JOGMECが西豪州でリチウム共同探鉱契約を締結、Alchemy Resources Ltdと5年間で600万豪ドル拠出しローヒルズ地域での鉱床発見を目指す

text: XEXEQ編集部
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PR TIMES より

記事の要約

JOGMECが西豪州でリチウム共同探鉱契約締結
Alchemy Resources Ltdと5年間で600万豪ドル拠出
ローヒルズ地域でリチウム鉱床発見を目指す

JOGMECがオーストラリアでリチウム共同探鉱契約を締結

JOGMECは2024年9月27日、オーストラリアの探鉱企業Alchemy Resources Ltdと西オーストラリア州ローヒルズ地域においてリチウムを対象とした共同探鉱契約を締結した。この契約により、JOGMECは今後5年間で600万豪ドルを拠出し、本プロジェクトの権益51％を取得するオプションを得ることができる。豪州外国投資審査委員会による承認後、探鉱事業が開始される予定だ。^[1]

ローヒルズ地域は、西オーストラリア州カルグーリー・ボールダー市から東へ約100キロメートルに位置し、交通インフラが整備された場所にある。この地域は周辺に複数のリチウム操業鉱山が所在することから、リチウムの賦存ポテンシャルが高い場所として注目されている。JOGMECは地質調査や地化学探査、物理探査、ボーリング調査を実施し、経済性を有する新たなリチウム鉱床の発見を目指す。

本プロジェクトは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた自動車の電動化などに伴い需要拡大が見込まれているリチウム資源の安定供給に貢献することを目的としている。JOGMECは、この共同探鉱を通じてリチウム資源の安定供給への貢献に一層努めるとしており、今後の探鉱活動の進展が期待される。

JOGMECのリチウム共同探鉱プロジェクト概要

	詳細
探鉱地域	西豪州ローヒルズ地域（カルグーリー・ボールダー市から東へ約100km）
鉱区規模	3鉱区（計248平方キロメートル）
契約相手	Alchemy Resources Ltd（豪州の探鉱ジュニア企業）
契約内容	5年間で600万豪ドル拠出、権益51％取得オプション
探鉱内容	地質調査、地化学探査、物理探査、ボーリング調査
周辺鉱山	Mt.Marion鉱山、Bald Hill鉱山、Manna鉱床

硬岩型リチウムについて

硬岩型リチウムとは、鉱石から回収されるリチウム鉱床のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

ペグマタイト鉱床に多く含まれる
主にスポジュメンやレピドライトなどの鉱物から抽出
かん水型と比べて高品位だが採掘コストが高い

ローヒルズ地域で確認されているペグマタイト脈の転石は、硬岩型リチウム鉱床の存在を示唆する重要な指標となる。JOGMECが計画している地質調査や物理探査、ボーリング調査は、こうした硬岩型リチウム鉱床の発見と評価に不可欠な手法であり、経済的に採掘可能な鉱床の発見につながる可能性がある。

JOGMECのリチウム共同探鉱に関する考察

JOGMECによる西オーストラリア州でのリチウム共同探鉱契約締結は、日本のリチウム資源確保戦略において重要な一歩となる。特に、ローヒルズ地域が既存のリチウム鉱山に近接しており、高いリチウム賦存ポテンシャルを持つ点は注目に値する。この地域での探鉱成功は、日本の電気自動車産業や蓄電池産業にとって重要な原料供給源となる可能性があるだろう。

一方で、リチウム探鉱・開発には環境面や地域社会との関係構築など、さまざまな課題が存在する。特に、水資源の利用や生態系への影響に関しては慎重な対応が求められる。JOGMECには、環境に配慮した探鉱活動と、地域社会との良好な関係構築が期待される。また、探鉱リスクの管理や、将来的な採掘・精製技術の開発など、長期的視点での取り組みも重要になるだろう。

今後、JOGMECには探鉱技術の高度化や、AI・IoTを活用した効率的な探鉱手法の導入も期待したい。さらに、この共同探鉱プロジェクトを通じて得られる知見を、日本国内の資源開発にも活かすことができれば、日本の資源セキュリティ強化にもつながるはずだ。リチウムの安定供給確保に向けたJOGMECの取り組みは、日本のエネルギー転換と産業競争力強化に大きく寄与する可能性を秘めている。