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公開：2024-11-29

JAXAがイプシロンSロケット燃焼試験の失敗を受け専門調査チームを設置、原因究明と対策立案を本格化

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• JAXAがイプシロンSロケット第2段エンジン燃焼試験で2度の失敗
• 11月26日付で原因調査チームを設置し対策検討に着手
• 調査状況は随時公表へ、安全性確保を徹底

JAXAのイプシロンSロケット燃焼試験失敗と対策チーム設置

宇宙航空研究開発機構は2024年11月27日、固体燃料式小型ロケット「イプシロンS」の第2段エンジン燃焼試験における2度目の失敗を受けて専門チームの設置を発表した。この専門チームは岡田宇宙輸送技術部門長をリーダーとし、経営担当理事等で構成され、11月26日付で発足している。^[1]

同機構によると、2回目の地上燃焼試験は2024年11月26日に種子島宇宙センターにて実施されたが、試験中の燃焼異常により第2段モータが爆発する事象が発生した。最初の失敗は2023年7月14日に能代ロケット実験場で行われた試験時に起きており、連続した失敗を重く受け止めている。

設置された原因調査チームは「イプシロンSロケット第2段モータ再地上燃焼試験における燃焼異常に係る原因調査チーム」という正式名称で、原因究明と対策立案を主な任務としている。JAXAは調査の進捗状況について、今後随時情報を公開することを表明している。

イプシロンSロケット燃焼試験の概要

固体燃料式ロケットについて

固体燃料式ロケットとは、固体の推進薬を燃焼させて推進力を得る宇宙輸送システムのことを指している。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 液体燃料と比べて構造が単純で取り扱いが容易
• 長期保管が可能で即時発射に対応可能
• 燃焼開始後の推力制御が困難

固体燃料式ロケットの燃焼試験では、モータケース内の圧力や温度、燃焼の安定性など多くのパラメータを精密に計測する必要がある。イプシロンSロケットの開発においても、これらの要素を総合的に評価し、安全性と信頼性の確保を目指している。

イプシロンSロケット開発に関する考察

イプシロンSロケットの開発における連続した燃焼試験の失敗は、日本の宇宙開発における技術的課題を浮き彫りにしている。固体燃料式ロケットの特性上、一度着火すると燃焼を制御することが難しいため、設計段階での綿密な検証と、地上燃焼試験での徹底的な安全確認が不可欠である。

燃焼試験の失敗から得られるデータと知見は、将来の宇宙輸送システムの信頼性向上に重要な役割を果たすことが期待される。専門チームの設置により、より詳細な原因究明と効果的な対策立案が可能となり、日本の宇宙開発技術の更なる発展につながるだろう。

今後は、地上燃焼試験の実施方法や安全管理体制の見直しも含めた総合的な検討が必要となる。固体燃料ロケットの特性を考慮した新たな試験手法の開発や、より効果的な異常検知システムの導入など、技術革新への取り組みが求められている。

参考サイト

1. ^ JAXA. 「JAXA | イプシロンSロケット第2段モータ再地上燃焼試験における燃焼異常に係る原因調査チームの設置」. https://www.jaxa.jp/press/2024/11/20241127-1_j.html, (参照 24-11-29).

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