タケエイが福島県相馬市で太陽光パネルリサイクル事業を開始、サーキュラーエコノミー推進へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

太陽光パネルリサイクル事業を相馬市で開始
PVリサイクルハンマーで表面ガラスを破砕剥離
リユースとリサイクルを組み合わせた事業展開

タケエイの太陽光パネルリサイクル事業開始

TREホールディングス株式会社の子会社であるタケエイは、福島県相馬市において太陽光パネルリサイクル事業を開始した。2023年1月に指定処理施設設置許可を取得し、このたび福島県より産業廃棄物処分業許可を得たことで、本格的な操業を開始する運びとなった。太陽光パネルの大量廃棄時代到来に備え、リサイクルやリユース事業の更なる拡充に取り組んでいる。^[1]

本事業のリサイクルプラントでは、株式会社千代田マシナリー製「PVリサイクルハンマー」を採用し、表面ガラスの破砕剥離を行う。さらに、色彩選別機によって高品質なガラスカレットへの選別も可能となっている。専用の測定器を用いた検査に合格したものはリユース品として販売し、不合格と判断されたパネルはアルミ、セルシート、ガラスなどに分離した上でリサイクル原料として出荷または適正に処分する。

タケエイグループは、株式会社信州タケエイと共に太陽光パネルリサイクル事業及びリユース販売事業を展開しており、TREガラス株式会社と連携して処理・リサイクル技術の深化を図っている。さらに、第2次中期経営計画では「相馬サーキュラーパーク」構想を掲げ、太陽光パネルリサイクル以外にも使用済紙おむつのリサイクル実証実験など、多様な再資源化事業に取り組んでいる。

太陽光パネルリサイクル事業の概要

項目	詳細
設備の種類	廃太陽光パネルの破砕・選別施設
処理能力	9.0ｔ/日
稼働時間	1日当たり8時間
処理可能な産業廃棄物	廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
主要設備	PVリサイクルハンマー、色彩選別機
事業展開	リユース販売、リサイクル原料出荷、適正処分

サーキュラーエコノミーについて

サーキュラーエコノミーとは、資源の効率的な利用と廃棄物の削減を目指す経済モデルのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

製品の長寿命化と再利用の促進
廃棄物の再資源化と循環利用
環境負荷の低減と持続可能な経済成長の両立

タケエイの太陽光パネルリサイクル事業は、このサーキュラーエコノミーの実践例と言える。使用済みパネルのリユースやリサイクルを通じて、資源の有効活用と廃棄物の削減を同時に実現している。さらに、「相馬サーキュラーパーク」構想では、太陽光パネル以外の廃棄物にも対象を広げ、地域特性に応じた循環型経済モデルの構築を目指している。

太陽光パネルリサイクル事業に関する考察

タケエイの太陽光パネルリサイクル事業開始は、再生可能エネルギーの普及に伴う将来的な課題に先手を打つ取り組みとして評価できる。特に、リユースとリサイクルを組み合わせたアプローチは、資源の有効活用と環境負荷の低減に大きく貢献するだろう。一方で、リサイクル技術の更なる効率化や、回収システムの整備など、解決すべき課題も残されている。

今後は、太陽光パネルの大量廃棄時代を見据えた処理能力の拡大が重要になるだろう。また、自然災害による突発的な大量廃棄にも対応できる柔軟な体制づくりが求められる。さらに、リサイクル材の新たな用途開発や、より高度な分離技術の確立など、継続的な技術革新も不可欠だ。これらの課題に取り組むことで、循環型社会の実現に向けた重要な一歩となるはずだ。

タケエイの取り組みが業界全体に波及し、太陽光パネルのライフサイクル全体を考慮した持続可能な仕組みが構築されることが期待される。また、「相馬サーキュラーパーク」構想のような地域密着型の循環経済モデルが、他の地域にも広がることで、日本全体のサーキュラーエコノミー推進につながるだろう。今後の展開に注目したい。