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公開：2024-09-19

日本老人福祉財団が介護DXで夜間見守りシステムを導入、職員の負担軽減と入居者のQOL向上を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 日本老人福祉財団が介護DXで夜間見守りを導入
• 職員の身体的・精神的負担が大幅に軽減
• 入居者の睡眠の質・量が向上し、転倒事故も減少

日本老人福祉財団による介護DXの導入と効果

一般財団法人日本老人福祉財団は、2023年度より佐倉〈ゆうゆうの里〉で導入・活用してきた「見守りライフ」の効果検証を取りまとめ、職員の身体的・精神的負担軽減に大きく寄与していることを確認した。この介護DXの取り組みは、厚生労働省が掲げる介護人材確保のための5つの施策にも合致するものである。^[1]

「見守りライフ」は、ベッドに荷重センサーやバイタルセンサー、カメラを取り付けることで、入居者の動きを検知するだけでなく、睡眠状況や体重、脈拍・呼吸数なども把握することができる高齢者見守りシステムだ。佐倉〈ゆうゆうの里〉では2023年夏、全111床でこのシステムを導入し、夜間の安否確認をほぼすべて「見守りライフ」による確認に置き換えることに成功した。

導入の結果、一晩当たり約50回行っていた職員による安否確認のみの訪室が削減され、入居者の睡眠時間と質が向上した。さらに、転倒事故件数が46％に半減するなど、入居者の安全面でも効果が見られている。職員の負担軽減も顕著で、一夜勤あたり約4,000歩の移動距離減少、精神的・身体的負担の大幅な軽減が確認されている。

見守りライフ導入による効果まとめ

介護DXについて

介護DXとは、介護分野におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• ICTやAI技術を活用した介護業務の効率化
• データ分析による個別化された介護サービスの提供
• 遠隔監視や見守りシステムによる安全性の向上

日本老人福祉財団が導入した「見守りライフ」は、介護DXの典型的な例といえる。このシステムは24時間365日入居者の状況を見える化し、離床センサーやカメラを活用して高齢者を見守る。さらに、睡眠状況や体重、脈拍・呼吸数といったバイタルデータも把握できるため、個別化された介護サービスの提供や早期の異常検知にも貢献している。

介護DXによる夜間見守りに関する考察

介護DXによる夜間見守りシステムの導入は、介護職員の労働環境改善と入居者のQOL向上を同時に実現する画期的な取り組みといえる。特に夜間の訪室回数削減による職員の身体的負担軽減は、慢性的な人手不足に悩む介護業界において重要な意味を持つ。一方で、プライバシーの問題や機器への依存度が高まることによる人的ケアの質の低下が懸念される点には注意が必要だろう。

これらの問題に対する解決策として、入居者や家族への十分な説明と同意取得プロセスの確立、そして機器による監視と人的ケアのバランスを保つための明確なガイドラインの策定が考えられる。今後は、AIによる異常検知精度の向上や、収集されたデータを活用した予防的ケアの実現など、さらなる技術革新が期待される。同時に、介護職員のICTリテラシー向上のための教育支援も重要な課題となるだろう。

介護DXの進展は、単に業務効率化にとどまらず、介護の質そのものを変革する可能性を秘めている。例えば、蓄積されたデータを分析することで、個々の入居者に最適な介護計画の立案や、施設全体の運営最適化が可能になるかもしれない。今後は、技術の発展と人間味のあるケアのバランスを取りながら、より良い介護サービスの実現に向けて、継続的な検証と改善が求められるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「日本老人福祉財団、介護DXによる夜間見守りで、職員の身体的・精神的負担軽減に大きく寄与 | 一般財団法人日本老人福祉財団のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000094268.html, (参照 24-09-19).
2. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/index.html

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