渋谷未来デザインがクールスポット効果の実証実験を開始、環境データ取得で熱中症対策を推進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

渋谷でクールスポット効果の実証実験開始
ハラカドと渋谷キャストにクールスポット設置
環境データ取得し熱中症対策を推進

渋谷未来デザインがクールスポット効果の実証実験を開始

一般社団法人渋谷未来デザインは、渋谷区や複数の企業と連携し、2024年7月20日から10月21日まで渋谷エリアでクールスポット効果の実証実験を開始した。この取り組みは環境省の「令和６年度地方公共団体における効果的な熱中症対策の推進に係るモデル事業」の一環として実施され、熱中症対策の認知度向上を目指している。^[1]

実証実験では、東急プラザ原宿「ハラカド」と渋谷キャストに屋外型エアコン「アウタータワー」とクールミストを設置し、来場者に快適な空間を提供する。同時に、クラウド型システム「SisMil®︎」を用いて環境データを自動計測し、クールスポットの効果を測定する仕組みを整えている。

SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECTの一環として行われるこの実験は、渋谷の街を1.5℃クールダウンする暑熱対策の社会実装を目指している。取得したデータはリアルタイムで可視化され、今後の渋谷における熱中症対策の基礎データとして活用される予定だ。

渋谷のクールスポット実証実験の概要

	ハラカド	渋谷キャスト	渋谷パルコ
実施期間	2024年7月20日～9月30日	2024年8月23日～10月20日	2024年7月27日
設置機器	屋外用エアコン1台、電子式WBGT指数計	屋外用エアコン3台、クールミスト3基、電子式WBGT指数計	屋外用エアコン1台、電子式WBGT指数計
特徴	東急プラザ原宿内での実験	ヒューガルデンビアガーデンとの連携	商店街振興組合の打ち水イベントと連携

WBGT指数について

WBGT指数とは、暑さ指数（Wet Bulb Globe Temperature）のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

気温、湿度、輻射熱を考慮した熱中症の危険度を示す指標
屋外作業や運動時の熱中症予防に広く活用されている
環境省や気象庁が熱中症警戒アラートの基準として採用

本実証実験では、クールスポットと通常の場所でのWBGT指数を比較測定することで、クールスポットの効果を定量的に評価している。SisMil®︎システムを用いてWBGT指数をリアルタイムで計測・可視化することで、来場者に熱中症リスクを分かりやすく伝え、効果的な熱中症対策の実現を目指している。

渋谷のクールスポット実証実験に関する考察

渋谷未来デザインによるクールスポット実証実験は、都市部における熱中症対策の新たなモデルケースとなる可能性を秘めている。特に、ビアガーデンや商店街イベントと連携した取り組みは、人々の日常生活に密着した形で熱中症対策を浸透させる効果的なアプローチだと言えるだろう。一方で、電力消費量の増加や設置コストの問題など、持続可能性の観点からの課題も考えられる。

今後は、クールスポットの効果を定量的に示すデータの蓄積と分析が重要になってくるだろう。特に、WBGT指数の改善度合いや来場者の体感温度の変化、滞在時間の増加などの指標を総合的に評価することで、より効果的な熱中症対策の方法論を確立できる可能性がある。また、グリーンインフラの活用や建築物の設計改善など、より長期的かつ持続可能な都市冷却策との連携も検討する必要があるだろう。

さらに、この実証実験の成果を他の都市部にも展開していくことが期待される。渋谷という先進的な都市エリアでの取り組みは、他の自治体や企業にとっても参考になる事例となり得る。クールスポットの設置だけでなく、環境データの可視化や熱中症対策の啓発活動を含めた総合的なアプローチが、今後の都市型熱中症対策のスタンダードとなる可能性を秘めている。

参考サイト

^ PR TIMES. 「渋谷の暑さに対するクールスポット効果の見える化と環境データ取得の実証実験を開始 | 一般社団法人渋谷未来デザインのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000303.000033690.html, (参照 24-08-24).

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