愛知県が自動運転車両の定期運行を開始、名古屋駅とSTATION Aiを結ぶ全国初の都市部実証実験

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

愛知県が自動運転車両の定期運行を実施
名古屋駅とSTATION Aiを結ぶ全国初の取り組み
自動運転レベル2による幹線道路での実証実験

愛知県が自動運転車両の定期運行を開始、都市部での全国初の取り組み

愛知県は、名古屋駅付近(総合校舎スパイラルタワーズ)と10月31日にグランドオープン予定のSTATION Ai(名古屋市昭和区)を結ぶ自動運転車両の定期運行を、2024年11月7日から2025年3月19日まで実施すると発表した。この取り組みは自動運転レベル2による実証実験であり、交通量の多い都市部における幹線道路の車速に沿った自動運転車両による定期運行としては全国初となる。^[1]

本実証実験では、幹線道路の車速に対応した自動走行のほか、車内無人を想定したオペレーションの検証等を約5か月の長期にわたり実施する予定だ。また、一般利用の予約受付を10月9日から開始し、STATION Aiを利用する中学生以上の方、または保護者が同伴する小学生で、利用規約に同意いただける方が対象となっている。

使用車両は、ミニバン「シエナ（トヨタ自動車）」をベースとした車両で、May Mobility社製自動運転ソフトウェアを搭載している。車体には自動運転用地図、LiDAR、カメラ、レーダーによる周辺認識システム、GNSSが搭載されており、最高速度は48km/h(実勢速度に合わせて設定)となっている。車両デザインは専門学校「HAL名古屋」の学生によるものだ。

愛知県の自動運転車両定期運行実証実験の概要

	詳細
運行期間	2024年11月7日から2025年3月19日まで
運行ルート	STATION Aiとスパイラルタワーズを結ぶ若宮大通を中心としたルート
利用対象者	STATION Ai利用者（中学生以上、小学生は保護者同伴）
予約開始日	2024年10月9日
使用車両	トヨタ自動車「シエナ」ベースのMay Mobility社製自動運転車両

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自動運転レベル2について

自動運転レベル2とは、運転支援システムの一種で、主に以下のような特徴がある。

ステアリング、アクセル、ブレーキの複数操作を自動化
特定の条件下で部分的な自動運転が可能
システムの作動中でもドライバーによる監視が必要

愛知県の実証実験では、自動運転レベル2のシステムを使用しながら、交通量の多い都市部の幹線道路での定期運行を行う。この取り組みにより、自動運転技術の実用化に向けた課題の抽出や、社会的受容性の醸成が期待されている。将来的には、より高度な自動運転レベルの実現を目指し、技術開発と実証実験が継続されるだろう。

愛知県の自動運転車両定期運行に関する考察

愛知県による自動運転車両の定期運行は、都市部における自動運転技術の実用化に向けた重要な一歩だ。交通量の多い幹線道路での長期運用は、技術的課題の発見や解決、安全性の検証に大きく貢献するだろう。一方で、一般道路での運用には予期せぬ状況への対応や他の交通参加者との協調など、克服すべき課題も多く存在する。

今後は、自動運転レベル2から更に高度な自動運転の実現に向けた取り組みが期待される。特に、車内無人を想定したオペレーションの検証は、将来的な完全自動運転サービスの実現に向けた重要な知見をもたらすだろう。また、公共交通機関との連携や、高齢者・障害者の移動支援など、社会的ニーズに応じたサービスの拡充も期待したい。

自動運転技術の進化は、都市交通の効率化や交通事故の削減、環境負荷の低減など、多くの社会的利益をもたらす可能性がある。愛知県の取り組みが、自動運転技術の社会実装を加速させ、より安全で便利な交通社会の実現に貢献することを期待したい。同時に、技術の進化に伴う法整備や倫理的課題への対応も重要な検討事項となるだろう。