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公開：2024-10-02

京セラコミュニケーションシステムが国内初の常時再エネ100％データセンターを石狩市に開所、AI技術活用で24/7カーボンフリーエネルギーを実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• KCCSがゼロエミッション・データセンターを開所
• 再生可能エネルギー100％で運営する施設
• 常時再エネ100％を国内データセンター初実現

京セラコミュニケーションシステムが石狩市にゼロエミッション・データセンターを開所

京セラコミュニケーションシステム株式会社（KCCS）は、2024年10月1日に北海道石狩市において再生可能エネルギー100％で運営する「ゼロエミッション・データセンター 石狩（ZED石狩）」を開所した。KCCSは2019年にこの計画を発表し、2022年12月に着工して建設を進めてきたのである。^[1]

ZED石狩では、石狩湾新港洋上風力発電所の電力と、データセンター近隣に新設したKCCS所有の太陽光発電所の電力を組み合わせて利用する。この「生グリーン電力」の活用により、データセンターの運用を行う。さらに、蓄電池とAI技術を活用した電力需給制御と電力需要のタイムシフトを推進し、時間単位でカーボンフリー電力をマッチングする取り組みを実施する。

KCCSはZED石狩を通じて、顧客のDX推進やAI活用における脱炭素化・SDGsへの取り組みを支援し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指している。また、国内でのデータ分散保管や、データセンター技術者・エネルギー関連技術者などの雇用創出による地域活性化も視野に入れている。これにより、環境への配慮と地域経済の発展を両立させる取り組みとなっている。

ゼロエミッション・データセンター 石狩の特長まとめ

24/7カーボンフリーエネルギーについて

24/7カーボンフリーエネルギーとは、毎日24時間、毎週7日間、年間365日にわたり常時、CO2排出量ゼロの電力を供給しリアルタイムで使用するという考え方のことを指している。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 時間単位での再生可能エネルギーの供給と消費のマッチング
• 蓄電池やAI技術を活用した高度な電力需給制御
• 従来の年間総量ベースの再エネ調達を超えた、より厳密な脱炭素化アプローチ

ZED石狩では、この24/7カーボンフリーエネルギーの概念を国内のデータセンターで初めて実現している。洋上風力発電と太陽光発電を組み合わせた電力供給に加え、蓄電池とAI技術を活用した需給制御システムを導入することで、常時再生可能エネルギー100％での運用を可能にしている。この取り組みは、データセンター業界における新たな環境配慮の基準となる可能性を秘めている。

ゼロエミッション・データセンターに関する考察

ゼロエミッション・データセンターの開設は、データセンター業界における環境負荷低減の新たな基準を示す重要な一歩となる。特に、常時再生可能エネルギー100％での運用を実現した点は、他のデータセンター事業者にとっても大きな刺激となるだろう。一方で、再生可能エネルギーの安定供給や蓄電技術の更なる向上など、継続的な技術革新が求められる課題も存在する。

今後の課題として、再生可能エネルギーの発電量が不安定な時期や悪天候時の電力供給の安定性確保が挙げられる。この問題に対しては、より高効率な蓄電システムの開発や、地域間での電力融通ネットワークの構築などが解決策として考えられる。また、AI技術を活用した電力需給予測の精度向上も、安定運用に向けた重要な取り組みとなるだろう。

将来的には、ゼロエミッション・データセンターの技術やノウハウを他の産業分野にも応用していくことが期待される。例えば、大規模工場や商業施設など、電力消費量の多い施設への展開が考えられる。さらに、地域のマイクログリッド構築への貢献や、災害時のバックアップ電源としての活用など、社会インフラとしての役割も期待できる。こうした多面的な展開により、持続可能な社会の実現に向けた取り組みがさらに加速することだろう。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「京セラコミュニケーションシステム、ゼロエミッション・データセンター 石狩を開所 | 京セラコミュニケーションシステム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000176.000009956.html, (参照 24-10-02).

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