FUJIがAI搭載廃棄物選別ロボットを開発し大成ロテックの合材工場に導入、産業廃棄物処理の自動化と効率化を実現

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約

FUJIがAI搭載廃棄物選別ロボットを開発
大成ロテックの合材工場に導入予定
産業廃棄物処理の自動化と効率化を実現

AI搭載廃棄物選別ロボット「R-PLUS」の開発と導入

株式会社FUJIは、がれき類に混入した不純物を自動除去するAI搭載廃棄物選別ロボット「R-PLUS」を開発し、大成ロテック株式会社の東京青海合材工場に導入することを発表した。このロボットは、三井住友ファイナンス＆リース株式会社が提供するSDGsリース「みらい2030®」の枠組みを活用して導入され、2024年11月に稼働を開始する予定だ。^[1]

R-PLUSの開発背景には、産業廃棄物中間処理施設における人手不足と作業安全性の確保という課題がある。現状では、製品としてリサイクルできない不純物の一部を、粉塵や騒音が発生する過酷な環境下で手作業により除去している。R-PLUSは、FUJIが電子部品実装ロボットの開発で培ったロボット技術とAIによる画像認識を融合させ、この課題解決を目指している。

R-PLUSの主な特長として、AIによる不純物の正確な検出、新開発のピッキングチャックによる除去、人間と同等以上のピッキングスピードによる省人化の実現が挙げられる。さらに、既設のベルトコンベア上への簡易な設置や、クラウドによるリモート管理システムの搭載（オプション）により、導入とメンテナンスの容易さも特徴となっている。

	FUJI	大成ロテック	SMFL
役割	R-PLUSの開発・製造	技術指導・導入	リース提供
強み	ロボット技術・AI画像認識	廃棄物処理ノウハウ	SDGsリースサービス
目標	循環型社会の形成	産業廃棄物処理のDX化	社会課題解決支援

AIによる画像認識について

AIによる画像認識とは、人工知能技術を用いて画像内の物体や特徴を自動的に識別・分類する処理のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

大量の学習データに基づく高精度な認識能力
人間の目では捉えにくい微細な差異の検出が可能
24時間365日の連続稼働による安定した認識性能の提供

R-PLUSに搭載されたAIによる画像認識技術は、がれき類に混入した不純物を高速かつ正確に検出することを可能にしている。この技術により、人間の目視による選別作業と比較して、より効率的で精度の高い不純物の除去が実現されている。さらに、AIの学習能力を活用することで、新たな不純物パターンにも柔軟に対応できる可能性がある。

AI搭載廃棄物選別ロボットに関する考察

AI搭載廃棄物選別ロボットの導入により、今後さらなる課題が浮上する可能性がある。例えば、AIの判断ミスによる不適切な選別や、ロボットの故障時のバックアップ体制の整備などが挙げられるだろう。また、従来の手作業による選別と比較して、どの程度の精度向上や効率化が図れるかを定量的に評価し、継続的な改善を行うことが重要となる。

将来的には、AIの学習能力を活かしたさらなる機能拡張が期待される。例えば、不純物の種類や量に応じた最適な処理方法の提案や、廃棄物の組成分析による再資源化の可能性評価など、より高度な判断支援機能の追加が考えられる。また、複数のロボットを連携させた選別ラインの構築や、他の工程との連携による工場全体の最適化なども、今後の発展方向として注目される。

AI搭載廃棄物選別ロボットの普及は、循環型社会の実現に向けた重要な一歩となるだろう。労働力不足や作業環境の改善といった直接的な課題解決に加え、リサイクル率の向上や資源の有効利用促進など、より広範な社会的課題への貢献が期待される。今後は、こうした技術革新を通じて、環境負荷の低減と経済性の両立を図る新たなリサイクルモデルの構築が進むものと考えられる。