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公開：2024-08-16

将来宇宙輸送システム株式会社がASCA hopperミッションを開始、宇宙往還技術の実現へ大きな一歩

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• ISCが宇宙往還用小型ロケット試験を開始
• ASCA hopperミッションで離着陸技術を確立
• 2030年代前半に有人輸送機開発を目指す

将来宇宙輸送システム株式会社のASCA hopperミッション始動

将来宇宙輸送システム株式会社（ISC）は、2024年8月14日に宇宙往還を想定した小型ロケットの離着陸試験「ASCA hopperミッション」の開始を発表した。このミッションは2023年11月に構想が始まり、2024年1月から試験用ロケット「ASCA hopper」の開発が進められている。通常、ロケット発射試験の開発には年単位の期間を要するが、ISCはアジャイル型開発を採用し、異例の速さで試験に着手する。^[1]

ISCが目指すのは、宇宙往還を可能にする輸送システムの実現だ。ASCA hopperミッションを通じて、ロケットエンジンの燃焼、機体の離着陸、再使用に必要な点検整備の3要素を確認する。この試験の成果を踏まえ、来年以降に小型衛星打上げ機「ASCA 1」、2030年代前半には有人輸送機「ASCA 2」の開発を目指している。

ASCA hopperミッションの特徴は、創業2年のスタートアップ企業ならではのアプローチにある。アジャイル型の開発体制と組織体制を採用し、既成の技術や部品を積極的に活用することで開発期間を大幅に短縮している。また、国内の航空産業や通信技術企業との業務提携を通じてスペシャリストを集め、効率的な開発チームを組成している。

ASCA hopperミッションの今後の予定まとめ

アジャイル型開発について

アジャイル型開発とは、ソフトウェア開発手法の一つで、迅速かつ適応的にプロジェクトを進める方法を指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• 短期間の反復的な開発サイクルを採用
• 頻繁な顧客フィードバックと柔軟な要件変更に対応
• チーム内のコミュニケーションを重視し、効率的な協働を促進

ISCがASCA hopperミッションで採用しているアジャイル型開発は、宇宙開発分野に新たな可能性をもたらしている。従来の宇宙開発では長期的な計画と大規模な投資が必要とされてきたが、アジャイル型開発によって開発期間の短縮と柔軟な対応が可能になっている。これにより、スタートアップ企業でも宇宙開発に参入しやすくなり、業界全体のイノベーションが加速する可能性がある。

ASCA hopperミッションに関する考察

ASCA hopperミッションの開始は、日本の宇宙開発における新たな潮流を象徴するものだ。従来、宇宙開発は政府機関や大手企業が主導する分野であったが、ISCのような新興企業の参入により、業界に新たな活力がもたらされる可能性がある。特にアジャイル型開発の導入は、開発サイクルの短縮と柔軟な対応を可能にし、宇宙開発のあり方に大きな変革をもたらすかもしれない。

一方で、宇宙開発における安全性と信頼性の確保は依然として重要な課題だ。短期間での開発と試験を進める中で、どのようにして十分な検証と品質保証を行うかが問われるだろう。また、再使用型ロケットの実用化に向けては、技術面だけでなく、法規制や運用面でのハードルも存在する。ISCが今後これらの課題にどのように取り組んでいくかが注目される。

長期的には、ASCA hopperミッションの成功が日本の宇宙産業全体に与える影響も大きいだろう。小型衛星打上げ機や有人輸送機の開発が実現すれば、宇宙へのアクセスがより身近になる可能性がある。これは宇宙ビジネスの拡大だけでなく、科学研究や地球観測など、さまざまな分野に波及効果をもたらす可能性がある。ISCの挑戦が、日本の宇宙開発の新たな地平を切り開くきっかけとなることを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「将来宇宙輸送システム株式会社、宇宙往還を想定した小型ロケット離着陸試験「ASCA hopperミッション」を開始 | 将来宇宙輸送システム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000106229.html, (参照 24-08-16).

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