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EPS(Emergency Power Supply)とは?意味をわかりやすく簡単に解説

text: XEXEQ編集部


EPS(Emergency Power Supply)とは

EPSとはEmergency Power Supplyの略称で、非常用電源設備を指します。停電や災害などの緊急時に、重要な電気設備に電力を供給するためのバックアップ電源システムです。

EPSは通常の電力供給が途絶えた場合に自動的に起動し、電力を供給します。病院や情報通信設備、防災拠点など、停電が許されない重要施設で導入されています。

EPSの電源にはディーゼル発電機やガスタービン発電機、蓄電池などが使用されます。これらの電源設備は常に稼働可能な状態に保たれ、定期的なメンテナンスが行われます。

EPSは法律や規制に基づいて設置が義務付けられている場合があります。建築基準法では高層建築物や大規模な建築物に対して、非常用の照明設備や防災設備への電力供給が求められています。

EPSの容量は対象となる電気設備の重要度や必要な稼働時間に応じて決定されます。重要度の高い設備ほど、より大容量のEPSが必要とされます。

EPSの構成機器と働き

EPSに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EPSを構成する主要な機器と役割
  • EPSの自動起動と電力切替のメカニズム
  • EPSの適切な容量設計と維持管理の重要性

EPSを構成する主要な機器と役割

EPSは非常用発電機、蓄電池、切替装置などの機器で構成されています。非常用発電機は停電時に電力を生成する役割を担います。

蓄電池は非常用発電機が起動するまでの短時間の電力を供給します。切替装置は通常時と非常時の電力供給を切り替える働きを持っています。

これらの機器が連携することで、停電時にも重要な電気設備への電力供給が可能になります。EPSの信頼性を確保するため、各機器の適切な選定と設計が求められます。

EPSの自動起動と電力切替のメカニズム

EPSは停電を検知すると自動的に起動します。非常用発電機が始動し、所定の電圧と周波数に達すると、切替装置が非常用電源に切り替わります。

この一連の動作はあらかじめ設定されたシーケンス制御により自動で行われます。電力の切替は重要な電気設備への電力供給を速やかに行うため、瞬時に行われる必要があります。

EPSの自動起動と電力切替の信頼性を確保するため、定期的な動作試験と保守点検が欠かせません。これにより、非常時に確実にEPSが機能するよう維持管理されています。

EPSの適切な容量設計と維持管理の重要性

EPSの容量は非常時に電力を供給する必要がある電気設備の容量と稼働時間に基づいて設計されます。過小な容量では十分な電力供給ができない恐れがあります。

一方、過大な容量設計はイニシャルコストや維持管理コストの増大につながります。適切な容量設計により、必要十分なEPSを経済的に導入することが重要です。

EPSは常に正常に機能することが求められます。そのため、定期的な保守点検と部品交換、燃料の管理などの適切な維持管理が不可欠です。

EPSの法的規制と設置基準

EPSに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EPSに関連する主な法律と規制
  • EPSの設置が義務付けられる建築物の種類と規模
  • EPSの設置基準と技術的要件

EPSに関連する主な法律と規制

EPSの設置に関しては建築基準法や消防法などの法律と規制があります。建築基準法では一定規模以上の建築物に対して、非常用照明設備や防災設備への電力供給が義務付けられています。

消防法では防火対象物の用途や規模に応じて、EPSの設置が求められる場合があります。これらの法規制により、建築物の安全性と防災機能の確保が図られています。

また、電気設備の技術基準を定めた電気設備技術基準や、内線規程などの規格も、EPSの設計と施工に関連する重要な規定となっています。

EPSの設置が義務付けられる建築物の種類と規模

EPSの設置が義務付けられる建築物は主に高層建築物や不特定多数の人が利用する特殊建築物です。具体的には高さが31メートルを超える建築物や、延べ面積が1,000平方メートルを超える学校、病院、ホテルなどが該当します。

また、地下街や地下駐車場、大規模な商業施設なども、EPSの設置が必要とされる場合があります。これらの建築物では停電時にも安全に避難できるよう、非常用照明や防災設備への電力供給が重要視されています。

建築物の用途や規模に応じたEPSの設置により、火災や地震などの非常時における建築物の安全性が確保されます。

EPSの設置基準と技術的要件

EPSの設置基準は各法規制や規格に定められています。非常用発電機の容量や起動時間、燃料の備蓄量などについて、詳細な技術的要件が規定されています。

例えば、非常用発電機は停電から10秒以内に起動し、40秒以内に定格出力の90%に達することが求められます。また、最低3時間以上の連続運転が可能な燃料を備蓄することが義務付けられています。

EPSの設置に際してはこれらの技術的要件を満たす機器の選定と適切な設計が必要不可欠です。規格に適合した機器の使用と、信頼性の高い施工により、EPSの性能と安全性が担保されます。

EPSの設計と施工上の留意点

EPSに関して、以下3つを簡単に解説していきます。

  • EPSの設計における負荷計算と機器選定
  • EPSの設置スペースと機器レイアウトの考慮点
  • EPSの施工における配線や接地などの留意点

EPSの設計における負荷計算と機器選定

EPSの設計では非常時に電力を供給する必要がある電気設備の負荷を正確に算出することが重要です。負荷計算では各設備の容量や稼働時間、同時使用率などを考慮し、必要な発電機容量を決定します。

過小な容量では必要な電力供給ができない恐れがあり、過大な容量では経済性が損なわれます。適切な負荷計算に基づいて、最適な発電機容量を選定することが求められます。

また、発電機や蓄電池、切替装置などの機器選定においては信頼性や効率性、メンテナンス性なども考慮する必要があります。

EPSの設置スペースと機器レイアウトの考慮点

EPSの設置には発電機や蓄電池などの機器を配置するためのスペースが必要です。設置スペースは機器の大きさや換気・排気設備、メンテナンス作業のスペースを考慮して決定されます。

機器レイアウトでは配線の最適化や機器間の離隔距離の確保、振動や騒音の影響などに配慮します。また、発電機の燃料供給ルートや排気ダクトの配置なども、適切に計画する必要があります。

EPSの設置スペースと機器レイアウトは建築物の設計段階から検討し、最適な配置を実現することが重要です。

EPSの施工における配線や接地などの留意点

EPSの施工では機器間の配線や非常用電源からの配線、接地工事などが行われます。配線は想定される負荷電流に対して適切なサイズの電線を選定し、電圧降下や許容電流を考慮して施工します。

また、EPSの確実な動作と安全性を確保するため、適切な接地工事が欠かせません。発電機や切替装置の筐体、配線の金属部分などを、確実に接地する必要があります。

施工の各段階で、法規制や技術基準に適合しているか確認し、必要な試験や検査を実施することが重要です。適切な施工と検査により、EPSの信頼性と安全性が担保されます。

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