御と暗号化が不可欠だ。また、AIの判断が業務に大きな影響を与える可能性があるため、AIの推論プロセスの透明性確保も重要な課題となるだろう。

今後、Azure OpenAIのTeams統合機能には、より高度なカスタマイズオプションや、複数のAIモデルを組み合わせたハイブリッドな応答生成機能の追加が期待される。また、自然言語処理の精度向上や、音声認識・画像認識などのマルチモーダルな入力に対応することで、より自然なコミュニケーションを実現できる可能性がある。さらに、AIの判断プロセスを可視化する説明可能AI(XAI)技術の統合も、企業でのAI活用を促進する上で重要な機能になるだろう。

Azure OpenAIのTeams統合機能は、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要なツールとなる可能性を秘めている。しかし、その成功には技術面だけでなく、組織文化やワークフローの変革も必要不可欠だ。AIを効果的に活用するためのリテラシー教育や、人間とAIの適切な役割分担を定義することが、今後の課題となるだろう。長期的には、AIとの協働を前提とした新しい働き方モデルの構築が求められる。

参考サイト

  1. ^ Microsoft Visual Studio. 「Bring your custom engine copilot from Azure OpenAI Studio to Microsoft Teams」. https://devblogs.microsoft.com/microsoft365dev/bring-your-custom-engine-copilot-from-azure-openai-studio-to-microsoft-teams-now-in-public-preview/, (参照 24-07-27).
  2. Microsoft. https://www.microsoft.com/ja-jp

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