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公開：2024-09-19

椿本チエインが世界最小ローラチェーンを開発、医療機器やロボットの小型化・高精度化に貢献

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 椿本チエインが世界最小ローラチェーンを開発
• エプシロンチェーンはピッチ1.905mmを実現
• 医療機器やロボットの小型化・高精度化に貢献

椿本チエインが世界最小ローラチェーンを開発

株式会社椿本チエインは、世界最小のローラチェーン「エプシロンチェーン™ステンレス仕様（形番：RS6）」を開発し、2024年10月1日より正式販売を開始すると発表した。このチェーンは、ピッチ（1リンクのピンとピンの間隔）が1.905mmと、従来の当社最小ローラチェーン（RS11）のピッチ3.7465mmの約半分の長さを実現している。^[1]

エプシロンチェーンの特長として、世界最小サイズでの確実な動力伝達が挙げられる。極めて小さいサイズながら、スペースに制限がある機構・レイアウトにおいて確実な動力伝達を実現することが可能だ。また、JIS規格準拠のローラチェーンと同じ5つの部品構成を採用しており、極小サイズでありながらスプロケットとのスムーズな噛み合いと摩耗低減による長寿命を実現している。

このエプシロンチェーンの応用分野として、小型・軽量化が進む産業用ロボットのエンドエフェクタや医療・福祉機器が挙げられる。これらの分野では従来、ベルトやワイヤーを用いた動力伝達が主流だったが、エプシロンチェーンを採用することで、より大きな力をより遠くに伝達することが可能となり、機器の高精度化・小型化に貢献できる。

エプシロンチェーンの特長まとめ

エンドエフェクタについて

エンドエフェクタとは、ロボットアームの先端に取り付けられ、加工する、ネジを締めるなどの動作を行う機器のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

• ロボットの作業を直接実行する重要な部品
• 多様な形状や機能を持ち、作業内容に応じて選択可能
• 精密な動作や力の制御が求められる

エプシロンチェーンの開発により、エンドエフェクタの小型化・高精度化が進むことが期待される。従来のベルトやワイヤーを用いた動力伝達では、駆動時にワイヤーがすべるなどの課題があったが、エプシロンチェーンを採用することで、より大きな力をより遠くに伝達することが可能となり、エンドエフェクタの性能向上に貢献できる。

エプシロンチェーンの開発に関する考察

椿本チエインによるエプシロンチェーンの開発は、産業用ロボットや医療機器の分野に大きな影響を与える可能性がある。特に、従来の動力伝達機構の課題を解決し、より小型で高精度な機器の実現に貢献できる点が評価できる。一方で、極小サイズのチェーンの製造や品質管理には高度な技術が必要となり、量産化や価格設定などの面で課題が生じる可能性もあるだろう。

これらの課題に対しては、製造プロセスの最適化や新たな材料技術の導入などが解決策として考えられる。また、エプシロンチェーンの特性を最大限に活かすための専用設計ツールや、異なる材質やサイズのバリエーション展開なども、今後のニーズに応じて検討すべき点だ。さらに、IoTセンサーとの統合による予知保全機能の追加など、チェーン単体の性能向上だけでなく、システム全体の高度化につながる新機能の開発も期待される。

長期的には、エプシロンチェーンの技術が産業用ロボットや医療機器以外の分野にも応用されることが期待される。例えば、ウェアラブルデバイスやマイクロマシンなど、極小サイズの機械が求められる分野での活用が考えられる。椿本チエインには、この革新的な技術を基盤に、さらなる小型化や高機能化を追求し、様々な産業分野のイノベーションをリードしていくことを期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「医療機器やロボットハンドなど、動力伝達機構の小型化・高精度化に貢献 世界最小ローラチェーン「エプシロンチェーン™ステンレス仕様」新発売 | 株式会社椿本チエインのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000073716.html, (参照 24-09-19).

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