大林組が建設現場の鉄スクラップ水平リサイクルフローを構築、アップフロントカーボン削減とトレーサビリティを実現へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

大林組が建設現場の鉄スクラップ水平リサイクルを開始
解体現場から発生する約1,000tの鉄スクラップを循環利用
アップフロントカーボン削減とトレーサビリティを実現

大林組の鉄スクラップ水平リサイクルシステム構築

株式会社大林組は建設資材における脱炭素社会と循環型経済の実現に向けた取り組みとして、2024年11月26日に鉄スクラップの水平リサイクルフローの構築を発表した。建材商社や金属リサイクル事業者、電炉鉄鋼メーカーと連携し、解体工事で発生する鋼材を新築工事で循環利用するシステムの確立に着手している。^[1]

第一弾として東京都港区北青山三丁目の解体工事で発生する鉄スクラップ約1,000tを水平リサイクルフローに適用し、大林組の新築工事での循環利用を開始する予定だ。この取り組みによって新材と比較して製造時のCO2排出量を約60%削減することが可能になるだろう。

2024年度は首都圏および関西の建設現場で水平リサイクルフローの適用を開始し、2025年には全国の各事業者との連携を進める計画を立てている。建設資材のリサイクルとリユースを通じて、脱炭素社会と循環型経済の実現に向けた取り組みを推進していく方針である。

鉄スクラップ水平リサイクルフローの詳細

項目	詳細
第一弾実施場所	東京都港区北青山三丁目
対象数量	約1,000t
CO2削減効果	製造時CO2排出量を約60%削減
今後の展開	2024年度は首都圏・関西で開始、2025年に全国展開
連携企業	建材商社、金属リサイクル事業者、電炉鉄鋼メーカー

水平リサイクルについて

水平リサイクルとは建設廃棄物を元の建設資材として再生資源化することや貴重な資源を最終処分せずに有効利用を進めることを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

建設資材を同じ用途で再利用する循環型システム
資源の有効活用による環境負荷の低減
廃棄物の削減と資源の持続可能な利用を実現

建設業界では従来から鉄スクラップから電炉鋼材への再生利用は確立されていたが、建設用の鋼材として供給されるとは限らなかった。水平リサイクルフローの確立により、建設現場から発生する鋼材を効率的に循環利用することが可能となっている。

建設分野の水平リサイクルに関する考察

大林組が構築する水平リサイクルフローは、建設業界における環境負荷低減の新たな指針となる可能性が高い。輸送ルートと事業者選定の最適化による輸送時CO2排出量の削減に加え、鋼材のトレーサビリティが確立されることで、建設資材の環境配慮度の可視化と品質管理の向上が期待できるだろう。

一方で、水平リサイクルの全国展開には地域ごとの輸送インフラや再生処理施設の整備が不可欠となる。電炉鉄鋼メーカーの処理能力や建材商社の流通網など、サプライチェーン全体での連携強化が今後の課題となることが予想されるだろう。

建設廃材のリサイクル技術や品質管理手法の更なる進化により、より効率的な資源循環システムの構築が可能になるはずだ。建設業界全体での水平リサイクルの普及に向けて、業界横断的な取り組みの加速が望まれる。

参考サイト

^ PR TIMES. 「建設現場で発生する鉄スクラップの水平リサイクルフローを構築し、アップフロントカーボン削減を推進 | 株式会社大林組のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000118168.html, (参照 24-11-27).

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