ネッスーがライフコーポレーションとSFAと連携し食品寄贈モデルの実証実験を開始、食品ロス削減とこども支援の両立を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

ネッスーが食品寄贈モデルの実証実験を開始
ライフコーポレーションとSFAが連携して実施
食品ロス削減とこども支援の両立を目指す

ネッスーの食品寄贈モデル実証実験が足立区で開始

ネッスー株式会社は、株式会社ライフコーポレーションおよび一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会（SFA）と連携し、2024年10月から食品寄贈モデルの実証実験を開始した。この取り組みは環境省の「令和５年度食品の消費行動に伴う食品ロス削減対策導入モデル事業」に採択されたものだ。足立区の店舗で実施され、近隣地域のこども食堂や支援を必要とする世帯への食品寄贈を行う。^[1]

実証実験の目的は、食品ロスの発生を抑制しつつ社会福祉を増進することにある。小売店で賞味期限・消費期限が短いなどの理由で販売できなくなった農産品や日配食品を、支援を必要としているこども食堂等の団体やひとり親世帯等に寄贈する方法の確立を目指している。これにより、食品ロス削減と近隣地域への貢献を同時に実現することが期待されている。

ネッスーが開発する食品寄贈プラットフォームを活用し、リアルタイムで寄贈商品情報を発信する体制を構築する。当日中に店舗近隣のこども食堂やひとり親世帯等へ寄贈することで、賞味期限・消費期限の短い農産品や日配食品の寄贈を実現する。これにより、食品ロスの大幅な削減と、より多くの支援を必要とする方々への食品寄贈の両立を図ることが可能になるだろう。

食品寄贈モデル実証実験の概要

項目	詳細
実施店舗	ライフ扇大橋駅前店
対象商品	農産品（野菜・果物）・日配食品
実施期間	2024年10月〜11月
参加者	近隣地域のこども食堂 4団体 / 支援を必要とするひとり親世帯等 20世帯程度
実施主体	ネッスー、ライフコーポレーション、SFA
連携自治体	足立区

食品ロスについて

食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず廃棄される食品のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

賞味期限・消費期限切れによる廃棄
売れ残りや返品による廃棄
食べ残しによる廃棄

食品ロスは環境問題や資源の無駄遣いといった観点から世界的に注目されている課題である。日本では年間約570万トンの食品ロスが発生しており、その約半分は家庭から出されている。小売店やレストランなどの事業系食品ロスも大きな割合を占めており、今回の実証実験のような取り組みが食品ロス削減に大きく寄与する可能性がある。

食品寄贈モデルに関する考察

ネッスーの食品寄贈モデルは、食品ロス削減とこども支援という二つの社会課題を同時に解決しようとする画期的な取り組みだ。特に、賞味期限・消費期限の短い農産品や日配食品を寄贈対象としている点が注目に値する。これまで寄贈が難しかったこれらの食品を効率的に活用することで、食品ロス削減の効果がより大きくなることが期待できるだろう。

しかし、この取り組みを持続可能なものにするためには、いくつかの課題も考えられる。例えば、寄贈される食品の品質管理や衛生面での配慮、配送システムの効率化、参加者の拡大などが挙げられる。特に、食品の安全性を確保しつつ、迅速な寄贈プロセスを確立することが重要だ。これらの課題に対しては、IoT技術を活用した在庫管理システムの導入や、地域コミュニティとの連携強化などの解決策が考えられる。

今後は、この実証実験の結果を踏まえ、全国的な展開を視野に入れた取り組みへと発展させていくことが期待される。また、食品寄贈モデルの法的整備や、参加企業へのインセンティブ制度の導入など、社会システムとしての確立も重要だ。食品ロス削減と社会福祉の両立という観点から、この取り組みが日本の持続可能な社会づくりのモデルケースとなることを期待したい。