出光興産が固体電解質の大型パイロット装置基本設計を開始、2027年の全固体電池実用化へ向け生産体制を強化

text: XEXEQ編集部
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PR TIMES より

記事の要約

出光興産は全固体リチウムイオン二次電池の実用化に向けて、固体電解質の大型パイロット装置の基本設計を2024年10月に開始した。パイロット装置の生産能力は年間数百トンを予定しており、最終投資決定は2025年中を見込み、完工は2027年を目指している。^[1]

出光興産とトヨタ自動車の協業により、2027～28年に全固体電池を搭載した電気自動車の実用化が計画されている。出光興産は千葉県で小型実証設備として2つのプラントを稼働させており、量産技術の開発とサンプル供給を実施してきた経緯がある。

固体電解質は石油製品の製造過程で副次的に発生する硫黄成分を原料としており、出光興産は1990年代半ばからその有用性に着目して開発を行ってきた。全固体電池の社会実装を目指し、原料から製品まで一貫したサプライチェーンの構築を進める方針だ。

全固体リチウムイオン二次電池とは、電解質が固体である特殊な二次電池のことを指す。従来の液系電池と比較して、以下のような特徴を持つ革新的な蓄電池技術である。

全固体電池は電気自動車の性能向上に大きく貢献する可能性を秘めている。特に急速充電時間の短縮や出力向上、高エネルギー密度化により、電気自動車の走行距離延長や充電時間短縮などの課題解決が期待されている。

出光興産による固体電解質大型パイロット装置の建設は、電気自動車の普及に向けた重要な一歩となるだろう。特に石油製品の製造過程で発生する硫黄成分を有効活用する点は、資源の有効活用と環境負荷低減の両面で画期的な取り組みである。

しかし全固体電池の実用化には、製造コストの低減や量産技術の確立など、まだ多くの課題が残されている。特に年間数百トンという生産規模が、今後の電気自動車市場の急速な成長に対応できるかどうかが重要な検討課題となるだろう。

全固体電池の実用化は、自動車産業のみならずエネルギー産業全体に大きな影響を与える可能性がある。今後は固体電解質の更なる性能向上と共に、生産能力の拡大や製造コストの低減に向けた取り組みが期待される。

^ PR TIMES. 「2027～2028年の全固体電池実用化に向けた固体電解質大型パイロット装置の基本設計を開始 | 出光興産株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000518.000023740.html, (参照 24-10-30).

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