NTTドコモがMUGENUPを完全子会社化、オリジナルコミックIPの強化でコンテンツ事業拡大へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約
NTTドコモによるMUGENUP完全子会社化の詳細
NTTドコモによるMUGENUP買収の概要
タテヨミコミックについて
NTTドコモによるMUGENUP買収に関する考察
参考サイト

記事の要約

NTTドコモがMUGENUPを完全子会社化
オリジナルコミックのIP展開を強化
コンテンツ制作能力の向上を目指す

NTTドコモによるMUGENUP完全子会社化の詳細

NTTドコモは、コンテンツ展開の強化策として2024年10月15日にMUGENUPの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。MUGENUPは国内最大規模のタテヨミコミック制作スタジオ「MUGEN FACTORY」を運営しており、高品質なタテヨミコミックの企画・制作に取り組んでいる。この買収によりドコモは、オリジナルコミックの制作機能を強化し、IPビジネスの拡大を目指している。^[1]

MUGENUPは約5万名のクリエイターネットワークと効率的な制作フローを活用し、ドコモのオリジナル出版レーベル「weavin」で多くの人気作品を手掛けてきた。ドコモはこの子会社化を通じて、コミックをアニメ・ドラマなどのエンタメ事業の源流として重要なIPと位置付け、オリジナルコミックの企画・制作機能を強化することでIPの創出をさらに推進する方針だ。

今回の買収により、ドコモはオリジナルコミックの制作から配信、さらにはアニメや映像化までを一貫して行う体制を整えることになる。これにより、「dブック」や「Lemino」などの自社プラットフォームでのコンテンツ提供だけでなく、オリジナルIPを活用した多様な展開が可能になり、エンタメビジネスの拡大が期待される。

NTTドコモによるMUGENUP買収の概要

	詳細
買収対象企業	株式会社MUGENUP
買収方法	全株式取得による完全子会社化
株式譲渡契約日	2024年10月3日
株式譲渡実行日	2024年10月15日
MUGENUPの主な事業	タテヨミコミック制作、制作管理ツール開発
買収の目的	オリジナルコミックIPの創出・展開強化

タテヨミコミックについて

タテヨミコミックとは、スマートフォンでの縦スクロール閲覧に最適化したカラー漫画のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

縦長のスマートフォン画面に合わせた縦スクロール形式
フルカラーで視覚的な魅力が高い
スマートフォンでの読みやすさを重視した構成

MUGENUPが運営する「MUGEN FACTORY」は、国内最大規模のタテヨミコミック制作スタジオとして知られている。経験豊富なアートディレクターの指揮のもと、約5万名のクリエイターネットワークを活用し、効率的な制作フローを構築することで、高品質なタテヨミコミックの制作を実現している。この強みがNTTドコモによる買収の決め手となったと考えられる。

NTTドコモによるMUGENUP買収に関する考察

NTTドコモによるMUGENUPの完全子会社化は、コンテンツ事業強化の観点から非常に理にかなった戦略だと言える。タテヨミコミックは若年層を中心に人気が高まっており、スマートフォンでの閲覧に最適化された形式は、ドコモのモバイルサービス戦略とも親和性が高い。また、オリジナルIPの創出は、コンテンツ事業の収益性向上や、ユーザーエンゲージメントの強化に直結する可能性が高いだろう。

一方で、この買収に伴う課題も考えられる。MUGENUPの創造性や独立性を維持しつつ、ドコモのビジネス戦略に沿った形でシナジーを生み出すことが重要になるだろう。また、タテヨミコミック市場の競争激化や、コンテンツの質の維持向上も課題となる可能性がある。これらの課題に対しては、MUGENUPの持つクリエイターネットワークを活かしつつ、ドコモの持つ技術力や顧客基盤を活用した新たな制作・配信モデルの構築が解決策となり得る。

今後、NTTドコモには、MUGENUPの強みを活かしたオリジナルIPの創出だけでなく、そのIPを活用した多様なメディアミックス展開が期待される。例えば、人気コミックのアニメ化やゲーム化、さらにはVRやAR技術を活用した新たな体験の提供など、エンターテインメント領域全体でのイノベーションが期待できるだろう。これにより、ドコモのコンテンツ事業の競争力強化と、新たな収益源の確立が実現される可能性が高い。