DeepEyeVisionがAIを活用した緑内障診療の研究開発に着手、OCT画像から視野を推測し患者と医療機関の負担軽減を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

DeepEyeVisionがAIを活用した緑内障診療の研究開発に着手
OCT画像からAIで視野を推測し患者と医療機関の負担軽減を目指す
古山誠医師を顧問に迎え複数の学術機関と技術交流を開始

DeepEyeVisionのAIを活用した緑内障診療精度向上への取り組み

自治医科大学発ベンチャーのDeepEyeVision株式会社は、緑内障診療の精度向上と患者の負担軽減を目的としたAI技術の研究開発に着手したことを2024年9月11日に発表した。同社はOCT（光干渉断層計）で撮影された目の断層画像から、AIを用いて視野に関する値を推測する手法の開発を進めている。^[1]

緑内障は日本の中高年における失明原因の第一位であり、40歳以上の20人に1人が罹患している。早期発見と治療開始が重要な疾患だが、完治は見込めず、永続的な通院と視野検査が必要となるため、患者と医療機関双方に大きな負担がかかっている。DeepEyeVisionの取り組みは、この社会課題の解決を目指すものだ。

研究開発の具体的な内容として、ディープラーニング技術を用いてOCT画像から視野を推測するプログラムの開発が挙げられる。これにより、視野欠損の把握に必要な検査時間の大幅な削減を目指している。さらに、得られた定量的な計測結果をデータベース化し、医師の治療方針策定支援への活用も探索している。

DeepEyeVisionのAI研究開発の特徴まとめ

項目	詳細
研究開発の目的	緑内障診療の精度向上と患者の負担軽減
使用技術	AIによるOCT画像からの視野推測
期待される効果	検査時間の削減、医療機関の負担軽減
協力体制	古山誠医師を顧問に迎え、複数の学術機関と技術交流
今後の展開	プログラムの社会実装、緑内障患者の減少を目指す

OCT（光干渉断層計）について

OCTとは「Optical Coherence Tomography」の略称で、非侵襲的に生体の断層構造を可視化する医療イメージング技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

高解像度で生体内部の微細構造を観察可能
短時間で断層画像を取得できる迅速性
X線被曝がなく安全性が高い

OCTは特に眼科領域で広く使用されており、網膜や視神経の状態を詳細に観察することができる。DeepEyeVisionが開発を進めているAI技術は、このOCTで撮影された目の断層画像を解析し、視野に関する情報を推測することで、緑内障診療の効率化と精度向上を目指している。

AIを活用した緑内障診療に関する考察

DeepEyeVisionのAIを活用した緑内障診療への取り組みは、患者の負担軽減と医療機関の効率化という点で非常に有意義である。特に視野検査の時間短縮は、高齢化社会における医療リソースの最適化に大きく貢献する可能性がある。一方で、AIによる推測の精度や信頼性の担保、また医師の診断スキルへの依存度の変化など、新たな課題が生じる可能性も考慮する必要があるだろう。

今後予想される問題として、AIシステムの導入コストや医療機関のITインフラ整備の必要性が挙げられる。これらの課題に対しては、段階的な導入プロセスの設計や、クラウドベースのソリューション提供など、柔軟なアプローチが求められる。また、AIの判断根拠の透明性確保や、患者データの匿名化・セキュリティ対策など、倫理的・法的側面での慎重な検討も重要になってくるだろう。

期待される新機能としては、AIによる長期的な視野変化の予測や、個々の患者に最適化された治療法の提案などが考えられる。さらに、他の眼科疾患への応用や、遠隔医療システムとの統合など、AIの活用範囲を広げていくことも今後の課題となるだろう。DeepEyeVisionには、継続的な技術革新と医療現場のニーズに即した開発を進めることで、緑内障患者のQOL向上と眼科医療の発展に貢献することを期待したい。

参考サイト

^ PR TIMES. 「自治医科大学発ベンチャー・DeepEyeVision、AIを活用した緑内障診療の精度向上に向けた研究開発に着手 | DeepEyeVision株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000053278.html, (参照 24-09-12).

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