Azureとは？意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部

Azureとは

Azureはマイクロソフトが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。仮想マシン、ストレージ、データベース、ネットワーキング、アプリケーション開発など、200以上のサービスを包括的に提供しています。

Azureはスケーラビリティと可用性に優れたサービスを提供しており、ユーザーのニーズに応じて柔軟にリソースを増減できます。また、世界中に展開されたデータセンターにより、高速かつ安定的なサービス利用が可能となっています。

Azureはセキュリティとコンプライアンスにも力を入れており、ISO、HIPAA、FedRAMPなど、様々な国際規格や業界標準に準拠しています。また、多層的なセキュリティ対策により、データの機密性、完全性、可用性を確保しています。

Azureはオープンソースとの親和性が高く、Linux、Java、Python、Node.jsなど、多様な言語やフレームワークをサポートしています。さらに、Visual StudioやGitHubとの統合により、開発者の生産性向上にも貢献しています。

AzureはAI、機械学習、IoT、ブロックチェーンなど、先進的な技術にも対応しており、企業のデジタルトランスフォーメーションを促進しています。また、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境にも柔軟に対応可能です。

Azureのサービスカテゴリと主要サービス

「Azureのサービスカテゴリと主要サービス」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

Azureのコンピューティングサービス
Azureのストレージとデータベースサービス
Azureのネットワークとセキュリティサービス

Azureのコンピューティングサービス

Azureのコンピューティングサービスの中核をなすのが、仮想マシン(VM)です。VMを使用することで、オンプレミスと同様の環境をクラウド上に構築できます。また、コンテナサービスのAzure Kubernetes Service(AKS)により、コンテナアプリケーションの運用も容易になっています。

サーバーレスコンピューティングのAzure Functionsはイベント駆動型のアプリケーション開発に適しています。インフラストラクチャの管理なしで、コードの実行が可能です。さらに、Azure App Serviceを使用すれば、Webアプリケーションやモバイルアプリのデプロイが簡単に行えます。

ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)にも対応しており、Azure Batchを使用することで、大規模な並列処理やバッチ処理を効率的に実行できます。また、専用のGPUインスタンスにより、機械学習やディープラーニングのワークロードを高速化できます。

Azureのストレージとデータベースサービス

AzureのストレージサービスにはBlob、File、Queue、Tableなどがあります。Blobストレージは非構造化データの格納に適しており、スケーラビリティと耐久性に優れています。Fileストレージはクラウド上でSMBプロトコルを使用したファイル共有を提供します。

リレーショナルデータベースとしてはAzure SQL DatabaseとAzure Database for PostgreSQLが提供されています。これらのサービスは運用負荷を軽減しつつ、高可用性とスケーラビリティを実現します。また、Azure Cosmos DBはグローバルに分散したマルチモデルデータベースサービスであり、高速なデータアクセスとスケーラビリティを提供します。

ビッグデータ処理にはAzure Synapse AnalyticsとAzure HDInsightが適しています。Synapse Analyticsはエンタープライズデータウェアハウスとビッグデータ分析を統合したサービスです。HDInsightはHadoopやSparkなどのオープンソースフレームワークを使用した分散処理を可能にします。

Azureのネットワークとセキュリティサービス

Azureのネットワークサービスの中心となるのが、Virtual Network(VNet)です。VNetを使用することで、クラウド上に仮想的なネットワーク環境を構築できます。また、VPN GatewayやAzure ExpressRouteを使用して、オンプレミスとAzure間の接続を実現できます。

ロードバランシングとトラフィック分散にはAzure Load BalancerとAzure Traffic Managerが使用されます。Load Balancerは仮想マシンやコンテナへのトラフィックを分散し、高可用性を実現します。Traffic ManagerはDNSベースのトラフィックルーティングにより、グローバルなトラフィック分散を可能にします。

セキュリティ面ではAzure Firewallが包括的なネットワークセキュリティを提供します。また、Azure DDoS ProtectionはDDoS攻撃からアプリケーションを保護します。さらに、Azure Security Centerを使用することで、セキュリティの脅威を検出し、適切な対策を講じることができます。

AzureとオンプレミスやIoTとの統合

「AzureとオンプレミスやIoTとの統合」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

Azureとオンプレミスとのハイブリッド統合
AzureとIoTデバイスとの連携
Azureを活用したエッジコンピューティング

Azureとオンプレミスとのハイブリッド統合

Azureはオンプレミス環境とのシームレスな統合を実現するための様々なサービスを提供しています。Azure VPN GatewayやAzure ExpressRouteを使用することで、オンプレミスのネットワークとAzureを安全に接続できます。これにより、ハイブリッドクラウド環境の構築が容易になります。

また、Azure Arc Enabled Serversを使用することで、オンプレミスのサーバーをAzureの管理下に置くことができます。これにより、一元的な管理とガバナンスが実現し、セキュリティとコンプライアンスの向上につながります。さらに、Azure Stack HCIを使用すれば、オンプレミスにAzureと同様の環境を構築することも可能です。

データの同期と移行にはAzure Data Factoryや Azure Data Boxが活用できます。Data Factoryはオンプレミスとクラウド間のデータ統合を自動化し、シームレスなデータ移動を実現します。Data Boxは大容量データをオフラインで転送するためのサービスであり、初期データ移行に適しています。

AzureとIoTデバイスとの連携

AzureはIoT(モノのインターネット)との親和性が高く、IoTデバイスからのデータ収集、分析、可視化を容易にするサービスを提供しています。Azure IoT HubはIoTデバイスとクラウド間の双方向通信を実現し、セキュアなデータ送受信を可能にします。また、デバイス管理機能により、大規模なIoTデバイスの管理も容易になります。

Azure IoT Central はIoTアプリケーションを素早く構築および管理するためのSaaSソリューションです。コーディング不要でIoTアプリケーションを作成でき、デバイス管理、データ分析、アラートなどの機能を提供します。また、Azure IoT Edge を使用することで、クラウドの知性をエッジデバイスに展開し、ローカルでのデータ処理や分析が可能になります。

IoTデバイスから収集されたデータはAzure Stream Analyticsを使用してリアルタイム分析することができます。また、Azure Time Series Insightsを使用すれば、時系列データの視覚化と分析が容易になります。さらに、Azure Machine Learningを活用することで、IoTデータからの予知保全や異常検知などの高度な分析が実現できます。

Azureを活用したエッジコンピューティング

エッジコンピューティングはデータ処理をクラウドからエッジデバイスに分散させる技術であり、レイテンシの低減やデータ主権の確保などのメリットがあります。Azureはエッジコンピューティングを実現するための様々なサービスを提供しています。Azure IoT Edgeを使用することで、クラウドの知性をエッジデバイスに展開し、ローカルでのデータ処理や機械学習の実行が可能になります。

また、Azure Stack Edgeはエッジコンピューティングに特化したハードウェアソリューションです。Azure Stackと同様の環境をエッジに展開することで、クラウドとの連続性を保ちつつ、低レイテンシかつオフラインでの動作を実現します。さらに、Azure Arc Enabled Kubernetes を使用すれば、エッジ上のKubernetesクラスタをAzureの管理下に置くことができ、一元的な管理とガバナンスが可能になります。

エッジコンピューティングはスマートファクトリー、スマートシティ、自動運転などの分野で活用が進んでいます。Azureはこれらの分野に適したサービスを提供しており、エッジとクラウドの連携によるデータ活用とビジネス価値の創出を支援しています。また、パートナーエコシステムを通じて、業界特化型のソリューションも提供されており、エッジコンピューティングの導入を加速させています。

Azureにおける開発とDevOpsの支援

「Azureにおける開発とDevOpsの支援」に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

Azure DevOpsによる開発プロセスの自動化
Azureと連携する開発ツールとサービス
AzureでのDevSecOpsの実践

Azure DevOpsによる開発プロセスの自動化

Azure DevOpsは開発プロセスの自動化とコラボレーションを促進するための包括的なサービスです。バージョン管理、ワークアイテムトラッキング、ビルド、テスト、デプロイメントなどの機能を提供し、アジャイルな開発を支援します。Azure Pipelinesを使用することで、CI/CDパイプラインを簡単に構築でき、コードの自動ビルドとデプロイが可能になります。

また、Azure ReposはGitベースのバージョン管理システムであり、コードの共同編集とレビューを容易にします。Azure Boardsはバックログ管理、スプリントプランニング、タスクボードなどの機能を提供し、プロジェクトの進捗管理を支援します。さらに、Azure Testは手動テストと自動テストの管理を行い、品質の向上に寄与します。

Azure DevOpsはオンプレミスのAzure DevOps Serverとクラウドベースのサービスの両方を提供しており、柔軟な導入が可能です。また、他のAzureサービスとの連携が容易であり、開発プロセスの自動化とスケーラビリティを実現します。例えば、Azure Kubernetesサービス(AKS)と連携することで、コンテナアプリケーションの自動デプロイが可能になります。

Azureと連携する開発ツールとサービス

Azureは豊富な開発ツールとサービスを提供しており、開発者の生産性向上に寄与しています。Visual Studio はAzureと緊密に統合された統合開発環境(IDE)であり、コーディング、デバッグ、デプロイを効率的に行えます。また、Visual Studio Codeは軽量でクロスプラットフォームのコードエディタであり、Azureの拡張機能によって、クラウド開発がシームレスに行えます。

GitHub はソフトウェア開発のためのバージョン管理とコラボレーションプラットフォームであり、Azureとの連携が強化されています。GitHub Actionsを使用することで、GitHub上でのCI/CDパイプラインを構築でき、Azureへのデプロイメントがシームレスに行えます。また、GitHub Codespaces はクラウド上の開発環境を提供し、どこからでもコーディングが可能になります。

AzureはXamarin、React Native、Flutter などのクロスプラットフォームフレームワークにも対応しており、モバイルアプリケーション開発を支援しています。また、Azure Functionsを使用することで、サーバーレスアプリケーションの開発が容易になります。Azure Cognitive ServicesはAI機能を簡単にアプリケーションに組み込むためのAPIを提供し、開発者の負担を軽減します。

AzureでのDevSecOpsの実践

DevSecOpsは開発プロセスにセキュリティを組み込むことで、アプリケーションのセキュリティ向上を目指す手法です。AzureはDevSecOpsの実践を支援するための様々なサービスと機能を提供しています。Azure Security Centerはセキュリティの脅威を検出し、適切な対策を推奨します。また、Azure Policyを使用することで、コードのセキュリティポリシーを定義し、自動的に適用することができます。

Azure DevOpsにはセキュリティテストとコードスキャンのための機能が組み込まれており、脆弱性の早期発見につながります。また、Azure Key Vaultを使用することで、機密情報や証明書の安全な管理が可能になります。コードの品質向上にはSonarCloudとの連携が有効です。SonarCloudはコード品質の分析とレポーティングを行い、改善点を明確にします。

コンテナセキュリティはDevSecOpsにおいて重要な要素です。Azure Container Registryはコンテナイメージの安全な保管と管理を行います。また、Azure Kubernetes Service(AKS)にはコンテナの脆弱性スキャンや監視機能が組み込まれており、運用段階でのセキュリティ確保に役立ちます。さらに、Azure Monitorを使用することで、アプリケーションとインフラストラクチャの監視とログ分析が可能になり、異常の早期発見につながります。

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