【CVE-2024-6207】Rockwell Automation製品に複数の脆弱性、DoS攻撃のリスクで早急な対応が必要に

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

Rockwell Automation製品に複数の脆弱性
DoS攻撃を受ける可能性のある深刻な問題
ベンダーがパッチ情報とアドバイザリを公開

Rockwell Automation製品の複数の脆弱性

Rockwell Automationは2024年10月14日、ControlLogix 5580コントローラファームウェアやCompactLogix 5380コントローラファームウェアなど、複数の製品に深刻な脆弱性が存在することを公開した。この脆弱性は【CVE-2024-6207】として識別されており、CVSS v3による深刻度基本値は7.5と重要度の高い問題となっている。^[1]

脆弱性の影響を受ける製品には、GuardLogix 5580コントローラファームウェアやFactoryTalk Logix Echoファームウェアなど、産業用制御システムの重要なコンポーネントが含まれており、攻撃者によってDoS攻撃を受ける可能性がある。攻撃条件の複雑さは低く、特権レベルや利用者の関与も不要であることから、早急な対応が求められる状況だ。

Rockwell Automationは影響を受ける製品のバージョン情報を詳細に公開しており、Compact GuardLogix 5380 SIL 2ファームウェアの31.011から33.017未満、34.011から34.014未満、35.011から35.013未満などが対象となっている。セキュリティ対策として、ベンダーアドバイザリやパッチ情報が公開されており、システム管理者は速やかな対応が必要となるだろう。

影響を受けるRockwell Automation製品まとめ

製品名	影響を受けるバージョン
Compact GuardLogix 5380 SIL 2	31.011-33.017未満、34.011-34.014未満、35.011-35.013未満
CompactLogix 5380	28.011-33.017未満、34.011-34.014未満、35.011-35.013未満
ControlLogix 5580	28.011-33.017未満、34.011-34.014未満、35.011-35.013未満
FactoryTalk Logix Echo	33.011-34.014未満、35.011-35.013未満

DoS攻撃について

DoS攻撃とは、「Denial of Service」の略称で、システムやネットワークのリソースを意図的に枯渇させ、本来のサービスを利用できない状態にする攻撃手法のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

大量のリクエストやトラフィックを送信し続ける
システムの脆弱性を突いてリソースを消費させる
正常なユーザーのサービス利用を妨害する

Rockwell Automation製品の脆弱性では、攻撃元区分がネットワークであり攻撃条件の複雑さも低いことから、比較的容易にDoS攻撃が実行できる可能性がある。CVSSスコアも7.5と高く評価されており、産業用制御システムへの影響が大きいことから、システム管理者は速やかにセキュリティパッチの適用を検討する必要があるだろう。

Rockwell Automation製品の脆弱性に関する考察

産業用制御システムの中核を担うRockwell Automation製品に脆弱性が発見されたことは、製造業全体にとって重大な警鐘となっている。特に攻撃条件の複雑さが低く、特権レベルや利用者の関与も不要という点は、システムの可用性に対する深刻な脅威となり得るため、早急なセキュリティ対策の実施が不可欠だ。

今後の課題として、産業用制御システムのセキュリティ監視体制の強化が挙げられる。システムの可用性を維持しながらセキュリティパッチの適用を進める必要があり、計画的なメンテナンス体制の構築と、インシデント発生時の迅速な対応手順の整備が重要となるだろう。

製造業のデジタル化が加速する中、産業用制御システムのセキュリティ対策はより一層重要性を増している。Rockwell Automationには、今回の脆弱性を教訓として、製品開発段階からのセキュリティ強化と、脆弱性発見時の迅速な情報開示体制の整備が期待される。