静岡市が36年続くデザインプロジェクト展を開催、伝統工芸と現代デザインの融合に注目が集まる

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

静岡市で「静岡市のデザインプロジェクト展」開催
1988年から続く産業振興の取り組みを紹介
駿府の工房匠宿で2024年11月1日から12月1日まで

静岡市のデザインプロジェクト展、36年の歴史を振り返る

静岡市の伝統工芸体験施設「駿府の工房匠宿」にて、「静岡市のデザインプロジェクト展」が2024年11月1日から12月1日まで開催される。この展示会は、1988年から続く静岡市の産業振興を目的とした取り組みを紹介するものだ。36年にわたる静岡市の挑戦の軌跡が一堂に会する初めての機会となる。^[1]

プロジェクトは当初、AXISの協力を得て倉俣史朗氏や内田繁氏、喜多俊之氏、ジョージソーデン氏といった著名デザイナーを迎え入れ、産地イメージアップ事業としてスタートした。その後、ダイナミクス事業、ウッディフロンティア事業、つなぐデザインしずおか事業と、時代に合わせて名称や性質を変えながら現在まで継続している。

駿府の工房匠宿では2022年より「体験をデザインする」プロジェクトを開始し、ミナペルホネンデザイナーの皆川明氏や建築家の隈研吾氏との製品開発を行った。今回の展示会では、これらのプロジェクトでの開発品が一堂に会するほか、五十嵐久枝氏との新しい体験デザインの進捗も公開される予定だ。

静岡市のデザインプロジェクト展の概要

項目	詳細
会場	駿府の工房匠宿内匠宿伝統工芸館
開催期間	2024年11月1日（金）～12月1日（日）
開館時間	10:00～19:00（入場は閉館30分前まで）
休館日	月曜日（月曜祝日の場合は営業、翌平日休館）
入場料	無料
協力	公益財団法人静岡産業振興協会
後援	静岡特産工業協会

駿府の工房匠宿の公式サイトはこちら

産地イメージアップ事業について

産地イメージアップ事業とは、地域の産業振興を目的とした取り組みのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

地場産業の価値向上と競争力強化を目指す
著名デザイナーとのコラボレーションによる新製品開発
伝統技術と現代的デザインの融合を図る

静岡市の事例では、1988年からAXISの協力を得て、倉俣史朗氏や内田繁氏、喜多俊之氏、ジョージソーデン氏といった著名デザイナーを起用した。この取り組みは、地域の伝統工芸や産業に新たな価値を見出し、現代のニーズに合わせた製品開発を行うことで、産地のイメージアップと競争力の強化を図るものだ。

静岡市のデザインプロジェクトに関する考察

静岡市のデザインプロジェクトが36年にわたって継続している点は高く評価できる。地場産業と著名デザイナーとのコラボレーションにより、伝統工芸に新たな価値を見出し、時代のニーズに合わせた製品開発を行っている点は、他の地域の産業振興の模範となるだろう。一方で、長期にわたるプロジェクトの中で、新たな課題や市場の変化への対応が求められる可能性がある。

今後の課題としては、若手デザイナーの育成やグローバル市場への展開が考えられる。これらの課題に対しては、デザイン教育プログラムの充実や海外デザイナーとの交流促進、オンラインプラットフォームを活用した販路拡大などが解決策として挙げられるだろう。また、SDGsやサステナビリティの観点を取り入れた製品開発も、今後の重要なテーマになると予想される。

今後の展開としては、デジタル技術と伝統工芸の融合による新たな表現方法の模索や、体験型コンテンツの更なる充実が期待される。駿府の工房匠宿での「体験をデザインする」プロジェクトは、その先駆けとなる取り組みだ。静岡市のデザインプロジェクトが、地域の文化的資産を活かしながら、新たな価値創造の場として進化し続けることを期待したい。