animoと北海道大学が学術コンサルティング契約を締結、獣医療のデータ活用と診療体験向上を目指す

text: XEXEQ編集部
（記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります）

PR TIMES より

記事の要約

animoが北海道大学と学術コンサルティング契約を締結
ペット向け健康管理アプリの開発を進める
獣医療におけるデータ標準化と診療体験向上を目指す

animoと北海道大学の学術コンサルティング契約締結

シミックホールディングス株式会社のグループ会社であるanimo株式会社は、北海道大学と学術コンサルティング契約を2024年10月16日に締結した。この契約により、北海道大学大学院獣医学研究院附属動物病院の笹岡一慶助教の学術的指導を受けながら、ペット向け健康管理アプリ「animo platform」を通じてanimal PHR/EHRデータの標準化や研究におけるデータ利活用について検討を進めていく。^[1]

animo株式会社は、人と動物の垣根を超えたヘルスケア・エコシステムの構築（One Health Platform）を目指し、アニマルヘルスケア領域の事業を展開している。この取り組みは、獣医療におけるデータ活用を加速させ、より良い診療や研究開発につながることが期待される。特に内科疾患や神経疾患など長期的な治療が必要な場合、従来の断片的な診療記録に加えて日常的な健康データの活用が重要となる。

笹岡助教は、獣医師目線のEHR（Electric Health Record）に加えて、患者目線のPHR（Personal Health Record）を組み合わせることの重要性を強調している。animo platformを通じて、飼い主が日常的に記録する健康データと獣医師の診療記録を統合することで、より包括的な動物の健康管理が可能になると期待されている。これにより、獣医療のデータ基盤形成と研究開発の促進が図られる。

animoと北海道大学の学術コンサルティング契約の概要

項目	詳細
契約締結日	2024年10月16日
契約主体	animo株式会社と北海道大学
学術指導者	北海道大学大学院獣医学研究院附属動物病院笹岡一慶助教
対象アプリ	ペット向け健康管理アプリ「animo platform」
主な目的	animal PHR/EHRデータの標準化と研究におけるデータ利活用
期待される成果	獣医療におけるデータ活用の促進、診療体験の向上

animo株式会社の詳細はこちら

PHRについて

PHRとは「Personal Health Record」の略称で、個人が自身の健康情報を管理・記録するシステムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

個人が主体的に記録・管理する健康データ
日常的な健康状態や生活習慣の記録が可能
医療機関の記録（EHR）を補完する役割を果たす

獣医療の分野では、PHRの活用によってペットの日常的な健康状態を継続的に記録することが可能となる。animo platformのようなアプリケーションを通じて、飼い主が日々の観察結果や気づきを記録し、それを獣医師の診療記録（EHR）と組み合わせることで、より包括的な健康管理が実現できる。これにより、長期的な治療が必要な内科疾患や神経疾患などの場合に、病態の全体像をより正確に把握することが可能となる。

獣医療におけるPHR/EHRデータ活用に関する考察

animoと北海道大学の学術コンサルティング契約締結は、獣医療におけるデータ活用の新たな可能性を開くものだ。特に長期的な治療が必要な疾患において、日常的なPHRデータと診療時のEHRデータを組み合わせることで、より精密な診断や効果的な治療計画の立案が可能になると考えられる。一方で、大量のデータを適切に管理し、有効活用するためのシステムの構築や、データの標準化が課題となるだろう。

今後起こり得る問題として、データの信頼性や精度の確保、プライバシー保護の問題が挙げられる。飼い主が入力するPHRデータの質にばらつきが生じる可能性があり、これらのデータを研究や診療に活用する際の信頼性をどのように担保するかが課題となる。解決策としては、AIを活用したデータの妥当性チェックシステムの導入や、飼い主向けのデータ入力ガイドラインの作成などが考えられるだろう。

将来的には、animo platformのような健康管理アプリに、ウェアラブルデバイスとの連携機能や、AI診断支援機能などが追加されることが期待される。また、蓄積されたデータを活用した疾病予測モデルの開発や、個別化された予防医療プログラムの提供など、データ駆動型の獣医療サービスの展開にも期待が高まる。このような取り組みを通じて、ペットの健康寿命の延伸や、飼い主の満足度向上につながることを期待したい。