ボルテックスが大分銀行SDGs寄付型私募債で2億円調達、地域社会への貢献を目指す

text: XEXEQ編集部
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PR TIMES より

記事の要約

ボルテックスが大分銀行SDGs寄付型私募債で2億円調達
私募債発行手数料の一部を原資に大分県内自治体へ寄付
調達資金は設備資金として活用予定

ボルテックスの大分銀行SDGs寄付型私募債による資金調達

株式会社ボルテックスは、2024年9月に株式会社大分銀行が提供する「大分銀行SDGs寄付型私募債」により、2億円の資金調達を実施した。調達した資金は設備資金として活用される予定だ。この私募債は、発行手数料の一部を原資として、SDGs達成に資する取り組みを行っている非営利目的の法人等へ寄付を行うものである。^[1]

ボルテックスは1999年に設立された企業で、「区分所有オフィス」を主軸とした資産形成コンサルティングを行っている。同社の理念は「経営に新常識をもたらし富の再分配を実現することにより、社会における格差の拡大とそれによる分断を是正する」というものだ。東京都心部を中心に、大阪や福岡など日本経済を牽引する主要都市の商業地にある中規模ビルをフロアごとに分譲している。

2024年3月期の業績では、売上高819億円、経常利益86億円を達成している。従業員数は654名（2024年3月31日時点）で、東京本社の他、札幌、仙台、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡、鹿児島に支店を置いている。保有物件（賃貸用不動産）の金額は655億円に上り、「区分所有オフィス」を活用した新たな不動産戦略により、顧客の企業価値・事業継続性の向上に貢献している。

大分銀行SDGs寄付型私募債の概要

項目	詳細
発行企業	株式会社ボルテックス
引受金融機関	株式会社大分銀行
調達金額	2億円
調達時期	2024年9月
資金使途	設備資金
私募債の特徴	発行手数料の一部を原資としてSDGs関連の非営利法人等へ寄付
寄付先	大分県内の自治体

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SDGsについて

SDGsとは「Sustainable Development Goals（持続可能な開発目標）」の略称で、2015年に国連サミットで採択された2030年までに達成すべき国際目標のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

17の目標と169のターゲットで構成される包括的な開発目標
環境、経済、社会の3つの側面を統合的に扱う
「誰一人取り残さない」を理念とし、あらゆるステークホルダーの参画を重視

ボルテックスが利用した「大分銀行SDGs寄付型私募債」は、このSDGsの理念に基づいた金融商品の一例である。企業の資金調達と社会貢献を同時に実現することで、地域社会の持続可能な発展に寄与することを目指している。このような取り組みは、企業の社会的責任（CSR）の実践としても注目されている。

大分銀行SDGs寄付型私募債に関する考察

大分銀行SDGs寄付型私募債の導入は、地域金融機関と企業が協力してSDGsに貢献する新たな取り組みとして評価できる。この私募債は、企業の資金調達ニーズを満たしつつ、地域社会への貢献も同時に実現するという点で画期的だ。特に、発行手数料の一部を寄付に充てる仕組みは、企業の社会貢献活動を促進する効果的な方法といえるだろう。

一方で、今後の課題として、寄付の使途や効果の透明性確保が挙げられる。寄付先の選定基準や、寄付金がどのようにSDGs達成に貢献したかを明確に示すことが重要になってくるだろう。また、この私募債の普及に伴い、企業が単なる資金調達の手段としてSDGsを利用する「SDGsウォッシュ」のリスクも懸念される。

今後は、寄付の効果測定や報告の仕組みを整備し、より多くの企業がこのような取り組みに参加できるよう、制度の拡充が期待される。また、SDGs達成に向けた具体的なプロジェクトと連携するなど、より直接的な社会貢献につながる仕組みづくりも検討の余地があるだろう。金融機関には、こうした新しい金融商品を通じて、地域経済の活性化とSDGs達成の両立を目指す取り組みのさらなる発展が求められる。