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菱華産業がMIRAIWOOD®︎技術で漆器木地を開発、伝統工芸の廃木粉をアップサイクルしサスティナブルな製品化を実現

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

菱華産業がMIRAIWOOD®︎技術で漆器木地を開発、伝統工芸の廃木粉をアップサイクルしサスティナブルな製品化を実現

PR TIMES より


記事の要約

  • 菱華産業がMIRAIWOOD®︎技術で漆器木地を開発
  • 伝統工芸漆器の廃木粉をアップサイクル
  • 加賀市補助金で我戸幹男商店と共同開発

MIRAIWOOD®︎技術による漆器木地の開発

菱華産業株式会社は2024年10月11日、環境素材MIRAIWOOD®︎技術を活用した漆器用のサスティナブル木地を発表した。この製品は、日本の伝統工芸山中漆器の製造過程で排出される欅材の廃木粉を回収し、MIRAIWOOD®︎技術によりアップサイクルした汎用の成形木地である。天然木粉が体積の80%以上を占め、植物由来の生分解性樹脂をブレンドすることで、バイオマス度73.3%以上を達成している。[1]

この開発には、石川県の山中漆器ブランド「我戸幹男商店」が大きく協力し、加賀市の製品開発補助金にも採択された。木地の形状は我戸幹男商店の監修により、伝統工芸の職人が扱いやすく、様々な汁椀のデザインを作りやすいように配慮されている。今後は既存の漆器木地業界にも木粉回収の協力や製造連携の輪を広げ、国内の木材を無駄なく有効活用するサプライチェーンアライアンスを構築する計画だ。

さらに、株式会社明治の「CACAO STYLE」と協力し、チョコレート製造時の未利用部位であるカカオハスクを混合したカカオ混合バージョンも製作可能である。このカカオ素材を使用し、我戸幹男商店によって伝統工芸山中彫と漆を施された、ふたつきの小物入れ(ボンボニエール)を開発、MATSUYA GINZA本店7Fおりふしギャラリーの「めぐる未来、つづく工芸」展で数量限定販売される。

MIRAIWOOD®︎サスティナブル漆器木地の特徴

通常版 カカオ混合版
主原料 欅材の廃木粉 欅材の廃木粉+カカオハスク
天然木粉比率 体積の80%以上 体積の80%以上
バイオマス度 73.3%以上 73.3%以上
特徴 伝統工芸に適した形状 チョコレートの香りと色合い
加工可能性 様々な漆器デザイン可能 様々な漆器デザイン可能
MIRAIWOOD®︎公式サイトはこちら

アップサイクルについて

アップサイクルとは、廃棄物や不要になったものを新しい製品や素材に生まれ変わらせるリサイクルの一形態である。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 元の製品よりも価値の高い製品を創造する
  • 環境負荷を低減しつつ新たな価値を生み出す
  • 資源の有効活用と創造性を両立させる

MIRAIWOOD®︎技術による漆器木地の開発は、伝統工芸の製造過程で発生する廃木粉を高付加価値な新素材に変換する典型的なアップサイクルの例である。この取り組みは、伝統工芸の持続可能性を高めるだけでなく、環境に配慮した新しい製品開発の可能性を広げている。さらに、カカオハスクの活用など、他産業との連携によって循環型経済の実現にも貢献している。

MIRAIWOOD®︎技術による漆器木地開発に関する考察

MIRAIWOOD®︎技術による漆器木地の開発は、伝統工芸と環境技術の融合という点で画期的だ。廃棄物の有効活用によるサスティナビリティの向上と、伝統的な漆器の質感や使い勝手を両立させた点が高く評価できる。一方で、この新素材の耐久性や経年変化については、長期的な検証が必要となるだろう。

今後の課題として、生産規模の拡大に伴う品質の安定化や、より多様な漆器製品への応用が挙げられる。これらの課題に対しては、伝統工芸の職人たちとの密接な協力や、製造プロセスの継続的な改善が解決策となり得る。また、MIRAIWOOD®︎技術の応用範囲を広げ、他の伝統工芸品や日用品への展開も期待される。

長期的には、この技術が日本の伝統工芸全体のサスティナビリティ向上に寄与することが期待される。環境に配慮した製品への需要が高まる中、MIRAIWOOD®︎技術は伝統工芸の新たな価値創造と国際競争力の強化につながる可能性を秘めている。今後、この技術を核として、日本の伝統工芸がグローバル市場でのプレゼンスを高めていくことを期待したい。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「環境素材MIRAIWOOD®︎技術で、伝統工芸漆器の廃木粉をアップサイクルしたサスティナブルな漆器木地を開発 〜加賀市補助金により我戸幹男商店と共同開発〜 | 菱華産業株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000150929.html, (参照 24-10-15).

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