多世代共生の福祉施設「深川えんみち」がグッドデザイン金賞を受賞、0〜100歳が集う革新的な空間を実現

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

多世代共生の複合型福祉施設「深川えんみち」が開設
グッドデザイン金賞を受賞した革新的な施設設計
0歳から100歳まで多世代が交流できる空間を実現

「深川えんみち」が実現する多世代共生型福祉施設の新たな形

JAMZA一級建築士事務所が設計・監理を行い、社会福祉法人聖救主福祉会とNPO法人地域で育つ元気な子が運営する複合型福祉施設「深川えんみち」が、2024年度グッドデザイン金賞を受賞した。2024年5月に東京都江東区の門前仲町に誕生したこの施設は、0歳から100歳までの多世代が集い交わる場を提供している。^[1]

「深川えんみち」の特徴は、高齢者デイサービス、子育てひろば、学童保育クラブ、そして私設図書館が同じ建物内に共存していることだ。これらの機能がゆるくつながり、重なり合うことで、自然な交流が生まれるよう設計されている。施設内に「道」を引き込み、その周辺に様々な機能を配置することで、街の延長線上にある生活空間を創出している。

また、「タイムシェア」の概念を取り入れ、空きスペースを有効活用しながら時間とともに機能が移り変わる仕組みを採用している。さらに、23区初となる一箱本棚オーナー制度の私設図書館「エンミチ文庫」を開設し、地域の人々が運営に参加できる仕組みを構築した。これにより、福祉施設に関わりづらかった中間世代も巻き込んだ、開かれた福祉の場を実現している。

「深川えんみち」の特徴まとめ

	機能	特徴	対象年齢
1階	高齢者デイサービス	街との接点を持つオープンな空間	主に高齢者
2階	子育てひろば・学童保育クラブ	多世代交流を促進する設計	0歳〜小学生
共通	私設図書館「エンミチ文庫」	一箱本棚オーナー制度を採用	全年齢
設計コンセプト	「道」「タイムシェア」「街との接点」	自然な交流を生む「ごちゃまぜ」空間	0〜100歳

タイムシェアについて

タイムシェアとは、時間を共有するという意味で、複数の利用者が同じ資源や空間を時間で分けて使用する仕組みのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

限られた資源を効率的に活用できる
異なる目的や用途に応じて柔軟に空間を変化させられる
多様なニーズに対応しつつ、コスト削減が可能

「深川えんみち」では、このタイムシェアの概念を福祉施設に応用している。高齢者デイサービス、子育てひろば、学童保育クラブなど、異なる機能を持つ施設が時間帯によって空間を共有することで、施設の有効活用を図っている。これにより、多世代の交流が自然に生まれる環境を創出し、地域コミュニティの活性化にも貢献している。

「深川えんみち」の多世代共生型福祉施設に関する考察

「深川えんみち」の最大の利点は、従来の福祉施設の枠を超えた多世代交流の場を提供している点だ。高齢者と子どもたちが日常的に接する機会を創出することで、世代間の理解や思いやりの心を育む環境が整備されている。しかし、異なる世代のニーズや生活リズムの違いから、施設運営上の課題が生じる可能性も考えられるだろう。

これらの課題に対しては、各世代の特性や要望を細かく分析し、柔軟な施設利用ルールの設定や専門スタッフの配置などで対応することが求められる。また、今後の展開として、多世代交流をさらに促進するためのプログラムや、地域住民が主体的に関わることのできるイベントの企画・実施なども期待したい。これにより、施設と地域との結びつきがより強固なものとなるはずだ。

「深川えんみち」の成功は、今後の福祉施設のあり方に大きな影響を与える可能性がある。高齢化社会が進む中、単なる福祉サービスの提供にとどまらず、地域コミュニティの核となる施設の重要性は増すばかりだ。「深川えんみち」の取り組みが、全国各地で同様の多世代共生型施設の誕生につながることを期待したい。

参考サイト

^ PR TIMES. 「合言葉は「ごちゃまぜ」！ 0〜100歳が集う福祉施設「深川えんみち」が『グッドデザイン金賞』を受賞！ | JAMZAのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000151303.html, (参照 24-10-18).

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