Python 3.13.0 RC3が予定外にリリース、ガベージコレクタの変更を巻き戻し最終リリースを延期

text: XEXEQ編集部
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記事の要約

Python 3.13.0 RC3が予定外にリリース
ガベージコレクタの変更を巻き戻し
最終リリースは2024年10月7日に予定

Python 3.13.0 RC3の予期せぬリリースと最終リリースの延期

Python Software Foundationは2024年10月1日、Python 3.13.0のリリース候補3（RC3）を予定外にリリースした。この追加リリースは、インクリメンタルサイクリックガベージコレクタに関する重大な性能低下問題が発見されたことが主な理由だ。開発チームはこの問題に対処するため、ガベージコレクタの変更を3.13から巻き戻すことを決定したのである。^[1]

RC3では、ガベージコレクタの変更の巻き戻しに加え、他の重要なバグ修正も適用された。この決定により、Python 3.13.0の最終リリースは当初の予定から延期され、2024年10月7日（月曜日）に設定された。開発チームは、この追加のリリース候補が最終的な3.13.0リリースになると期待している。

Python 3.13.0 RC3は、プロダクション環境での使用は推奨されていないが、最終リリースに近い状態であるため、開発者やプロジェクトメンテナに対して、この段階でプロジェクトの3.13互換性の準備と、必要に応じてPyPIへのPython 3.13ホイールの公開を強く推奨している。これにより、3.13.0の最終リリース時に円滑な移行が可能になるだろう。

Python 3.13.0の主な新機能まとめ

機能	詳細
新しい対話型インタプリタ	PyPyベースの多行編集とカラーサポート機能
実験的フリースレッドビルドモード	GILを無効化し、スレッドの並行性を向上
実験的JIT	将来的な性能向上のための基盤
locals()関数の改善	返されたマッピングの変更時の動作を明確化
mimalloc の導入	オプションだがデフォルトで有効化
ドキュストリングの最適化	先頭のインデントを削除し、メモリ使用量を削減

インクリメンタルサイクリックガベージコレクタについて

インクリメンタルサイクリックガベージコレクタとは、プログラムの実行中にメモリの解放を段階的に行う仕組みのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

プログラムの実行を中断せずにメモリ管理を行う
循環参照を含むオブジェクトも適切に回収できる
大規模なアプリケーションでのパフォーマンス向上に貢献

Python 3.13.0 RC3では、このガベージコレクタに関する変更が巻き戻された。特定のワークロードにおいて重大な性能低下が発見されたためだ。開発チームは3.14で改良を続けることを決定し、ユーザーに安定したパフォーマンスを提供することを優先した。この判断は、Pythonの安定性と信頼性を重視する姿勢を示している。

Python 3.13.0リリースに関する考察

Python 3.13.0の開発過程で見られたガベージコレクタの問題とその対応は、オープンソース開発の柔軟性と課題を浮き彫りにしている。開発チームが迅速に問題を認識し、リリース計画を変更してユーザーの利益を優先したことは評価に値する。一方で、重要な機能変更がリリース直前まで不安定だったことは、開発プロセスの改善の余地を示唆している。

今後、Pythonの開発チームは機能の安定性とパフォーマンスのバランスを取ることが重要になるだろう。特に、ガベージコレクタのような基盤的な部分の改良は、より長期的な視点と綿密なテストが必要になる。また、コミュニティからのフィードバックをより早い段階で取り入れる仕組みを強化することで、リリース直前の大きな変更を避けられる可能性がある。

Python 3.13.0の新機能、特に実験的なフリースレッドビルドモードやJITの導入は、言語の将来的な発展の方向性を示している。これらの機能が成熟し、安定化することで、Pythonの適用範囲がさらに広がることが期待される。同時に、既存のコードベースとの互換性維持や、新機能の学習コストなど、コミュニティ全体で取り組むべき課題も増えていくだろう。