FBRIと日本IBMがAI活用の臨床開発で提携、ドラッグ・ラグ解決と創薬力強化を目指す新システムの開発へ
PR TIMES より
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記事の要約
- FBRIと日本IBMが臨床開発支援で提携
- AIとリアルワールドデータを活用
- ドラッグ・ラグ/ロス解決を目指す
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FBRIと日本IBM、AI活用の臨床開発で提携しドラッグ・ラグ解決へ
公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(FBRI)と日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は2024年9月10日、生成AIと医療リアルワールドデータを活用したAI組み込み型の臨床開発推進のパートナーシップを締結した。この提携は、日本のドラッグ・ラグ/ロス解決と創薬力強化を目指すものであり、臨床開発業務プロセス全体の変革支援に取り組む。[1]
近年、海外で承認された薬が日本で未承認となる「ドラッグ・ラグ」や「ドラッグ・ロス」の問題が深刻化している。2019年から2023年の5年間で、FDAが承認したNME243品目のうち、164品目(約67.5%)が日本では未承認であり、その過半数は日本で開発されていない現状がある。この背景には、日本市場の魅力度低下や治験の長期化などの課題がある。
FBRIの医療イノベーション推進センター(TRI)と日本IBMは、ライフ・インテリジェンス・コンソーシアム(LINC)のワーキング・グループでの活動を通じて、電子カルテ等の医療リアルワールドデータを活用した治験と患者のマッチング効率化を検討してきた。今回の提携では、AI組み込み型の臨床開発業務実現による抜本的な課題解決を目指し、7つの機能を含むシステムの開発を計画している。
AI組み込み型臨床開発システムの機能まとめ
機能名 | 概要 |
---|---|
開発関連情報検索 | 生成AIによる組織内外の情報検索と回答提示 |
電子カルテスクリーニング | 生成AIによる選択・除外条件の構造化と患者マッチング |
治験患者マッチング | 電子カルテデータから適合する治験候補の提示 |
同意取得支援 | アバターと生成AIによる治験説明と質疑対応 |
有害事象情報検知 | 生成AIによる関連有害事象情報の検索・抽出 |
データ・マネジメント | 電子カルテ-EDC間のデータ連携自動化とエラー検知 |
文書生成支援・プログラム生成支援 | 生成AIによる関連文書やプログラムのドラフト作成 |
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ドラッグ・ラグについて
ドラッグ・ラグとは、海外で承認された新薬が日本で承認されるまでの時間差のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 日本の患者が新薬へのアクセスが遅れる問題
- 製薬企業の日本市場への投資意欲低下の要因
- 臨床開発の長期化や規制の違いが主な原因
ドラッグ・ラグの問題は、患者の治療機会の損失だけでなく、日本の医療産業全体の競争力低下にもつながる重要な課題となっている。FBRIと日本IBMの提携は、AIとリアルワールドデータを活用することで、臨床開発プロセスを効率化し、この問題の解決に貢献することを目指している。特に、治験患者のマッチングや文書作成支援などの機能は、開発期間の短縮に直接的な効果が期待される。
AI活用の臨床開発支援システムに関する考察
FBRIと日本IBMが開発を目指すAI組み込み型の臨床開発支援システムは、ドラッグ・ラグ解決に向けた画期的なアプローチだと評価できる。特に、電子カルテデータと生成AIを組み合わせた患者スクリーニングや治験マッチング機能は、従来の手作業による選別プロセスを大幅に効率化し、適切な被験者の迅速な特定に貢献する可能性が高い。一方で、医療データの取り扱いに関するプライバシーやセキュリティの問題、AIの判断の信頼性と透明性の確保が今後の課題となるだろう。
これらの課題に対しては、厳格なデータ管理体制の構築やAIの判断プロセスの可視化、医療専門家による監視システムの導入などが解決策として考えられる。また、今後の機能拡張としては、国際的な規制情報のリアルタイム更新や、患者報告アウトカム(PRO)データの統合分析機能の追加が期待される。これにより、グローバルな臨床開発戦略の立案や、より患者中心のアプローチが可能になるだろう。
長期的には、このシステムが日本の臨床開発環境を大きく改善し、国際競争力の向上につながることが期待される。さらに、得られたデータと知見を活用することで、日本発の革新的な医薬品開発の促進や、個別化医療の実現にも貢献する可能性がある。FBRIと日本IBMには、このシステムの実用化を通じて、日本の医療イノベーションを加速させる役割を果たすことが期待される。
参考サイト
- ^ PR TIMES. 「日本IBMとFBRI、日本のドラッグ・ラグ/ロス解決と創薬力強化に向けて、生成AIと医療リアルワールドデータを活用したAI組み込み型の臨床開発を共同推進 | 日本アイ・ビー・エム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000536.000046783.html, (参照 24-09-11).
- IBM. https://www.ibm.com/jp-ja
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