パナソニックと大阪ガスマーケティングがEV時代のエネルギーマネジメントに向けた共同実証を開始、家庭用エネルギーシステムの最適化を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

パナソニックと大阪ガスマーケティングが共同実証を開始
EV普及時代に向けたエネルギーマネジメントを目指す
EV充電器やエネファームなどを制御対象とする

パナソニックと大阪ガスマーケティングのEV時代へ向けた共同実証

パナソニック株式会社エレクトリックワークス社は、大阪ガスマーケティング株式会社と共同で、EV普及時代に有効なエネルギーマネジメントの実現に向けた実証を2024年8月22日に開始した。この実証では、EV充電器やエネファームなどを制御対象とし、電力需給の平準化や系統電力への依存低減を目指している。^[1]

近年、太陽光発電の余剰電力の出力抑制や電力需給ひっ迫時の節電要請対応といった社会課題が顕在化している。EV普及に伴う電力需要の変化が予想される中、分散型リソースとしてのEVの活用方法やその制度整備の議論が進められており、家庭における効果的なエネルギーマネジメントの重要性が高まっている。

両社は、エネルギーサービスに対する知見と豊富なエネルギー商材を活かし、新たな顧客価値・サービスの創出を目指している。この共同実証を通じて、制御対象リソースの効果的な活用方法や今後のバリエーション拡充を検討し、現在両社が手掛けるエネルギー商材やエネルギーサービスの価値向上に役立てるとともに、新たなソリューションサービスの創出を検討する予定だ。

パナソニックと大阪ガスマーケティングの共同実証の概要

項目	詳細
実施企業	パナソニック株式会社エレクトリックワークス社、大阪ガスマーケティング株式会社
開始日	2024年8月22日
目的	EV普及時代に向けたエネルギーマネジメントの実現
制御対象	EV充電器、エネファーム等
期待される効果	電力需給の平準化、系統電力への依存低減
今後の展開	新たなソリューションサービスの創出、エネルギー商材・サービスの価値向上

エネファームについて

エネファームとは、家庭用燃料電池システムの商品名であり、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

天然ガスやLPガスから水素を取り出し発電する
発電時の排熱を給湯や暖房に利用する高効率システム
CO2排出量削減に貢献する環境配慮型の発電システム

エネファームは、パナソニックと大阪ガスマーケティングの共同実証において重要な制御対象の一つとなっている。この実証では、エネファームをEV充電器などと組み合わせることで、家庭におけるエネルギーマネジメントの最適化を図り、系統電力への負荷を軽減しつつ効率的なエネルギー利用を実現することを目指している。

EV普及時代のエネルギーマネジメントに関する考察

パナソニックと大阪ガスマーケティングの共同実証は、EV普及に伴う電力需要の変化に対応するための先進的な取り組みとして評価できる。特に、EV充電器とエネファームを組み合わせた制御は、家庭内のエネルギー利用効率を高め、電力系統への負荷を軽減する可能性を秘めている。一方で、個々の家庭のエネルギー利用パターンの多様性や、EVの充電需要の変動に対応するための柔軟なシステム設計が課題となるだろう。

この課題に対する解決策として、AIを活用した予測型エネルギーマネジメントシステムの導入や、地域単位でのエネルギー融通ネットワークの構築が考えられる。また、今後はV2H（Vehicle to Home）やV2G（Vehicle to Grid）技術の実用化により、EVを移動式蓄電池として活用する機能の追加も期待される。これにより、再生可能エネルギーの有効利用や災害時のレジリエンス向上にも貢献できるだろう。

今後、こうした実証実験の成果を基に、より高度なエネルギーマネジメントシステムの開発や、関連する法制度の整備が進むことが期待される。パナソニックと大阪ガスマーケティングには、この共同実証を通じて得られた知見を活かし、EV普及時代における持続可能なエネルギー利用モデルの確立に向けたリーダーシップを発揮することが求められる。

参考サイト

^ PR TIMES. 「EV普及時代に有効なエネルギーマネジメントを目指した、大阪ガスマーケティング株式会社との共同実証の実施について | パナソニックグループのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005841.000003442.html, (参照 24-08-24).

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