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公開：2024-08-16

【CVE-2024-39010】snapstateにプロトタイプ汚染の脆弱性、緊急度の高いセキュリティリスクに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• snapstateにプロトタイプ汚染の脆弱性が存在
• CVSS v3基本値9.8の緊急度の高い脆弱性
• 情報漏洩や改ざん、DoS状態のリスクあり

snapstateの脆弱性が深刻なセキュリティリスクに

chasemoskal社が開発したsnapstateにおいて、オブジェクトプロトタイプ属性の不適切な制御に関する脆弱性が発見された。この脆弱性はCVE-2024-39010として識別されており、CWEによる脆弱性タイプはプロトタイプの汚染（CWE-1321）に分類されている。NVDの評価によると、CVSS v3基本値が9.8と極めて高い深刻度を示している。^[1]

攻撃元区分はネットワークであり、攻撃条件の複雑さは低いとされている。また、攻撃に必要な特権レベルは不要で、利用者の関与も不要とされており、影響の想定範囲に変更はないとされている。この脆弱性により、機密性、完全性、可用性のすべてに高い影響が及ぶ可能性がある。

影響を受けるバージョンはsnapstate 0.0.9であり、この脆弱性を悪用された場合、情報の取得や改ざん、さらにはサービス運用妨害（DoS）状態に陥る可能性がある。ベンダー情報や参考情報を確認し、適切な対策を実施することが強く推奨される。セキュリティ管理者は速やかに対応を検討する必要があるだろう。

snapstate脆弱性の影響と対策まとめ

プロトタイプの汚染について

プロトタイプの汚染とは、JavaScriptにおけるオブジェクトプロトタイプチェーンの脆弱性を悪用する攻撃手法のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• オブジェクトのプロトタイプを不正に変更可能
• グローバルスコープの汚染によりアプリケーション全体に影響
• 予期せぬコード実行や情報漏洩のリスクが高い

snapstateの脆弱性では、このプロトタイプの汚染が悪用される可能性がある。攻撃者がオブジェクトプロトタイプを改変することで、アプリケーション全体の動作を予期せぬ形で変更したり、機密情報にアクセスしたりする恐れがある。開発者はオブジェクトの作成や操作時に、ユーザー入力を適切に検証し、プロトタイプチェーンの不正な改変を防ぐ対策が必要となる。

snapstateの脆弱性に関する考察

snapstateの脆弱性が緊急度の高いものとして報告されたことは、JavaScriptベースのアプリケーションセキュリティの重要性を再認識させる出来事だ。特にプロトタイプの汚染という攻撃手法は、多くの開発者にとって見落としやすい脆弱性であり、今回の事例はその危険性を浮き彫りにしている。今後、JavaScriptフレームワークやライブラリの開発者たちは、よりセキュアなコーディング手法の採用と、定期的なセキュリティ監査の実施を徹底する必要があるだろう。

この脆弱性の影響範囲が広いことを考えると、snapstateを利用している多くのアプリケーションが潜在的なリスクに晒されている可能性がある。開発者コミュニティとしては、脆弱性情報の共有と迅速なパッチ適用の重要性を再認識し、セキュリティ意識の向上に努めるべきだ。また、この事例を教訓に、オープンソースプロジェクトにおけるセキュリティレビューのプロセスを強化し、類似の脆弱性を早期に発見・修正できる体制を整えることが求められる。

長期的な対策としては、プロトタイプの汚染のような高度な攻撃手法に対する防御機能を、言語やランタイムレベルで組み込むことも検討すべきだろう。例えば、オブジェクトのプロトタイプを不変（immutable）にするオプションや、プロトタイプチェーンの改変を厳密に制御できるAPIの導入などが考えられる。こうした取り組みにより、JavaScriptエコシステム全体のセキュリティレベルを底上げし、より安全なWeb開発環境の実現につながるはずだ。

参考サイト

1. ^ JVN. 「JVNDB-2024-005295 - JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース」. https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2024/JVNDB-2024-005295.html, (参照 24-08-16).

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