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AppleがiOS 17.5とiPadOS 17.5の脆弱性を修正、更新での対処は不可欠なサードパーティ監査体制の構築に

text: XEXEQ編集部


iOS 17.5とiPadOS 17.5のセキュリティ情報に関する記事の要約

  • 2024年5月13日にリリースされたiOS 17.5とiPadOS 17.5で修正された深刻な脆弱性についての情報
  • アプリによる権限昇格や任意のコード実行、プライバシー侵害など、幅広い脆弱性への対処
  • セキュリティリサーチャーらから報告された複数の脆弱性に対し、アップデートで修正措置
  • 一部の脆弱性はリモートからの悪用が可能なため、早期のアップデート適用が推奨される

脆弱性情報公開でAppleの迅速な対応が明らかに

2024年5月13日、Appleはリリースノートを通じてiOS 17.5とiPadOS 17.5に含まれるセキュリティ修正について詳細を公開。複数のソフトウェア構成要素に存在していた深刻な脆弱性も明らかになった。[1]

追跡番号「CVE-2024-27804」として識別されていた脆弱性は、悪用されると任意のアプリがカーネル権限での実行が可能となるため、リモート攻撃者による深刻な被害につながりかねない。また、「CVE-2024-27816」や「CVE-2024-27839」といった脆弱性では、認可されていないデータアクセスやプライバシー侵害も懸念された。

これらの不具合は内部の研究者ら複数のセキュリティリサーチャーから報告されたもので、Appleはその深刻性を認識した上で適切な修正を行ったと考えられる。今回の件で同社のセキュリティ対応の姿勢とその迅速性が伺えよう。

国際的なリサーチャーとの協力は新たな脆弱性発見に有効

さらにiOS 17.5とiPadOS 17.5のリリースでは、報告元がGermanyやSingaporeといった海外組織や個人からも寄せられていたことが確認できる。こうした国内外の研究者らとの連携は、新たな脆弱性発見につながる有効な取り組みとなっている。

一方で、レポートされた件数自体は従来と比べても大差ないため、今回の件のみをもってAppleのセキュリティ能力が著しく向上したとの判断は下せない。ただ、自社製品に重大な欠陥が存在していた事実を認め、グローバルな技術者らとの協力体制を持続させていたことは非常に素晴らしい。

セキュリティは常に継続的な取り組みが求められるものの、Appleがユーザープライバシーの確保やリスク低減に向けた努力を怠ることはないと予想される。今後は製品の堅牢性を一層高めるために、外部との連携をさらに広がっていくことを期待したい。

考察

iOS 17.5/iPadOS 17.5における深刻な脆弱性への対処をみると、Appleは引き続きOSSセキュリティへの注力が欠かせない状況にあると言えるだろう。同社は従来からセキュリティを最重要課題と位置付けているが、外部開発者による影響を完全に排除するには限界があり、入手経路に関わらずOSSの信頼性は確保しづらい。

現在OSSやApple特許技術を活用していないサードパーティアプリでも重篤な機能障害が発覚する可能性があり、安全性をチェックする十分な体制がないままリリースされているのが実情だ。アプリレビュープロセスを一層強化し、独自のコード完全性検証システムを導入することで再発防止を図るべきだろう。

また、ソフトウェアのフォレンジック解析は複雑かつコスト高となる難しさがあり、高度な分析が求められることも多い。一企業での対応には物理的な限界があるため、オープンな立場で無償にサポートを行うセキュリティ専門機関の設立も長期的には検討する価値がある。今回の件がきっかけとなり、OSSを中心にツール、プロセス、体制の全面的な見直しが求められるかもしれない。

ハードウェア分野でも大規模なサプライチェーンを抱えるAppleにとって、セキュリティリスクの多様化は避けられない課題だ。新しい危険性への備えと、リサーチャーとの連携による早期警戒が重要となる。開発者や技術者らとの積極的な交流と、金銭面での支援制度の拡充など、同社の今後の具体的な取り組み方針に注目が集まることだろう。

参考サイト

  1. ^ Apple. 「iOS 17.5 および iPadOS 17.5 のセキュリティコンテンツについて - Apple サポート (日本)」. https://support.apple.com/ja-jp/HT214101, (参照 24-05-28).
  2. Apple. https://www.apple.com/jp/

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