NEDOが次世代型太陽電池実証事業を開始、ペロブスカイト太陽電池の早期社会実装と産業競争力強化を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

NEDOが次世代型太陽電池実証事業を開始
ペロブスカイト太陽電池の早期社会実装を目指す
量産技術開発とフィールド実証を並行して実施

NEDOのグリーンイノベーション基金事業による次世代型太陽電池開発

NEDOは、グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発」プロジェクトの一環として、「次世代型太陽電池実証事業」を2024年9月20日に新たに開始した。この事業では、ペロブスカイト太陽電池の量産化技術開発と、社会実装を実現するためのユーザーと連携したフィールド実証を並行して実施する。早期の社会実装と日本の太陽光発電産業の競争力強化を目指している。^[1]

採択された研究テーマでは、フィルム型のペロブスカイト太陽電池の量産化技術開発に取り組む。同時に、耐荷重の小さい屋根や高層ビル壁面への設置など、さまざまなフィールドでの実証を行う。これにより、ペロブスカイト太陽電池の軽量性や柔軟性を活かした新たな応用分野の開拓が期待される。

本プロジェクトは、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環である。NEDOに造成された総額2兆円の基金を活用し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援する。グリーン成長戦略で実行計画を策定している重点分野が支援対象となっている。

次世代型太陽電池実証事業の概要

項目	詳細
事業名	次世代型太陽電池実証事業
予算	378億円（NEDO支援規模）
期間	2024年度～2030年度（7年間）
目標	発電コスト14円／kWhの達成
主な開発内容	量産技術の確立、フィールド実証
特徴	軽量性、柔軟性を活かした応用

ペロブスカイト太陽電池について

ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト構造を持つ材料を光吸収層に用いた次世代太陽電池のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

軽量性と柔軟性を兼ね備えた構造
曲面や壁面などへの設置が可能
シリコン系太陽電池に対抗しうる性能

NEDOの次世代型太陽電池実証事業では、ペロブスカイト太陽電池の量産化技術開発とフィールド実証を並行して進める。この取り組みにより、耐荷重の小さい屋根や高層ビル壁面など、従来の太陽電池では設置が困難だった場所への応用が期待される。さらに、ロール・ツー・ロール方式による製造プロセスの確立により、大量生産と低コスト化の実現を目指している。

次世代型太陽電池実証事業に関する考察

NEDOの次世代型太陽電池実証事業は、日本の太陽光発電産業の競争力強化と2050年カーボンニュートラル実現に向けた重要な取り組みだ。ペロブスカイト太陽電池の軽量性と柔軟性を活かすことで、従来の太陽電池では適用が難しかった場所への設置が可能になり、太陽光発電の普及拡大が期待される。一方で、長期耐久性や大規模生産時の品質安定性など、実用化に向けてはまだ課題が残されているだろう。

これらの課題に対しては、産学官の連携強化と継続的な技術革新が解決策となる可能性が高い。特に、実際のフィールド実証を通じて得られるデータと知見は、製品の信頼性向上と市場ニーズへの適合に不可欠だ。また、量産技術の確立と並行して、設置工法や保守管理技術の開発も重要になるだろう。これらの総合的なアプローチにより、ペロブスカイト太陽電池の実用化と普及が加速すると考えられる。

今後、NEDOには本事業を通じて得られた成果を広く共有し、関連産業の育成にも貢献することが期待される。さらに、国際標準化への積極的な参画や、グローバル市場を見据えた戦略的な技術開発支援も重要だ。日本が次世代太陽電池技術で世界をリードし、環境技術のイノベーションを牽引する存在となることを期待したい。

参考サイト

^ PR TIMES. 「グリーンイノベーション基金事業で新たに「次世代型太陽電池実証事業」に着手しました | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000135644.html, (参照 24-09-22).

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