ZOZOTOWNがAIツール「アイテムレビューパトロール」を開発、レビュー品質向上と業務効率化を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

ZOZOがアイテムレビュー違反検出AIツールを開発
ガイドライン違反チェックの業務時間を67.7%削減
生成AIを活用し、23個の独自ツールを開発

ZOZOTOWNのAIツール「アイテムレビューパトロール」がユーザーレビューの品質向上に貢献

株式会社ZOZOは、ファッションEC「ZOZOTOWN」のユーザーによるアイテムレビュー投稿に対し、生成AIを活用してガイドライン違反を検出する独自ツール「アイテムレビューパトロール」を2024年4月に運用開始した。このツールは大規模言語モデルを使用しており、ZOZOTOWNのレビューガイドラインに基づいて違反を自動で検出する仕組みになっている。^[1]

導入から4か月間の運用結果によると、担当者のガイドライン違反チェックにかける業務時間を67.7%削減し、チェック件数を68.5%削減することに成功した。これにより、担当者は違反の可能性が高いレビューのみをチェックすればよくなり、業務の生産性が大幅に向上している。ZOZOは、この取り組みによってアイテムレビュー機能がユーザーの購入意思決定に一層貢献することを期待している。

また、ZOZOグループでは2023年6月下旬から2024年3月末までの約9か月間で、社内各部署のニーズに基づいて23個の独自ツールを開発した。これには「問い合わせ対応bot」や「週ごとの売上トピックス作成ツール」、「記事タイトル＆目次ジェネレーター」などが含まれており、現在も全社で活用されている。さらに、エンジニアの開発プロセス効率化を目的に「GitHub Copilot」を導入し、89.4%のエンジニアが生産性向上を実感している。

ZOZOのAI活用ツールの特徴まとめ

	アイテムレビューパトロール	問い合わせ対応bot	GitHub Copilot
主な機能	レビューのガイドライン違反検出	社内問い合わせの一次回答自動化	コーディング支援
導入効果	業務時間67.7%削減	問い合わせ対応の効率化	89.4%のエンジニアが生産性向上を実感
使用技術	生成AI、大規模言語モデル	生成AI	AI支援ツール

大規模言語モデルについて

大規模言語モデルとは、膨大なテキストデータを学習し、自然言語処理タスクを高精度で実行できるAIモデルのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

大量のテキストデータを基に言語の規則性を学習
文章生成や質問応答など多様なタスクに対応可能
コンテキストを理解し、人間らしい自然な文章を生成

ZOZOTOWNの「アイテムレビューパトロール」では、この大規模言語モデルを活用してユーザーレビューのガイドライン違反を自動検出している。モデルはレビューの文脈を理解し、商品不良や配送に関する内容など、ガイドラインで規定された対象外の内容を高精度で識別することが可能だ。これにより、人手による確認作業の効率化と、レビューの品質向上を同時に実現している。

ZOZOTOWNのAI活用に関する考察

ZOZOTOWNによるAI活用の取り組みは、EC業界におけるユーザー体験向上と業務効率化の両立という点で高く評価できる。特に「アイテムレビューパトロール」は、大規模言語モデルの特性を活かしてレビューの質を維持しつつ、人的リソースの最適化を実現している点が優れている。今後は、AIによる判断の精度向上や、より複雑なレビュー内容への対応が課題となる可能性がある。

解決策として、継続的な学習データの更新やAIモデルの改良、人間の専門家によるフィードバックループの構築などが考えられる。また、AIの判断根拠を可視化する「説明可能AI」の導入も、ユーザーとの信頼関係構築に寄与するだろう。今後追加してほしい機能としては、ユーザーの購買行動とレビュー内容の相関分析や、AIによるレビュー要約機能などが挙げられる。

ZOZOグループの「MORE FASHION × FASHION TECH」戦略に基づくAI活用は、ファッションECの未来を示唆している。今後は、パーソナライズされた商品レコメンデーションやバーチャルフィッティング、AIスタイリストなど、よりファッションに特化したAI技術の開発・導入が期待される。これらの取り組みが、ユーザーにとってより魅力的で使いやすいECプラットフォームの実現につながることを期待したい。

参考サイト

^ PR TIMES. 「生成AIを活用し、ZOZOTOWN上のアイテムレビューガイドライン違反をパトロールするツールを独自開発 | 株式会社ZOZOのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000276.000096287.html, (参照 24-09-05).

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