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【CVE-2024-50108】Linux kernelでPSR-SU機能の不具合が発覚、一時的な機能無効化で対応へ

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)


記事の要約

  • Linux kernelでPSR-SU機能の不具合が発見
  • Parade 08-01 TCONで黒画面とカーネルの警告が発生
  • PSR-SU機能の一時的な無効化で問題に対処

Linux kernelのPSR-SU機能における重大な不具合

Linux kernelにおいて、Parade 08-01 TCONデバイスでPSR-SU機能を使用した際に深刻な不具合が発見され、2024年11月5日に【CVE-2024-50108】として報告された。起動時やフルスクリーンのVA-API動画再生時に約1秒間の黒画面が発生し、dmub_psr_enable()呼び出し時にカーネルの警告が表示される問題が確認されている。[1]

この問題はPSR-SU機能を無効化することで症状が解消されることが判明したため、開発チームはDMUBトレースから障害の原因を特定し根本的な解決策を見出すまでの暫定措置として、Parade 08-01 TCONデバイスでのPSR-SU機能を一時的に無効化することを決定した。

影響を受けるバージョンは広範囲に及び、Linux kernel 1.0から6.1.115未満、6.6.59未満、6.11.6未満、そして6.12-rc5未満のすべてのバージョンが対象となっている。セキュリティ対策としてパッチが提供され、該当するバージョンのユーザーはアップデートを推奨されている。

Linux kernelの影響を受けるバージョン一覧

項目 詳細
影響を受けるバージョン範囲 1.0から6.1.115未満、6.6.59未満、6.11.6未満、6.12-rc5未満
対象となるコンポーネント drm/amd/display
発見された問題 起動時とフルスクリーンVA-API動画再生時の黒画面、カーネル警告の表示
影響を受けるハードウェア Parade 08-01 TCONを搭載したデバイス
暫定対処方法 PSR-SU機能の無効化

PSR-SUについて

PSR-SUとはPanel Self Refresh with Single Updateの略称で、ディスプレイパネルの省電力技術の一つとして知られている。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 画面の静止部分をパネルメモリに保存し電力消費を削減
  • 部分的な画面更新による効率的な表示制御が可能
  • バッテリー駆動デバイスの動作時間延長に貢献

今回のLinux kernelにおける問題は、Parade 08-01 TCONデバイスでPSR-SU機能を使用した際に、dmub_psr_enable()関数の呼び出しで不具合が発生することが判明した。開発チームはDMUBトレースを分析し、根本的な原因の特定と恒久的な解決策の策定に取り組んでいる状況である。

Linux kernelのPSR-SU機能に関する考察

PSR-SU機能の一時的な無効化は問題の回避策として有効だが、省電力性能への影響が懸念される。特にバッテリー駆動のデバイスでは、PSR-SU機能の恩恵を受けられないことでバッテリー持続時間の低下が予想されるため、早急な根本的解決が望まれる。

今後は同様の問題を未然に防ぐため、新しいディスプレイパネルやTCONデバイスとの互換性テストの強化が必要になるだろう。特にフルスクリーン動画再生時の挙動については、より綿密なテストケースの設計と検証プロセスの確立が求められている。

DMUBトレースの詳細な分析により、PSR-SU機能の不具合の根本原因が特定されることで、より安定した省電力機能の実装が期待できる。今後のカーネルアップデートでは、パネル制御機能の信頼性向上と、省電力技術の更なる発展が見込まれるだろう。

参考サイト

  1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-50108, (参照 24-11-13).

※上記コンテンツはAIで確認しておりますが、間違い等ある場合はコメントよりご連絡いただけますと幸いです。

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