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公開：2024-09-29

小清水町防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」がPHASE FREE AWARD 2024シルバー受賞、フェーズフリー施設として公共施設のモデルケースに

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 小清水町防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」がPHASE FREE AWARD 2024シルバー受賞
• 公民連携によるコミュニティ再生と防災の拠点として評価
• 日常時・災害時両方に対応したフェーズフリー施設

小清水町防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」がPHASE FREE AWARD 2024シルバーを受賞

北海道小清水町の防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」が、一般社団法人フェーズフリー協会主催の「PHASE FREE AWARD 2024」でシルバーを受賞した。「ワタシノ」は日常時・災害時の居場所づくりを通じて町のにぎわいと持続可能なまちづくりを目指す施設で、役場庁舎としては初の受賞となった。^[1]

「ワタシノ」は2018年の北海道胆振東部地震によるブラックアウトを教訓に誕生した施設だ。フェーズフリーの概念を取り入れ、コミュニティスペースやカフェ、ランドリー、フィットネスジムなどの日常的な機能と、災害時の防災拠点機能を併せ持つ。公共施設をフェーズフリー化することで地域活性化とレジリエンス向上につなげるモデルケースとして高く評価された。

本施設の特徴として、日常的に利用価値の高い施設を役場庁舎に併設している点が挙げられる。災害時には避難場所や炊き出し、洗濯、シャワーの利用など多目的に活用可能だ。また、温泉熱を利用した床暖房により停電時でも暖かく過ごせるなど、きめ細かな防災対策が施されている。これらの機能が評価され、フェーズフリーの特性が特に高い事例としてシルバー賞に選ばれた。

「ワタシノ」の特徴まとめ

フェーズフリーについて

フェーズフリーとは、身の回りにあるモノやサービスを「日常時」と「非常時」というフェーズ（社会の状態）をフリーにし、双方の状況で役立てる考え方だ。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 日常と非常時の境界をなくし、両立させる設計思想
• 平時の利便性と緊急時の機能性を兼ね備える
• 災害に強い社会づくりと日常生活の質向上を同時に実現

「ワタシノ」では、このフェーズフリーの概念を公共施設に適用している。日常的に利用される施設が災害時に避難所や災害対策本部として機能することで、非常時の対応力を高めている。同時に、普段から多くの住民が利用する魅力的な空間を作ることで、コミュニティの活性化にも貢献している。これにより、防災と地域振興を両立させるモデルケースとなっている。

小清水町防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」に関する考察

「ワタシノ」の取り組みは、過疎化や高齢化が進む地方自治体にとって重要なモデルケースとなるだろう。公共施設を多機能化することで、限られた予算と人員で効率的な行政サービスを提供しつつ、防災力の向上を図ることができる。一方で、施設の維持管理コストや運営の複雑さが課題となる可能性があるため、長期的な視点での計画立案と柔軟な運営体制の構築が求められるだろう。

今後の課題としては、地域住民の主体的な参加を促進し、施設の利用率を高めていくことが挙げられる。フェーズフリーの概念をより多くの人々に理解してもらい、日常的な利用を通じて防災意識を高めていく取り組みが重要だ。また、他の自治体や民間企業との連携を深め、フェーズフリーの考え方を広く普及させていくことも求められるだろう。

将来的には、AIやIoT技術を活用した施設運営の効率化や、再生可能エネルギーの導入による更なるレジリエンス向上が期待される。「ワタシノ」のような施設が全国に広がることで、日本全体の防災力向上と地域コミュニティの活性化につながることを期待したい。今後もこうした先進的な取り組みに注目し、持続可能な地域づくりのあり方を模索していく必要があるだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「役場としては 初受賞！小清水町防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」 が「PHASE FREE AWARD 2024」シルバーを受賞 | 株式会社OKULABのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000026908.html, (参照 24-09-29).

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