日本システム技術が手足口病患者動向を分析、ビッグデータで感染拡大のパターンを解明

text: XEXEQ編集部

PR TIMES より

記事の要約

手足口病の患者動向をビッグデータで分析
2020年のコロナ禍で患者数が大幅減少
2022年は患者数が増加、夏季に流行のピーク

手足口病の患者動向分析とその特徴

日本システム技術株式会社は、独自に保有するメディカルビッグデータ「REZULT」を用いて手足口病の患者動向を分析した結果を2024年7月25日に公開した。この分析により、2020年のコロナ禍で手足口病の患者数が大幅に減少したことが明らかになった。マスク着用や手洗い・うがいの徹底が感染防止に効果を示したと考えられる。^[1]

2022年のデータに焦点を当てると、手足口病は7月から9月にかけての夏季に患者数が増加する傾向が顕著に表れている。特に9歳以下の患者が大多数を占めており、幼児を中心に流行する疾患であることが裏付けられた。また、30代の患者数も比較的多く、子どもを持つ親世代への感染拡大が示唆されている。

手足口病は飛沫感染、接触感染、糞口感染によって広がるため、適切な感染対策が重要である。今回の分析結果は、家庭内での感染対策の重要性を浮き彫りにした。日常的な手洗いの徹底や排泄物の適切な処理など、基本的な衛生管理が感染予防の鍵となることが再確認された。

	2019年	2020年	2021年	2022年	2023年
患者数推移	多い	大幅減少	増加傾向	顕著な増加	高水準維持
主な特徴	通常の流行	コロナ禍の影響	徐々に回復	夏季にピーク	9歳以下中心
感染対策の影響	通常レベル	マスク効果大	対策緩和の影響	対策継続の重要性	家庭内感染注意

メディカルビッグデータについて

メディカルビッグデータとは、大量の医療関連データを収集・分析し、医療や健康管理に活用する情報のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

多様な医療情報を大規模に集積・分析可能
疾病の傾向や治療効果の予測に活用
個人情報保護と匿名化処理が重要

メディカルビッグデータは、電子カルテ、レセプト（診療報酬明細書）、健康診断結果、遺伝子情報など、様々な医療関連データを包含している。これらのデータを統計的に分析することで、疾病の流行予測や新たな治療法の開発、医療サービスの質の向上などに寄与する可能性を秘めている。今回の手足口病の分析のように、特定の疾患の動向を詳細に把握することも可能だ。

手足口病の患者動向分析に関する考察

今後、手足口病の患者動向分析において、気候変動による流行パターンの変化が問題となる可能性がある。地球温暖化の影響で夏季の高温期間が延長されれば、従来の流行時期が変化し、予防や医療体制の整備に影響を与える恐れがある。また、都市化の進展による人口密集地域の拡大は、感染拡大のリスクを高める要因となるだろう。

メディカルビッグデータの活用においては、より細分化された地域別のリアルタイム分析機能の追加が期待される。これにより、局所的な流行の早期検知や、効果的な予防策の立案が可能になるだろう。さらに、AIを活用した予測モデルの精度向上も、今後追加されるべき重要な機能の一つである。

手足口病の患者動向分析の発展により、公衆衛生政策の立案や医療リソースの最適配分に大きな貢献が期待できる。特に、ワクチン開発や新たな治療法の研究に対するデータ提供は、医学の進歩を加速させる可能性を秘めている。今後は、国際的なデータ共有体制の構築も視野に入れ、グローバルな感染症対策に寄与することが望まれる。