セキュリティ

SECURITY

公開：2024-10-29

【CVE-2024-47028】Androidに整数オーバーフローの脆弱性、情報取得のリスクで警告レベルに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Androidに整数オーバーフローの脆弱性が発見
• 影響度はCVSS v3で4.4（警告）レベル
• 情報取得のリスクがあり対策パッチが公開

Androidの整数オーバーフロー脆弱性

GoogleはAndroidにおける整数オーバーフローの脆弱性を2024年10月25日に公開した。この脆弱性は【CVE-2024-47028】として識別されており、CWEによる脆弱性タイプは境界外読み取り（CWE-125）と整数オーバーフローまたはラップアラウンド（CWE-190）に分類されている。^[1]

この脆弱性のCVSS v3による深刻度基本値は4.4で警告レベルとなっており、攻撃元区分はローカルで攻撃条件の複雑さは低いとされている。また攻撃に必要な特権レベルは高く利用者の関与は不要だが、影響の想定範囲に変更はないと評価されている。

本脆弱性の想定される影響として情報取得のリスクが指摘されており、機密性への影響は高いものの完全性と可用性への影響はないとされている。ベンダアドバイザリまたはパッチ情報が公開されており、適切な対策を実施することが推奨されている。

Android脆弱性の詳細まとめ

整数オーバーフローについて

整数オーバーフローとは、コンピュータプログラムにおいて整数型変数の値が許容範囲を超えて異常な値になってしまう現象のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 変数の最大値を超えた際に予期せぬ動作を引き起こす
• メモリ破壊やバッファオーバーフローの原因となる
• セキュリティ上の脆弱性として悪用される可能性がある

Androidシステムにおける整数オーバーフローの脆弱性は、攻撃者が特権アクセスを持つ状況下で情報取得を可能にする危険性がある。CVSSスコアは4.4と比較的低めではあるが、機密性への影響が高いとされているため、適切なパッチ適用による対策が重要となっている。

Androidの整数オーバーフロー脆弱性に関する考察

本脆弱性の特徴として、攻撃に高い特権レベルが必要となる点が挙げられるため、一般ユーザーへの直接的な影響は限定的であると考えられる。しかしながら、機密性への影響が高いと評価されていることから、特権昇格と組み合わせた攻撃シナリオの可能性も考慮する必要があるだろう。

今後の課題として、整数オーバーフローのような基本的な脆弱性が依然としてモバイルOSに存在している点が挙げられる。セキュアコーディングの徹底やコードレビューの強化など、開発段階での予防的対策の重要性が再認識される結果となった。

長期的な対策としては、型安全な言語の採用やバウンダリチェックの自動化など、プログラミング言語やフレームワークレベルでの対策が求められる。Androidの開発においても、より安全性の高い実装手法の採用が期待されるところだ。

参考サイト

1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-011331 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-011331.html, (参照 24-10-29).
2. Google. https://blog.google/intl/ja-jp/

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