Box AIが日本で急速に普及、アサヒグループジャパンなど大手企業が全社展開し非構造化データの活用を促進

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約
Box AIの日本国内での利用拡大
Box AIの主要機能と利用企業の声まとめ
非構造化データについて
Box AIの日本での普及に関する考察
参考サイト

記事の要約

Box AIが日本で急速に普及
アサヒグループジャパンなどが全社展開
非構造化データの価値最大化を目指す

Box AIの日本国内での利用拡大

Box Japanは、Enterprise Plusプランのユーザーを対象に、無制限のクエリで利用可能なBox AI for DocumentsとNotesの日本国内での利用が急速に拡大していることを2024年8月7日に発表した。アサヒグループジャパン、農林中央金庫、株式会社日立ハイテクが、Box AIを全社的に展開し始めている。^[1]

Box AIは、エンタープライズグレードのセキュリティを備えたBox内で生成AIを活用することで、企業の9割を占める非構造化データの価値を最大限に高めることを目指している。2024年6月27日からはユーザークエリ数の制限が解除され、より利用しやすくなった。

Box Japan代表取締役社長の古市克典氏は、Box AIの導入により、これまで不可能だった非構造化データの全社的な活用が実現可能になると述べている。今年後半には、Box AI for Hubsの一般提供やより柔軟なワークフロー自動化の機能の実装を予定している。

Box AIの主要機能と利用企業の声まとめ

	アサヒグループジャパン	農林中央金庫	日立ハイテク
主な利用目的	データ管理の高度化と非構造データの集約	規定閲覧システムへの生成AI機能組込み	技術文書の安全なAI要約と文書生成の効率化
期待される効果	社内データの更なる活用と生成AI文化の醸成	規定文書の情報検索や確認作業の大幅な省力化	保有コンテンツ内のナレッジの効率的な抽出と活用
導入規模	全社展開	全社展開	グローバルで14,000ユーザー

非構造化データについて

非構造化データとは、定型化されていない形式で存在するデータのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

テキスト、画像、音声、動画などの多様な形式で存在
従来のデータベースでは扱いにくい複雑な情報を含む
企業が保有するデータの約9割を占めるとされる

非構造化データは、従来のデータ分析手法では扱いが難しく、その中に潜在する価値を十分に活用できていないケースが多い。Box AIのような生成AI技術を活用することで、これらのデータから意味のある情報を抽出し、ビジネス上の洞察を得ることが可能になる。企業にとっては、この膨大な非構造化データを効果的に管理し活用することが、競争力の向上につながる重要な課題となっている。

Box AIの日本での普及に関する考察

Box AIの日本での急速な普及は、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）への取り組みが加速していることを示唆している。しかし、AIの利用拡大に伴い、データセキュリティやプライバシー保護に関する懸念が高まる可能性がある。企業は、Box AIの導入と同時に、適切なガバナンス体制の構築や従業員のAIリテラシー向上にも注力する必要があるだろう。

今後、Box AIには、より高度な自然言語処理能力や、業界特化型の専門知識を組み込んだ機能の追加が期待される。例えば、法務や財務、研究開発など、特定の部門に特化したAI機能の開発が進めば、企業内での活用範囲がさらに広がる可能性がある。また、他の企業システムとのシームレスな連携や、マルチモーダルAI（テキスト以外の画像や音声も扱えるAI）への対応も、将来的な発展方向として注目される。

Box AIの普及は、日本企業のワークスタイル変革にも大きな影響を与える可能性がある。非構造化データの効率的な活用により、意思決定プロセスの迅速化や、クリエイティブな業務への時間シフトが進むことが期待される。一方で、AIとの協働に適したスキルセットの獲得や、人間の付加価値を高める新たな職務の創出など、労働市場にも変化をもたらす可能性がある。企業はこれらの変化を見据え、長期的な人材戦略の見直しも必要になるだろう。