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公開：2024-10-23

JFEエンジニアリングが系統用蓄電池事業を開始、再生可能エネルギーの安定供給に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• JFEエンジニアリングが系統用蓄電池事業を開始
• 蓄電容量8.4MWhの大規模設備を熊本県に設置
• JFEマルチユースEMSによる最適運用を実現

JFEエンジニアリングの系統用蓄電池事業の運用開始

JFEエンジニアリングは2024年10月1日より、J&S蓄電合同会社による系統用蓄電池事業の運用を開始した。エス・ディー・エル株式会社とJFE商事株式会社と共同で出資・設立したJ&S蓄電合同会社によって熊本県玉名郡に定格出力2MW、定格容量8.4MWhの大規模蓄電設備が導入されることになったのだ。^[1]

九州地域では他地域と比較して再生可能エネルギーの出力制御が多く発生しており、系統安定化と再生可能エネルギー導入のポテンシャル向上が課題となっていた。JFEエンジニアリングはこれまでに需要家用蓄電池9件の運用実績を持ち、今回の系統用蓄電池事業によって電力需給の安定化に寄与することが期待されている。

アーバンエナジー株式会社は独自開発したJFEマルチユースEMSを用いて蓄電池の最適運用を実現する。気象予測や広域予備率などのデータを活用した需要予測と市場価格予測に基づき、3つの電力市場への調整力と供給力の供出を最適化することで収益化を目指すことになった。

系統用蓄電池事業の概要

系統用蓄電池事業の詳細はこちら

EMSについて

EMSとは「Energy Management System」の略称で、エネルギーの需要と供給を最適化するためのシステムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• エネルギーの使用状況をリアルタイムに監視・制御
• 気象予測データを活用した需要予測が可能
• 複数の市場に対応した供給力の最適化を実現

JFEマルチユースEMSは気象予測や広域予備率などのデータを用いて需要予測や市場価格予測を行い、蓄電池の充放電計画を最適化することが可能だ。卸電力市場や需給調整市場、容量市場という3つの市場に対して調整力と供給力を効率的に供出することで、再生可能エネルギーの安定的な運用に貢献している。

系統用蓄電池事業に関する考察

JFEエンジニアリングの系統用蓄電池事業は、再生可能エネルギーの普及に向けた重要な取り組みとなっている。特に出力制御が課題となっている九州地域において、蓄電池による電力需給の安定化は再生可能エネルギーの導入ポテンシャルを高める効果が期待できるだろう。

一方で、蓄電池システムの導入コストや運用効率の最適化が今後の課題として挙げられる。蓄電池の価格低下や技術革新により、より大規模な導入が可能になれば、再生可能エネルギーの普及がさらに加速する可能性が高いだろう。

また、JFEマルチユースEMSの活用により、複数の電力市場への参入が可能となることで、事業の収益性向上も期待できる。今後は蓄電池の用途拡大や制度改定への対応など、さらなる展開が求められることになるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「当社初となる系統用蓄電池事業の運用開始について | JFEエンジニアリング株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000061878.html, (参照 24-10-23).

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