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EPP(Endpoint Protection Platform)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


EPP(Endpoint Protection Platform)とは

EPP(Endpoint Protection Platform)とはエンドポイントセキュリティ対策を提供するソフトウェアプラットフォームのことを指します。EPPはマルウェア対策、ファイアウォール、侵入防止、デバイス制御など、エンドポイントを保護するための機能を包括的に提供します。

EPPは従来のアンチウイルスソフトでは対応が難しかった高度な脅威に対応するために開発されました。EPPはマシンラーニングや振る舞い検知などの先進技術を活用し、未知の脅威にも対応できるのが特徴です。

EPPはエンドポイントの可視化や一元管理を実現し、セキュリティ運用の効率化に貢献します。EPPはクラウドベースの管理コンソールを提供し、複数のエンドポイントのセキュリティ状況をリアルタイムに把握できます。

EPPはWindows、macOS、Linuxなど、多様なOSに対応しています。EPPはサーバーやデスクトップPCだけでなく、モバイルデバイスやIoTデバイスなど、あらゆるエンドポイントを保護できるのが強みです。

EPPはセキュリティインシデントの調査や対応を支援する機能も備えています。EPPは脅威の検知やアラート発生時に、詳細な情報や対応手順を提示し、迅速なインシデント対応を可能にします。

EPPが提供する主要な機能

EPPが提供する主要な機能に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EPPによるマルウェア対策の特徴と効果
  • EPPのファイアウォールと侵入防止機能
  • EPPを活用したデバイス制御の方法

EPPによるマルウェア対策の特徴と効果

EPPのマルウェア対策はシグネチャベースの検知だけでなく、AIを活用した振る舞い検知によって未知の脅威にも対応できます。EPPはファイルの実行前にサンドボックス内で動作を解析し、悪意ある振る舞いを検知できるのが特徴です。

EPPのマルウェア対策はランサムウェアなどの最新の脅威に対して高い防御効果を発揮します。EPPは不正な暗号化や特定のファイル拡張子の書き込みなど、ランサムウェア特有の振る舞いをいち早く検知し、被害を未然に防ぐことができます。

EPPのマルウェア対策はパッチ適用前の脆弱性を狙う攻撃にも有効です。EPPは脆弱性を突くエクスプロイトの実行を検知し、パッチ適用が間に合わない場合でもエンドポイントを保護できます。

EPPのファイアウォールと侵入防止機能

EPPのファイアウォールはエンドポイントの通信を監視し、不正な通信をブロックします。EPPのファイアウォールはアプリケーション単位でのアクセス制御が可能で、許可されたアプリケーションのみがネットワークにアクセスできるようにします。

EPPの侵入防止機能は既知の攻撃パターンを検知し、エンドポイントへの侵入を防ぎます。EPPの侵入防止はネットワーク層だけでなくホスト層でも動作し、メモリ上で実行される攻撃も検知できるのが特徴です。

EPPのファイアウォールと侵入防止はネットワーク境界の防御だけでは防ぎきれない内部からの攻撃に対して効果を発揮します。EPPは内部ネットワークでの不正な横移動や、感染端末からの通信を検知し、被害の拡大を防ぐことができます。

EPPを活用したデバイス制御の方法

EPPのデバイス制御はUSBメモリなどの外部ストレージデバイスの使用を制限し、情報漏えいやマルウェア感染のリスクを低減します。EPPはデバイスの種類やベンダーID、シリアル番号などを基に、きめ細かなアクセス制御を実現できます。

EPPのデバイス制御は業務上必要なデバイスの使用は許可しつつ、無断での情報持ち出しを防ぐことができます。EPPはファイルの読み取りのみを許可し、書き込みを禁止するといった設定も可能です。

EPPのデバイス制御は設定変更やログの確認をクラウド上の管理コンソールから一元的に行えるのが利点です。EPPは各エンドポイントのデバイス制御の状況を可視化し、ポリシー違反があった場合は速やかに検知できます。

クラウド型EPPの利点

クラウド型EPPの利点に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • クラウド型EPPによる導入・運用の簡易化
  • クラウド型EPPならではの高度な脅威対策
  • クラウド型EPPを活用したセキュリティ運用の効率化

クラウド型EPPによる導入・運用の簡易化

クラウド型EPPはオンプレミス型と比べて導入が簡単で、短期間でセキュリティ対策を始められるのが利点です。クラウド型EPPは管理サーバーを自社で用意する必要がなく、クラウドサービスとして提供されるため、初期コストを抑えられます。

クラウド型EPPはエンドポイントへのインストールもクラウド経由で行えるため、作業負荷が少なく運用が簡単です。クラウド型EPPはエージェントの更新もクラウド側で一括して行われるため、常に最新の状態を保てます。

クラウド型EPPならではの高度な脅威対策

クラウド型EPPはクラウドの膨大なリソースを活用し、高度な脅威対策を実現します。クラウド型EPPは世界中から収集した脅威情報をビッグデータ解析し、未知の脅威を検知するためのモデルを生成できます。

クラウド型EPPはAIを活用した分析基盤をクラウド上に構築し、各エンドポイントから収集したデータをリアルタイムに分析します。クラウド型EPPは個々のエンドポイントでは検知が難しい巧妙な脅威も、クラウドで相関分析することで検知できます。

クラウド型EPPを活用したセキュリティ運用の効率化

クラウド型EPPはセキュリティ運用の負荷を大幅に軽減し、効率化を図れます。クラウド型EPPはクラウドポータルから複数のエンドポイントのセキュリティ状況を一元的に把握でき、直感的な操作で設定変更やポリシー適用が行えます。

クラウド型EPPはセキュリティインシデント発生時の対応も迅速化できます。クラウド型EPPはアラートの詳細情報や対処方法をわかりやすく提示し、セキュリティ担当者の負担を軽減します。

EPPと他のセキュリティ対策との連携

EPPと他のセキュリティ対策との連携に関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EPPとEDRの違いと併用のメリット
  • EPPとMDMの連携による効果
  • EPPとSIEMの統合が可能にする分析

EPPとEDRの違いと併用のメリット

EPPとEDR(Endpoint Detection and Response)はともにエンドポイントセキュリティを担う製品ですが、主な目的が異なります。EPPが未然防止に重点を置くのに対し、EDRは脅威の検知と事後対応に特化しています。

EPPとEDRを併用することで、防御と検知・対応を両立し、エンドポイントセキュリティを強化できます。EPPが防ぎきれなかった脅威も、EDRによってリアルタイムに検知し、被害を最小限に抑えられます。

EPPとMDMの連携による効果

EPPとMDM(Mobile Device Management)を連携させることで、モバイルデバイスのセキュリティ管理を効率化できます。EPPが提供するモバイル向けのアプリケーション制御や脅威対策の機能をMDMから一元的に制御できるのが利点です。

EPPとMDMの連携により、モバイルデバイスの紛失・盗難対策も強化されます。EPPで不正アクセスを検知した際に、MDM経由でデバイスのロックやワイプを即座に実行し、情報漏えいを防げます。

EPPとSIEMの統合が可能にする分析

EPPとSIEM(Security Information and Event Management)を統合することで、エンドポイントのログを含む様々なセキュリティログを横断的に分析できます。EPPが検知した脅威の情報をSIEMに集約し、他のログと関連付けて分析することで、より詳細な攻撃の全容を把握可能です。

EPPとSIEMの統合により、インシデントレスポンスにおける原因究明も迅速化できます。EPPが検知した脅威を起点に、SIEMを使ってネットワーク上の不審な通信や他のエンドポイントへの影響を追跡し、適切な対処につなげられます。

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