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コンステックが鉄骨造向けC-VaRTM工法を開発、無火気での炭素繊維補強が可能に

text: XEXEQ編集部
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

コンステックが鉄骨造向けC-VaRTM工法を開発、無火気での炭素繊維補強が可能に

PR TIMES より


記事の要約

  • コンステックがC-VaRTM工法を開発
  • 鉄骨造のブレース接合部補強が可能に
  • 炭素繊維を活用した無火気・短工期の工法

鉄骨造向け炭素繊維補強C-VaRTM工法の技術開発

株式会社コンステックは東レ株式会社が開発した炭素繊維補修/補強技術「現場VaRTM工法」を応用し、鉄骨造のブレース接合部補強および鋼製部材補修/補強向けの「C-VaRTM工法」を2024年11月14日に公開した。国立大学法人豊橋技術科学大学の松本幸大教授と東レACM技術部の松井孝洋主席の協力のもと開発された工法で、構造物の長寿命化と安全な社会環境の維持に貢献するものだ。[1]

C-VaRTM工法は補修/補強箇所の表面に特殊加工した炭素繊維シートを重ねて設置した後、フィルムで密閉し真空ポンプによりフィルム内を真空環境とした状態で樹脂を注入することで、大気圧により炭素繊維に樹脂を含浸させる技術である。CFRP成形板等と組み合わせることで多様な用途での補修/補強が可能となっている。

鉄骨造建築物のブレースには、ボルト孔の位置でブレース断面積が不足しているために接合部で早期に破断し必要なブレース性能を発揮できないものが存在している。C-VaRTM工法を適用することで接合部耐力を向上させ、ブレースが求められる性能を発揮することを実大試験により確認することに成功した。

C-VaRTM工法の特徴まとめ

項目 詳細
開発企業 株式会社コンステック、東レ株式会社
技術協力 豊橋技術科学大学 松本幸大教授、東レACM技術部 松井孝洋主席
主な特徴 無火気工法、短工期、炭素繊維シート使用
適用対象 鉄骨造のブレース接合部、鋼製部材
施工方法 真空ポンプによる樹脂含浸、大気圧による圧着
C-VaRTM工法の詳細はこちら

VaRTMについて

VaRTMとは「Vacuum assisted Resin Transfer Molding(真空含浸工法)」の略称で、繊維強化プラスチックの成形方法の一つである。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 真空環境下での樹脂含浸による高品質な成形
  • 大気圧を利用した均一な圧着が可能
  • 無火気での施工による安全性の確保

VaRTM工法は従来の補修/補強工法と比較して、炭素繊維シートと樹脂を効率的に一体化させることが可能である。鉄骨造のブレース接合部補強において、ボルト孔周辺の断面積不足を効果的に補強できることが実大試験で確認されており、建築物の構造安全性向上に大きく貢献する技術だ。

C-VaRTM工法に関する考察

C-VaRTM工法の開発により、従来の溶接や高力ボルト接合に頼らない新しい補強方法が確立されたことは建築業界にとって画期的な進展である。特に無火気での施工が可能な点は、可燃物が存在する環境での補修/補強工事を安全に実施できるという大きな利点があり、適用範囲の拡大が期待できるだろう。

今後の課題として、様々な形状や環境条件下での施工性の検証や、長期的な耐久性の確認が必要となってくる。特に建築物の供用期間中における炭素繊維と樹脂の劣化特性や、環境条件による影響についての詳細なデータ収集が重要になってくるだろう。

将来的には、AIIoT技術を活用した施工管理システムの導入や、より環境負荷の低い材料開発への展開が期待される。特に施工時の品質管理や長期モニタリングにおいて、デジタル技術との融合による高度化が進むことで、建築物の維持管理における新たな選択肢となることが見込まれる。

参考サイト

  1. ^ PR TIMES. 「鉄骨造のブレース接合部および鋼材部に最適!無火気、短工期の炭素繊維補強「C-VaRTM工法」を開発 | 株式会社コンステックのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000140724.html, (参照 24-11-15).

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