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公開：2024-10-15

ダイニングイノベーションらが国産SAF製造に向け基本合意書を締結、飲食店の廃食用油を活用し脱炭素化を推進

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

記事の要約

• 4社が国産SAF製造に向け基本合意書を締結
• 飲食店の廃食用油をSAF原料として供給
• 「Fry to Fly Project」に参画し資源循環を促進

ダイニングイノベーションらが国産SAF製造に向け基本合意書を締結

株式会社Dining Innovation Investment、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社 SAFFAIRE SKY ENERGYの4社は2024年10月15日付で、国産SAF製造に向けた基本合意書を締結した。この合意により、ダイニングイノベーショングループが展開する飲食店から出る廃食用油をSAF製造の原料として供給することで、CO2排出量削減と脱炭素社会の実現を目指すことになる。^[1]

ダイニングイノベーションは「Fry to Fly Project」に参画し、グループ会社が展開する飲食店で発生する廃食用油をSAF製造の原料として提供する取り組みを開始する。まずは「Italian Kitchen VANSAN」「やきとり家すみれ」「じねんじょ庵」の直営店から実施し、今後順次対象店舗を拡大していく予定だ。この取り組みは、食に新しい価値を加える試みであり、業界の垣根を超えた脱炭素社会実現への貢献として大きな意義を持つ。

レボインターナショナルは各店舗から廃食用油を収集し、SAFFAIRE SKY ENERGYに供給する。SAFFAIRE SKY ENERGYは大阪府堺市のコスモ石油堺製油所構内に日本初のSAF大規模製造プラントを建設し、2025年初頭の操業開始を見込んでいる。日揮HDはサプライチェーンの全体構築、特に廃食用油の排出元の開拓を担当する。これにより、廃食用油を原料とする国産SAFのサプライチェーン構築が加速されることが期待される。

国産SAF製造のサプライチェーン構築まとめ

SAFについて

SAFとは「Sustainable Aviation Fuel」の略称で、持続可能な航空燃料を指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

• 従来の航空燃料に比べ温室効果ガス排出量を約80％削減可能
• バイオマスや廃食用油、都市ごみなどを原料として使用
• 既存のインフラをそのまま活用できる

SAFは航空機の脱炭素化に重要な役割を果たすと期待されている。電気や水素などの代替燃料が使用しにくい航空機において、SAFの利用によるCO2排出削減が世界的に求められている。今回の取り組みは、日本国内での資源循環を促進し、持続可能な航空産業の実現に向けた重要なステップとなるだろう。

国産SAF製造に向けた基本合意に関する考察

この基本合意は、飲食業界と航空産業を結びつける画期的な取り組みとして評価できる。廃食用油の再利用によるSAF製造は、資源の有効活用と環境負荷の低減を同時に実現する優れた手法だ。しかし、安定的な廃食用油の供給体制の構築や、SAF製造コストの削減など、実用化に向けてはまだ多くの課題が残されているだろう。

今後の課題としては、より多くの飲食店や企業を巻き込んだ廃食用油回収ネットワークの拡大が挙げられる。また、SAFの品質管理や規格統一、航空会社との連携強化なども重要だ。これらの課題に対しては、政府の支援策や業界横断的な協力体制の構築が解決の糸口になる可能性がある。長期的には、SAF製造技術のさらなる向上や新たな原料の開発にも期待したい。

この取り組みが成功すれば、日本の航空業界の競争力強化にもつながるだろう。国産SAFの安定供給は、国内航空会社の環境対策を後押しし、国際的な評価向上にも寄与する。さらに、この資源循環モデルは他産業にも応用可能であり、日本全体の脱炭素化推進に大きな影響を与える可能性がある。今後の展開に注目が集まるところだ。

参考サイト

1. ^ PR TIMES. 「「やきとり家すみれ」などを展開するダイニングイノベーションが国内資源循環による国産SAF製造に向け、廃食用油の供給に協力する基本合意書を締結 | 日揮ホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000237.000065135.html, (参照 24-10-15).

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