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公開：2024-10-03

TOPPANホールディングスが環境省のネイチャー開示実践事業に採択、TNFDフレームワークに基づく情報開示の推進へ

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• TOPPANホールディングスが環境省の事業に採択
• 「目標設定」支援対象として唯一の企業
• TNFDフレームワークに沿った情報開示を推進

TOPPANホールディングスのネイチャー開示実践事業採択

TOPPANホールディングス株式会社は環境省が実施する「気候関連財務情報開示を活かした自然関連財務情報開示支援モデル事業(通称：ネイチャー開示実践事業)」における「目標設定」支援対象企業に採択された。本事業の採択企業3社のうち「目標設定」支援対象としては唯一の採択企業となっている。^[1]

採択の理由として組織的な協力体制や事業への高い参加意欲が評価された。また自然に関する企業の情報開示における「目標設定」について国内企業の参考となるモデル性があると考えられたこと業種・分野の多様性等が総合的に評価されている。TOPPANホールディングスは本事業を通じてTNFDフレームワークに沿った情報開示の質的向上・量的拡大を目指すという。

TOPPANグループは自然関連課題を経営における最重要課題の一つとして位置付け取り組みを推進してきた。2010年4月に「生物多様性に関する方針」を制定し2023年には「TOPPANグループ環境ビジョン2050」に「生物多様性の保全」を追加するなど積極的な取り組みを行ってきた。2024年1月にはTNFD最終提言への賛同を表明し「TNFDアーリーアダプター」として企業報告をTNFDフレームワークに沿った形で開示する意向を登録している。

TOPPANホールディングスのTNFD対応まとめ

TOPPANホールディングスの公式発表はこちら

TNFDについて

TNFDとは「自然関連財務情報開示タスクフォース（Task Force on Nature-related Financial Disclosures）」の略称であり、主に以下のような特徴を持つ国際的なイニシアチブである。

• 自然資本および生物多様性に関するリスクと機会の評価を促進
• 企業や金融機関の情報開示を通じて資金の流れをネイチャーポジティブに移行
• 気候変動に関するTCFDの枠組みを自然資本に拡張した取り組み

TNFDは2023年9月に最終提言を公表し企業の賛同が増加している。TOPPANホールディングスも2024年1月にTNFD最終提言への賛同を表明しアーリーアダプターとして登録している。このような取り組みを通じて企業は自然関連のリスクと機会を適切に評価し持続可能な事業活動の実現を目指している。

ネイチャー開示実践事業に関する考察

ネイチャー開示実践事業の実施は自然関連の情報開示における企業の取り組みを加速させる重要な契機となる。特に「目標設定」支援対象としてTOPPANホールディングスが採択されたことは同社の環境への取り組みの先進性を示すとともに他の日本企業にとっても貴重なモデルケースとなるだろう。一方で自然関連の情報開示は気候変動関連の開示と比べてまだ発展途上の分野であり企業側の負担や課題も少なくないと考えられる。

今後予想される課題としては自然資本に関するデータの収集・分析の難しさや開示基準の国際的な統一化の遅れなどが挙げられる。これらの課題に対しては政府や業界団体による支援体制の強化やAI技術を活用したデータ分析ツールの開発などが解決策として考えられるだろう。また企業間の協力や情報共有を促進し業界全体で知見を蓄積していくことも重要だ。

ネイチャー開示実践事業を通じて得られた知見や課題は今後のTNFDフレームワークの改善や日本企業の自然関連情報開示の質的向上に大きく貢献すると期待される。TOPPANホールディングスには先駆者として積極的な情報発信を行い日本企業全体の自然資本に対する取り組みを牽引する役割を果たしてほしい。同時に政府や関係機関には継続的な支援と柔軟な制度設計を期待したい。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「TOPPANホールディングス、環境省「ネイチャー開示実践事業」に採択 | TOPPANホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001512.000033034.html, (参照 24-10-03).

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