セキュリティ

SECURITY

公開：2024-11-16

【CVE-2024-29211】Ivanti Secure Access Client 22.7R4未満にレース条件の脆弱性、設定ファイル改変のリスクに対処へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• Ivanti Secure Access Client 22.7R4未満に脆弱性
• ローカル認証済み攻撃者による設定ファイル改変が可能
• CVSSスコア7.1のHigh深刻度の脆弱性を確認

Ivanti Secure Access Client 22.7R4未満の設定ファイル改変の脆弱性

Ivantiは同社のSecure Access Clientにおいて、バージョン22.7R4未満の製品に設定ファイルの改変が可能となる脆弱性が発見されたことを公開した。この脆弱性は【CVE-2024-29211】として識別されており、ローカルの認証済み攻撃者が重要な設定ファイルを改変できる可能性があることが判明している。^[1]

この脆弱性はCVSSv3.0でスコア7.1のHigh（高）と評価されており、攻撃の複雑さは低く特別な条件を必要としないことが明らかになっている。脆弱性の影響範囲は限定的だが、設定ファイルの整合性と可用性に重大な影響を及ぼす可能性があるだろう。

IvantiはSecure Access Client 22.7R4でこの問題を修正しており、影響を受ける可能性のあるユーザーに対して速やかなアップデートを推奨している。この脆弱性は認証済みユーザーによるローカルでの攻撃のみが可能であるため、リモートからの悪用リスクは限定的である。

Ivanti Secure Access Clientの脆弱性詳細

Ivantiのセキュリティアドバイザリの詳細はこちら

レース条件について

レース条件とは、複数のプロセスやスレッドが共有リソースに同時にアクセスする際に発生する競合状態のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• タイミングに依存した不具合が発生する可能性
• プロセス間の同期が適切に行われない場合に発生
• 共有リソースへの同時アクセスによるデータの整合性崩壊

Ivanti Secure Access Clientの脆弱性では、レース条件により設定ファイルの改変が可能になることが確認されている。攻撃者は認証済みユーザーとしてローカルから設定ファイルにアクセスし、タイミングの制御によって意図しない変更を加えることが可能となっている。

Ivanti Secure Access Clientの脆弱性に関する考察

Ivanti Secure Access Clientの脆弱性対応において、バージョン22.7R4での修正は重要な一歩となっているが、今後も同様のレース条件に起因する問題が発生する可能性は否定できない。設定ファイルへのアクセス制御メカニズムの強化と、プロセス間の同期処理の見直しが必要となるだろう。

セキュリティ製品において、設定ファイルの整合性は極めて重要な要素であり、今回の脆弱性はその重要性を再認識させる機会となった。今後はファイルシステムレベルでの保護機能の実装や、設定変更時の厳格な検証プロセスの導入が求められている。

また、認証済みユーザーによる攻撃という特性上、内部からの不正アクセス対策も重要な課題となっている。多要素認証の導入や特権アクセス管理の強化など、より包括的なセキュリティ対策の実装が期待される。

参考サイト

1. ^ CVE. 「CVE Record | CVE」. https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2024-29211, (参照 24-11-16).

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